冬の北海道で星空を楽しもう!おすすめのスポットや魅力など紹介!

公開日:2025/01/14
冬の北海道で星空を楽しもう!おすすめのスポットや魅力など紹介!

冬の北海道では、イルミネーションや雪明かりなど光に関する美しい景色が多く観られます。街なかに設けられた幻想的な光でリフレッシュできるでしょう。しかし、冬の美しい光として「星空」も欠かせません。冬の北海道は星を非常に美しく観られる環境です。ぜひ地上だけでなく宇宙からの輝きも楽しんでみてください。この記事では冬の北海道で星空を楽しめる主なスポットや、冬・北海道ならではの魅力や注意点を紹介します。

冬の北海道で星空を楽しめるスポット

自然が豊かで寒冷な冬の北海道は、多くの場所で美しい星空を観やすい環境です。地上の光源による影響を受けづらい都市部から離れた場所が中心ですが、美しい星々を観に行ってみましょう。冬の北海道で星空を楽しめる主なスポットを紹介します。

支笏湖

千歳市にある「支笏湖」は、札幌近郊で非常に美しい星空を楽しめるスポットです。湖水の透明度が高く、昼間には「支笏湖ブルー」と呼ばれる青く美しい姿を見られます。
支笏湖は山に囲まれたカルデラ湖で、市街地からも離れているため星を観やすい環境です。冬は周辺のキャンプ場も営業しておらず、落ち着いて星を楽しめるでしょう。
冬の支笏湖では毎年「千歳・支笏湖氷濤まつり」が開催されており、支笏湖温泉一帯でさまざまな氷像を楽しめます。星空とあわせて楽しんでみましょう。

所在地:千歳市支笏湖温泉(支笏湖ビジターセンター)
アクセス:札幌駅より自動車で50km(支笏湖ビジターセンター)
参照:支笏湖公式サイト

札幌市天文台

札幌市にある「札幌市天文台」は、札幌の街なかで気軽に天体観測を楽しめるスポットです。中心部にある中島公園から昼間に太陽を、夜間に星を観測しています。
毎月夜間公開を行っており、一般人でも天文台に入って星空を観られます。スタッフの解説とあわせて冬の星空を楽しめます。公式サイトやチラシなどで公開日時を確認しましょう。事前予約は必要ありませんが、混雑時には天文台の外で待機する可能性もあります。

所在地:札幌市中央区中島公園1-17
アクセス:地下鉄南北線「中島公園」駅より徒歩5分
参照:札幌市天文台 | 札幌市青少年科学館
   札幌市天文台 2024年度公開日程 | 札幌市天文台

嶺泊駐車場公園

石狩市にある「嶺泊駐車場公園」は、美しい海と星空を一度に楽しめるスポットです。「カシオペアの丘」とも呼ばれており、高台から石狩湾や広い空を望めます。
海沿いにあり光が少ないため、光に遮られない星空をたっぷりと観望できます。丘に建っている電波塔が良いアクセントになり、星空の写真撮影にも適しています。海に沈む夕日とあわせて自然の絶景を楽しみましょう。
夜間の嶺泊駐車場公園は非常に暗く、特に冬は雪も多く降ります。訪問時には事故に注意しましょう。

所在地:石狩市厚田区嶺泊39
アクセス:札幌駅より自動車で35km
参照:嶺泊(みねどまり)駐車場/カシオペアの丘 | 石狩市観光協会

芦別温泉スターライトホテル

芦別市にある「芦別温泉スターライトホテル」は、温泉とあわせて天体観測を楽しめるスポットです。温泉付きホテルの屋上で望遠鏡を用いた天体観測が行われており、毎日案内付きで星を観望できます。宿泊・日帰りともに利用可能ですが、先着予約制のため早めに申し込みましょう。
芦別市は市域の大半を森林が占めており、きれいな星を観やすい環境です。山間部を中心に市内の各地で美しい星空を楽しめるため、ホテルを拠点にめぐってみましょう。

