北海道各地の美術館を紹介!楽しみ方を知って自由に芸術を楽しもう!
日本最大の面積を誇る北海道では、各所にさまざまな施設が設けられています。誰でも利用できる文化施設として「美術館」がありますが、人によっては敷居が高く感じられるかもしれません。美術館は人それぞれで自由に楽しめる空間であり、特に北海道にはバラエティ豊かな美術館が存在します。美術館・美術品・自身の感性をかけあわせて、自分ならではの感じ方を楽しんでみましょう。
この記事では北海道内の主な美術館や、美術館の楽しみ方を紹介します。
北海道の主な美術館
広大な北海道では各地にさまざまな美術館が設けられており、各地でバラエティ豊かな美しさを楽しめます。美術館周辺も含めて楽しめる場合も多くあるため、各地の美術館を把握して旅行先リストに加えてみましょう。北海道各地の主な美術館を以下で紹介します。
北海道立近代美術館
札幌市中央区にある北海道立近代美術館は、道内を中心に国内外のさまざまな美術品が収蔵・展示されている美術館です。美術館の収蔵品を展示する「近美コレクション」に加えてさまざまな特別展も開催しており、古代から現代までの幅広い芸術を楽しめます。
近代美術館は知事公館の隣に建てられており、中心街に近い好立地ながら落ち着いた雰囲気を感じられます。常設展がないため閉館している場合も多くありますが、タイミングをみて訪問してみましょう。
所在地:札幌市中央区北1条西17丁目
アクセス:地下鉄東西線「西18丁目」駅より徒歩5分
参照:北海道立近代美術館公式サイト
北海道立三岸好太郎美術館
札幌市中央区にある「北海道立三岸好太郎美術館」は、札幌出身の画家・三岸好太郎の作品を多数収蔵・展示している美術館です。三岸好太郎は大正から昭和初期にかけて活躍した近代洋画家です。31歳の若さで亡くなるまでに、油絵や水彩画など多くの作品を制作しました。
三岸好太郎美術館は北海道立近代美術館のすぐ近くに建てられています。札幌を代表する2つの美術館を回って、ゆったりと芸術に触れ合えるでしょう。
所在地:札幌市中央区北2条西15丁目
アクセス:地下鉄東西線「西18丁目」駅より徒歩7分
参照:北海道立三岸好太郎美術館公式サイト
札幌芸術の森
札幌市南区にある「札幌芸術の森」は、美術館・工房・野外ステージなど多くの芸術施設が設けられている複合施設です。緑豊かな環境でさまざまなアート作品に触れられて、自分でも創作活動を行えます。人工・自然それぞれの美しさに触れて心を豊かにできるでしょう。
札幌芸術の森には屋内・屋外2種類の美術館が設けられています。バラエティ豊かな展覧会や四季折々の姿を見せる野外展示物など、多彩な芸術を楽しめます。
所在地:札幌市南区芸術の森2丁目75
アクセス:地下鉄南北線「真駒内」駅よりバス、「芸術の森入口」・「芸術の森センター」停留所からすぐ
参照:札幌芸術の森公式サイト
小樽芸術村
小樽市にある「小樽芸術村」は、市内に点在する美しい建築物を生かした美術館です。「ステンドグラス美術館」「旧三井銀行小樽支店」「似鳥美術館」「西洋美術館」の4種類があり、ステンドグラス美術館は2軒の建物を利用しています。「北のウォール街」として栄えた20世紀前半に建てられた建物が保存されて、建物内でステンドグラスや絵画などを鑑賞できます。
小樽芸術村の建物は、いずれも大正から昭和初期の技術・流行を採用して建てられています。美術品だけでなく当時の建築を学ぶためにも有用です。
所在地:小樽市色内1丁目3-1(似鳥美術館)
アクセス:JR函館本線「小樽」駅より徒歩10分
参照:小樽芸術村公式サイト
北一ヴェネツィア美術館
小樽市にある「北一ヴェネツィア美術館」は、ヴェネツィアのガラス製品や文化などを紹介する美術館です。美しいガラスの工芸品や豪華な宮殿、運河で活躍するゴンドラなどを鑑賞できます。イタリア製のドレスを着て記念撮影も行えます。
小樽とヴェネツィアは共通点が多く、ヴェネツィアを参考に建物・伝統などの保護を行っています。日本にいながらヴェネツィアの空気を楽しんでみましょう。
所在地:小樽市堺町5-27
アクセス:JR函館本線「南小樽」駅より徒歩10分
参照:北一ヴェネツィア美術館公式サイト
江別市セラミックアートセンター
江別市にある「江別市セラミックアートセンター」は、江別名産のレンガや多数の陶芸作品などが展示されている美術館です。レンガ造りの暖かく美しい建物で皿・壺・花瓶などを鑑賞したり、レンガの製造工程を学んだりできます。木製のブロックを使ってのレンガ積み体験も可能です。
