うつ病の原因とは?治療法や自分でできるケア方法も解説
うつ病なんて、自分には関係ないものと思っていませんか?しかし、うつ病は今や決して他人ごとではない病気となっています。この記事では、うつ病になる原因や治療法、自分でできるケア方法など、うつ病にまつわる様々な事柄について解説します。
※筆者は医師ではありません。この記事はインターネット上で筆者が調べたものを筆者の言葉で執筆している物なので必ずしも正しいとは限りません。うつ病について分からないことがある場合は、必ず医師に相談するようにしてください。
うつ病の定義と症状とは?うつ病とうつ状態の違いも解説
うつ病とはどんな病気なのでしょうか。具体的な症状や、うつ病とうつ状態の違いについて解説します。
うつ病とは何か
うつ病の定義を厚生労働省のサイトから引用します。
うつ病は、一言で説明するのはたいへん難しい病気ですが、脳のエネルギーが欠乏した状態です。それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。
つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることができます。
引用:1 うつ病とは:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)
うつ病の症状
うつ病の症状は下記のとおりです。(厚生労働省のサイトから引用)
うつ病の基本的な症状は、強い抑うつ気分、興味や喜びの喪失、食欲の障害、睡眠の障害、精神運動の障害(制止または焦燥)、疲れやすさ、気力の減退、強い罪責感、思考力や集中力の低下、死への思いであり、他に、身体の不定愁訴を訴える人も多く、被害妄想などの精神病症状が認められることもある。
引用:うつ対策推進方策マニュアル|厚生労働省
どの症状も辛く苦しいものばかりです。しかも、これらの症状は外見からは分からない・想像できないことが多く、周りの人からは「ただ怠けているだけなのでは?」と思われる危険性が多くあります。このように周りからの理解が得にくいことも、うつ病のつらさの一つとして数えられます。
うつ病とうつ状態の違い
うつ病とうつ状態の違いは、脳のエネルギーが欠乏しているかしていないかの違いと言うことができます。
うつ状態とは状態の名前であって、日常生活の中で誰もが経験する一時的な「落ち込み」「憂鬱な気分」のことを指します。(抑うつ状態と呼ぶこともあります。)しかし、単なるうつ状態であれば脳のエネルギーが欠乏していないので、時間が経つにつれて自然と回復し、元気になります。
一方でうつ病の場合は脳のエネルギーが欠乏している状態なので、時間が経過しても改善しなかったりますます悪化したりします。生活に支障が出て、苦痛も強いことが多いです。そうなると、単なるうつ状態とは違いがはっきりとした「病気」と診断されることになるのです。
参照:1 うつ病とは:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)
うつ病の原因はこれ!どのように病気を引き起こすのか?
うつ病を引き起こす原因として考えられることは、どの人の場合であっても一つではありません。複数の事柄が絡み合ってうつ病を引き起こします。よって、「この原因があるから必ずうつ病になる」とは言えません。ここでは、うつ病が発症するきっかけになりやすい事柄を挙げていきます。
環境の変化
自分を取り巻く環境の変化は、うつ病が発症するきっかけになりやすい事柄の一つと言うことができます。例えば、下記のような事柄が考えられます。
- 家族や親しい人の死
- 仕事や財産・健康などの大切なものを失う
- 人間関係のトラブル
- 家庭内のトラブル
- 職場での昇格または降格、結婚、妊娠などに伴う役割の変化
ここで注目すべきは、悲しいこと・辛いことだけでなく、一見嬉しいことに思える事柄でもうつ病が発症するきっかけになり得るという点です。自分の周りの環境が変化する時は、普段以上に自分の体調を気にかけてあげる必要があることが分かります。
性格
性格も、うつ病の発症と関係がありそうです。下記のような性格だと、脳のエネルギーの放出が多くうつ病になるきっかけを作りやすいと言えるかもしれません。
- 義務感が強い
- 仕事熱心
- 完璧主義
- 几帳面
- 凝り性
上記のような性格に自分が当てはまるという人は頑張りすぎて疲れやすく、ストレスを溜め込んでしまうことが多いです。認知行動療法を受けるなどして自分を客観的に見つめる練習をするというのもうつ病を自分から遠ざけるためには必要なことかもしれません。
遺伝
うつ病の原因として遺伝もある程度関わっていると言われています。しかし、親がうつ病だと子どもも必ずうつ病になるということは無いそうです。つまり、親がうつ病だと子どもがうつ病になるリスクはあるけれど絶対ではないということ。
うつ病は予防もできるため、他の要因で自分に当てはまることがあれば、うつ病を自分から遠ざける努力をすることは可能です。
身体の病気
身体的な病気がうつ病の原因になることもあり得ます。例えば甲状腺の病気がホルモンの量に影響してうつ病の直接的な原因になったり、関節リウマチがその痛みにより間接的にうつ病の原因になったりすることが考えられます。
参照:
2 うつ病の主な症状と原因:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)
うつ病の原因。うつ病は遺伝するのか?【医師が教えるうつ病のすべて】 (seseragi-mentalclinic.com)
うつ病 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版 (msdmanuals.com)
うつ病って治るの?治療法や自分でできるケア方法を紹介
うつ病になると、その苦しさから「ずっとこのままなのではないか」「治らなかったらどうしよう」と絶望的になってしまうこともあります。ここでは、うつ病は本当に治るのかどうかについて解説します。また、うつ病の治療法や自分でできるケア方法についてもご紹介します。
うつ病は治る?
