自転車の交通ルールを再確認!道交法改正で変わったところはここ

公開日:2024/07/12
自転車の交通ルールを再確認!道交法改正で変わったところはここ

自転車の交通ルールには、知っているつもりでもついつい守らなかったり無意識に破ってしまっていたりするものが多くあるのではないでしょうか?この記事では、もう一度意識したい自転車の交通ルールについて解説します。また、道交法改正により変更になったヘルメット着用の努力義務や、2026年までに導入される予定の「青切符」の詳細について調査したことも分かりやすくお伝えします。

間違えやすい自転車の交通ルール!あなたは守れている?

自転車事故が後を絶たない昨今、私たちはもう一度自転車の正しい乗り方や交通ルールについて意識する必要があります。ここでは、知っているつもりでも実際には守れていないことが多い自転車の交通ルールについてまとめてみました。

自転車は原則車道を通る

自転車は「軽車両」なので、歩道と車道が区別されているところは原則車道の左側を通らなければいけません。これを破ると3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられます。ただし、「普通自転車歩道通行可」の標識が歩道にある時や、13歳未満の子ども・70歳以上の高齢者・身体の不自由な人が自転車を運転する時、道路工事などで車道を通るのが危険な時は例外で、自転車は歩道を通ることができます。
自転車が歩道を通る場合、自転車は車道に近いところを通らなければならず、しかも徐行する必要があります。また、歩行者が通るのに自転車が邪魔になりそうだったらいったん止まらなければいけません。
参照:警視庁 (tokyo.lg.jp)

夜間は自転車のライトを点灯させなければならない

夜に自転車に乗る時は、ライトを点灯させなければなりません。違反した場合、5万円以下の罰金が科せられます。自分が暗い道をライトで照らすことにより、明るくして見やすくするためという目的もありますが、何より大切な目的は他の自動車や歩行者などに自分がここにいるということを知らせることです。ライトを点けないと周りの人はあなたの存在に気づきにくく、接触事故などが起こる可能性が高くなるため非常に危険です。夕方暗くなってきたら早めにライトを点けるのが良いでしょう。
参照:知ってる?守ってる?自転車利用の交通ルール | 政府広報オンライン (gov-online.go.jp)

飲酒運転は自転車でも禁止

飲酒運転は自動車についてはもちろんのこと、自転車でも禁止されています。酒に酔った状態で運転した場合、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。また、酒気を帯びている人に自転車を貸したり渡したりすることも、飲酒運転をする可能性がある人に酒を提供することもしてはいけません。自動車じゃなくて自転車だから、ちょっとくらいなら大丈夫だろう、その気持ちが事故につながります。くれぐれも飲酒運転はしないように気を付けましょう。
参照:4 飲酒運転は禁止 警視庁 (tokyo.lg.jp)

道路で並走してはいけない

自転車が並んで一緒に走っている場面をよく見かけますが、これは違反になります。追い抜いたり追い越したりはOKですが、並んでそのまま走り続けるのは禁止されているのでやめましょう。ただし、「並進可」の標識がある道路では並進することが2台まで許されています。違反すると、2万円以下の罰金などが科せられます。
参照:意外と知らない自転車のルール!並んで走るのは違反? | バイクのニュース (bike-news.jp)

自転車に乗りながら傘を差してはいけない

自転車に乗りながら傘を差すのも違反になります。傘を差すと片手運転になってしまい、ハンドル操作やブレーキ操作が十分にできず、転倒や接触事故につながるからです。また、視野が狭くなるので歩行者や車に気づくのが遅れるというのも危険の一つです。では、傘スタンドなどを使って傘を自転車に固定する場合はどうなのでしょうか。調査したところ、地域によって判断が異なり、傘を自転車に固定して運転することが交通違反となってしまう地域も存在します。たとえ交通違反にはならないという場合でも、不安定になったり傘が歩行者に当たったりする恐れがあるため、やめておいた方がよさそうです。
参照:20230919.pdf (tokyo.lg.jp)

自転車に関する間違えやすい交通ルールを紹介してきましたが、これらはほんの一部です。これだけのルールがあることを、果たしてどれだけの人が知っているでしょうか?そしてどれだけの人がきちんと守っているでしょうか?思い当たることがある人は、今日から意識してルールを守れるように行動してみてください。