セラミックアートセンターの最上階には望楼が設けられており、全周に渡る景色も観られます。野幌の原始林や樽前山など美しい自然も楽しめるでしょう。
所在地:江別市西野幌114-5
アクセス:JR函館本線「野幌」駅よりバス、「セラミックアートセンター前」停留所からすぐ
参照:江別市セラミックアートセンター公式サイト
シュタイフ ディスカバリーウォーク
千歳市にある「シュタイフ ディスカバリーウォーク」は、ドイツのシュタイフ社が製造しているぬいぐるみの美術館です。バイエルンやハンブルクなどの町並みを再現した模型の中で、可愛らしいぬいぐるみたちが生き生きと動き回ります。ゾウやクマなど多彩な動物の実物大ぬいぐるみも展示されています。
ディスカバリーウォークは新千歳空港の国内線・国際線ターミナルビルを結ぶ連絡施設に設けられています。飛行機に乗る予定がなくとも空港に行き、各所を回ってみてください。
所在地:千歳市美々987-22 新千歳空港ターミナルビル内連絡施設2F
アクセス:JR千歳線「新千歳空港」駅より徒歩
参照:シュタイフ ディスカバリーウォーク | 新千歳空港
北海道立函館美術館
函館市にある「北海道立函館美術館」は、道南の美術作品や日本・中国の書、文字・記号にかかわる現代美術などを展示している美術館です。入口周辺で近現代の彫刻を鑑賞できるほか、常設展として道南中心の現代美術や書家・金子鷗亭の作品なども観られます。独特なコレクションが多く、展示替えのたびに楽しめるでしょう。
函館美術館は五稜郭公園の近くに建てられています。歴史ロマンや美しい緑などを味わってから美術館でくつろぐ、という楽しみ方も可能です。
所在地:函館市五稜郭町37-6
アクセス:函館市電「五稜郭公園前」停留所より徒歩7分
参照:北海道立函館美術館公式サイト
太陽の森 ディマシオ美術館
新冠町にある「太陽の森 ディマシオ美術館」は、フランスの画家ジェラール・ディマシオをはじめさまざまな芸術家の作品を収蔵している美術館です。目玉の作品はディマシオが描いた世界最大の油彩画で、高さ9m、幅27mにおよびます。200点以上にわたるディマシオの作品に加えて、多数のガラス芸術品やブロンズ彫刻なども観られます。
ディマシオ美術館は廃校になった小学校を再利用して開業しました。世界最大の油彩画は体育館にぴったりと収まっており、ディマシオの世界観と調和した姿を見せてくれます。
所在地:新冠郡新冠町字太陽204-5
アクセス:JR室蘭本線「苫小牧」駅よりバス、「厚賀」停留所経由で「太陽の森ディマシオ美術館前」停留所からすぐ(厚賀~太陽の森ディマシオ美術館前は要予約)
参照:太陽の森 ディマシオ美術館公式サイト
トリックアート美術館
上富良野町にある「トリックアート美術館」は、不思議な感覚を楽しめるトリックアートが集められている美術館です。目の錯覚を利用して実際と異なるデザインに感じさせる絵画で、立体的に見えたり角度によって印象が変わったりします。作品と一緒に写真撮影もできるため、自分だけのトリック写真も作り出せます。
トリックアート美術館は「深山峠アートパーク」の敷地内にあり、観覧車やバーベキューテラスなども設けられています。富良野・美瑛の美しい景色も同時に楽しみましょう。
所在地:空知郡上富良野町西8線北33
アクセス:JR富良野線「美瑛」駅よりバス、「深山峠」停留所から徒歩3分
参照:トリックアート美術館 | 深山峠アートパーク
神田日勝記念美術館
鹿追町にある「神田日勝記念美術館」は、北海道で活躍した洋画家・神田日勝の作品を多数展示する美術館です。神田日勝は農業のかたわら身近な生活から多くの絵を描いた画家で、リアルな画風から高い評価を受けていました。若くして病死して以降も評価は高く、全国各地で展覧会が開かれています。
神田日勝記念美術館のロゴは「馬(絶筆・未完)」が用いられています。神田日勝が最後に描こうとしていた作品で、描かれていない馬の下半身を想像させてくれる作品です。
所在地:河東郡鹿追町東町3丁目2
アクセス:JR根室本線「帯広」駅よりバス、「神田日勝記念美術館前」停留所からすぐ
参照:神田日勝記念美術館公式サイト
六花亭アートヴィレッジ 中札内美術村