うつ病については、治療がうまくいって症状が少なくなっても「完治した」という言葉はあまり使いません。代わりに「寛解」という言葉を使います。「寛解」の定義は以下です。
寛解(remission)とは、一般に、病気の症状が一時的あるいは継続的に軽減、または、ほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態をいう。
引用:寛解 – 脳科学辞典 (neuroinf.jp)
なぜ「完治」ではなく「寛解」という言葉を使うのかというと、「寛解」は再発する可能性の高い病気に使う言葉であり、うつ病もそういった病気のうちの一つだからです。
うつ病は治る病気ですが、いくら症状が良くなったとしても自己判断で薬の服用を止めたり薬の量を減らしたりするのはやめましょう。せっかく良い状態であっても薬の服用を止めることでうつ病が再発してしまうリスクが高くなります。
うつ病の治療法
うつ病の治療法で代表的なものが薬物療法と精神療法です。それぞれの治療法について具体的に解説していきます。
【薬物療法】
医師によって処方される薬を服用することは、休養と並んでうつ病の治療のメインとなるものです。現在日本では、うつ病の治療に「抗うつ薬」や「抗不安薬」、「睡眠導入薬」、「気分安定薬」、「非定型抗精神病薬」などが使われています。副作用のある薬も多いため、医師と相談しながら服用するようにしましょう。また、抗うつ薬は薬を飲み始めてすぐに効果が出るようなものではないため、医師を信じて気長に服用するようにしてください。
【精神療法】
精神療法は、そもそもうつ病を引き起こした原因は何だったのかという視点に立って、ストレスへの対処法を学び再発を起こりにくくすることを目的としています。精神療法には、自分の「考え方のクセ」を客観的に見つめ直し、少しでも物事をポジティブに捉えられるように考え方の練習をする「認知行動療法」、うつ病の原因となった対人関係の問題を解消し、抱えているストレスを減らす「対人関係療法」などがあります。
参照:うつ病とは – 原因、症状、治療方法などの解説 | すまいるナビゲーター | 大塚製薬 (smilenavigator.jp)
自分でできるうつ病のケア方法
うつ病の時には何をするのも辛いです。そんな時、自分でできるケア方法があります。どれも自分一人でできるので、ぜひ試してみてください。
【朝散歩】
精神科医の樺沢紫苑氏は朝散歩の重要性を著書やブログ、YouTubeで紹介しています。それによれば、朝に15~30分の散歩をするとメリットがたくさんあるそうです。
- 「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが活性化する
- 夜によく眠れるようになる
- 朝日を浴びることで体内時計がリセットされる
- ビタミンDが体内で作られる
うつ病の人にとっては朝早く起きるのは辛いかもしれませんが、強制的に外に出てしまえばあとはもう歩くだけです。犬を飼っているなら犬の散歩と兼ねることができてさらに良いですね。ぜひ朝散歩を始めて、生活リズムを整えるきっかけにしてみてください。
参照:精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣――ストレスフリーに生きる方法【書籍オンライン編集部セレクション】 | ストレスフリー超大全 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)
【休養】
休養は薬の服用と同じく、一番大切なうつ病の治療法です。ただ横になっているだけでもいいので、ゆっくり休みましょう。その際、「自分は今休んでいていいんだ」と自分に言い聞かせてください。休んでいる自分に罪悪感を持たないことが大切です。仕事や家事のことも、嫌いな人のことも思い出さなくて良いので、何も考えず休むことだけに集中しましょう。
参照:うつ病になった時の過ごし方は?療養で大切なポイントとは|最新のうつ病治療なら東京・門前仲町の心療内科 YSこころのクリニック (shingaclinic.com)
【自分の気持ちを吐き出す】
うつ病の人はネガティブなことを延々と考えてしまいがちです。そのマイナスの考えが自分の中に溜まっていくととても苦しいので、定期的に自分の気持ちを吐き出すことが大切です。
人に話してもいいのですが、話を聞いてくれる人がいない場合もあります。そんな時は紙に書き出しましょう。紙に書くことで、自分の中にあるマイナスの考えを外に出せるというだけでなく、自分の今の気持ちを客観的に見つめることができます。
紙に書いて形に残ってしまうのが嫌だという人には、「シニトリ」というアプリがおすすめ。「シニトリ」は、5羽のトリたちに24時間365日自分の気持ちや考えを吐き出せるアプリです。トリたちに自分の気持ちや考えを語ると、とんちんかんな答えが返ってくることも多いのですが、どんな形であれ受け止めてもらえることは嬉しいものです。
参照:シニトリ | アプリ | ネットの居場所ポータルサイト「死にたい」のトリセツ (shinitori.net)
うつ病は他人ごとではない!うつ病の理解と予防が大切!
うつ病は今や誰しもがかかる可能性のある病気の一つです。決して他人ごとではありません。うつ病にかからないためには、うつ病の理解と予防が大切になってきます。ストレスへの対処や、うつ病になりやすい「考え方のクセ」の見直しを実践することで、自分からうつ病を遠ざける効果が期待できます。身近な病気であるうつ病への理解を深め、予防に努めるとともにうつ病への偏見を減らしましょう。
※筆者は医師ではありません。この記事はインターネット上で筆者が調べたものを筆者の言葉で執筆している物なので必ずしも正しいとは限りません。うつ病について分からないことがある場合は、必ず医師に相談するようにしてください。
精神面の病気についての記事は他にもあります。他の病気についても知りたい場合は、テーマごとに記事を一覧にしているこちらのまとめ記事をご覧ください。