ヘルメット着用はどうして必要?その理由について解説

2023年4月1日に改正道交法が施行され自転車利用時のヘルメット着用が努力義務化されました。それまでは13歳未満の子どもに保護者がヘルメットを着用させる「努力義務」がありましたが、今回の改正では自転車に乗る全年齢の人が対象です。「努力義務」なので罰則はありませんが、安全に自転車に乗るためにはヘルメット着用は必須であると言えます。
しかし、ヘルメットを毎回着用している人は少なく、ヘルメットが街の人々に浸透するには時間がかかりそうです。ヘルメット着用を定着させるには、多くの人にヘルメット着用の必要性を感じてもらう必要があります。そこで、ヘルメット着用はどうして必要なのかを考えるために、ヘルメット未着用時の問題点について挙げてみます。

ヘルメット未着用だと事故の時に死亡する確率が高くなる

2021年までの5年間に起きた自転車の事故で、ヘルメットを着用していなかったケースが着用していた場合より致死率が2.2倍以上に上がったというデータがあります。
ヘルメットを着けていないと事故の時に死亡する確率が高くなる可能性があるため、自転車を運転する人は自分の身を守るためにヘルメットを着用する必要がありそうです。
普段、人は自分のことを死と結び付けて考えません。しかし、事故というのは突然起こり得るものであり、たとえ自分が悪くなくても事故に巻き込まれて死亡する可能性も絶対に無いとは言い切れません。事故に遭ってから「ヘルメットをかぶっていればよかった」と後悔しても遅いのです。ヘルメットの必要性を知った上できちんと準備し、自転車に乗る時はヘルメットを忘れずにかぶるように心がけましょう。
参照:ヘルメット着用 自転車は全年齢で努力義務化 罰則や取り締まりは | NHK

ヘルメットはかぶるのが面倒だ、デザインがカッコ悪いといった意見もありますが、最近は「これがヘルメット!?」と思うようなおしゃれなデザインのものも販売されています。この機会に、思わずかぶって出かけたくなるようなとっておきのヘルメットをお店で選んでみるのも良いかもしれません。

自転車の違反に「青切符」が導入されるってどういうこと?

2024年3月に、自転車の交通違反に対する「青切符」が導入されるという道交法改正案が閣議決定されました。この背景には、運転免許が必要なく気軽に運転できる自転車がからむ事故や悪質な違反が増えている現状があります。それらを防止するために、「青切符」を導入することが決まったのです。改正案が成立すれば2026年までに実施されます。

青切符とは

「青切符」とは、交通反則通告制度のことで、軽微な交通違反を犯した人(16歳以上の人)に対して反則金の納付を求める行政手続きです。交通違反とは、例えば信号無視、飲酒運転、携帯電話使用(ながら運転)、歩道走行、無灯火、ヘルメット不着用、歩行者妨害など100余りの違反のことを指します。罰則は、反則金5,000円から12,000円程度と想定されています。
参照:自転車の「青切符」とは? 対象となる違反と罰則について – エネオスフロンティアサービス予約 (eneos-frontier.net)

さらに危険な運転の場合は赤切符が交付される

例えば飲酒運転や、携帯電話の「ながら運転」が悪質で事故につながる危険な運転だと判断された場合は、罰金などの刑事処分の対象となる「赤切符」が交付されることになります。「赤切符」とは「告知票・運転免許保管証」のことを指し、赤切符が交付されると警察の取り調べの後検察官送致、起訴、裁判という手続きが行われ、青切符が切られる場合よりさらに大ごとになってしまいます。
ちなみにこちらの赤切符に関しては、今回の改正とは関係なく以前からあったものです。青切符にしろ赤切符にしろ、交付されないように日ごろから安全に気を付けて自転車を運転することが大切です。
参照:自転車「青切符」導入へ 反則金は5000円から1万2000円程度想定 | NHK | ニュース深掘り
自転車の悪質違反に赤切符! 全国で自転車の交通ルール徹底へ|自動車交通トピックス|JAF Mate Online

交通ルールを守って安全に楽しく自転車に乗ろう!

自転車は運転免許が必要ない分、気軽に乗れて楽しい乗り物ですが、「軽車両」なので車道を通る必要があります。速い速度で走ることも可能で、歩行者とぶつかればケガをさせてしまうのに加え自分も傷ついてしまいます。さらに、自動車とぶつかれば自分が死んでしまうことだってあり得ます。自転車に乗る時はこれらのことを常に頭に置いて、交通ルールを守りながら運転することが必要です。自転車の交通ルールは以前よりも厳しくなっていて、時々調べる必要があります。この記事を参考に、自分が知らぬ間に交通違反をしていないかどうかをチェックしてみてはいかがでしょうか。