中札内村にある「六花亭アートヴィレッジ 中札内美術村」は、多くの美術館やレストランを一度に楽しめる美術施設です。広大で緑豊かな敷地内に和風・洋風などさまざまな雰囲気の建物があり、建物ごとに北海道・十勝で活躍した画家たちの作品が展示されています。レストランで季節素材の家庭料理も楽しめます。
中札内村内には、中札内美術村だけでなく「六花の森」という庭園も設けられています。2つの施設を同時に回れるパックも用意されているため、積極的に利用してみましょう。
所在地:河西郡中札内村栄東5線172-1(中札内美術村)
河西郡中札内村常盤西3線249-6(六花の森)
アクセス:JR根室本線「帯広」駅よりバス(直行パック)
参照:六花亭アートヴィレッジ 中札内美術村 | 六花亭
美術館の楽しみ方
美術館はゆったりと時間を過ごせる場所ですが、人によっては雰囲気に萎縮したり楽しみ方がわからなかったりする場合もあるでしょう。「騒がない」「作品に触らない」などのマナーはありますが、基本的に美術館は自由に楽しめる空間です。この章では美術館の楽しみ方を紹介します。積極的に美術館に行き、思い思いに楽しんでみましょう。
荷物を減らす
美術館を回る際は、可能な限り持ち歩く荷物を減らしましょう。美術館では広い館内を徒歩で移動する必要があり、作品の鑑賞も基本的に立ったまま行います。多くの荷物を持っていると体力の消耗が多くなるため、疲れて満足に鑑賞できなくなるかもしれません。混雑している美術館や展覧会などの場合、大きな荷物が周りの人の迷惑になるおそれもあります。持ち歩く荷物は貴重品など最小限に抑えましょう。
家から出かける時点で荷物を減らせれば理想的ですが、大荷物を持たざるを得ない場合コインロッカーを活用しましょう。多くの美術館にはコインロッカーが設けられているため、大部分の荷物を持ち歩かずに鑑賞して回れます。
最初は軽く全体を観る
美術館内ではいきなり一つひとつの作品をじっくり観ようとしすぎずに、まず軽く全体を観てから戻ってみましょう。館内には多くの作品があり、一つひとつに時間をかけるには非常に長い時間が求められます。前半の作品で時間をかけすぎると、後半の作品群を鑑賞する時間が足りなくなったり体力が尽きて鑑賞できなくなったりするかもしれません。全体を回って気になった作品を覚えておき、あとから戻ってじっくり観てみましょう。
全体を回ると作品に込められた多くの考えに多少でも触れられるため、もう一度観たときに最初と異なる印象を受ける場合もあります。作品に対する印象の変化も美術館の楽しみです。
正解を気にせずに観る
美術館で作品を鑑賞する際には、作品の「正解」を考えないようにしましょう。芸術は人それぞれのセンスで感じ方が変わるため、どのような印象を抱いても個人の自由です。「この作品はこう感じるのが正しい」と決め込まず、「自分はこう感じた」という直感を大事にして鑑賞してください。自分の直感が自分にとっての正解です。
自分なりに作品を楽しむ方法として、「自分なりに命名する」方法が挙げられます。作者が作品に付けたタイトルにとらわれず、自分にとってのタイトルを考えてみましょう。命名のために作品をじっくり観られて、命名した作品には愛着もわきやすくなります。
建物自体も楽しむ
美術館に展示されている作品だけでなく、建物そのものも楽しみましょう。多くの美術館は建物の外観や内装、庭なども美しくデザインされています。著名な建築家が設計している場合もあり、芸術だけでなく建築に関する造詣も深められるでしょう。館内の休憩所で一息つく際には、周辺の構造や装飾などのチェックもおすすめです。
多くの美術館に併設されているミュージアムショップやカフェなども積極的に利用してみましょう。おしゃれな空間やグッズなどを楽しめます。美しい空間で多くの美術品に触れておいしい料理を楽しみ、お気に入りのグッズを購入して帰る充実した1日を過ごしてみてください。
まとめ
北海道内の主な美術館や、美術館の楽しみ方を紹介しました。北海道だけでも多くの種類がある美術館では、それぞれで自由にゆったりと楽しめます。構図・技法・美術史のような知識がなくとも、自分のセンスと直感を生かして作品から自分なりの何かを感じ取ってみましょう。美術館の雰囲気だけでも楽しめます。
まずは近くの美術館や旅行先として検討している街の美術館、クチコミの評価が高い美術館などに行ってみてください。興味を抱けば自ずと深く知りたくなり、最初とは異なる視点から作品を楽しめるようになるでしょう。