所在地:芦別市旭町油谷1
アクセス:JR根室本線「芦別」駅よりバス、「芦別温泉」停留所からすぐ
参照:芦別温泉スターライトホテル公式サイト
   星空のスポット | 芦別観光総合ガイド

かなやま湖

南富良野町にある「かなやま湖」は、氷の上でワカサギを食べつつ星空も観望できるスポットです。金山ダムによって作られたダム湖で、夏にはキャンプやラフティングなどを楽しめます。
冬のかなやま湖では夜でもワカサギ釣りが可能で、星空の下に設置されたテントでワカサギを釣れます。暖かいテントで釣ったワカサギを食べつつ、外に出て満点の星空を楽しめるでしょう。自然に囲まれて光源が少ない土地のため、星もはっきり観られます。

所在地:空知郡南富良野町東鹿越
アクセス:道東自動車道「占冠」ICより自動車で36km(かなやま湖畔キャンプ場)
参照:かなやま湖 | 水源地環境センター
   NORTH GEAR | 南富良野まちづくり観光協会

然別湖

鹿追町にある「然別湖」は、氷でできた「幻の村」と満点の星空を楽しめるスポットです。原生林に囲まれた標高の高い湖で、澄んだ空気により非常に美しい星空が観られます。周辺に大きな市街地も少なく、天体観測に適した環境です。
冬の然別湖には、毎年「しかりべつ湖コタン」という雪と氷の村が現れます。「イグルー」と呼ばれる氷の家やアイスチャペルなどが設けられて、冬の然別湖を彩ります。少数ながら宿泊も可能です。幻の村で星々を眺めながら夜を過ごしてみましょう。

所在地:河東郡鹿追町北瓜幕無番地然別湖畔温泉(しかりべつ湖コタン)
アクセス:道東自動車道「十勝清水」ICより自動車で45km(しかりべつ湖コタン)
参照:然別湖 | 鹿追町観光協会
   しかりべつ湖コタン公式サイト

ハルニレの木

豊頃町にある「ハルニレの木」は、美しい大樹と平原に広がる星空の風景を楽しめるスポットです。樹齢約150年と推定されるハルニレの木は2本が一体化したもので、永遠の愛を誓う恋人たちに人気があります。
ハルニレの木は平原に単体で生えており、冬になると周辺が一面の雪原に変わります。さえぎるもののない雪原と満点の星空、美しいハルニレの大樹が非常によくマッチします。夜だけでなく日の出のタイミングでも異なる美しさを楽しめるでしょう。

所在地:中川郡豊頃町幌岡
アクセス:道東自動車道「池田」ICより自動車で26km
参照:はるにれの木 | 豊頃町

りくべつ宇宙地球科学館

陸別町にある「りくべつ宇宙地球科学館」は、環境と設備を生かして非常に美しい星空を楽しめるスポットです。「銀河の森天文台」とも呼ばれており、寒冷かつ光源の少ない環境で一般公開型として日本最大級の反射望遠鏡が活用されています。非常に寒冷な陸別町は空気が澄みやすく、星空をとてもきれいに観られる土地です。
館内には気象観測ロケットや人工オーロラ発生装置なども展示されています。美しい星空とあわせて、果てしない宇宙に思いを馳せてみてください。

所在地:足寄郡陸別町宇遠別
アクセス:道東自動車道「足寄」ICより自動車で40km
参照:りくべつ宇宙地球科学館公式サイト

美幌峠

美幌町と弟子屈町にまたがる「美幌峠」は、大自然と星空の大パノラマを楽しめるスポットです。頂上の展望台は眼下に屈斜路湖が広がる立地で、「天下の絶景」と称される美しい景色が観られます。冬には澄み渡った空気のなかで、大きな湖・多くの山・美しい星空を一望できるでしょう。北海道らしいダイナミックな絶景です。
冬の美幌峠を通る際は天候に注意しましょう。吹雪による通行止めが多く発生するほか、通行可能時でも見通しが悪くなります。安全運転を心がけながら楽しんでください。

所在地:川上郡弟子屈町屈斜路(美幌峠展望台)
アクセス:北見駅より自動車で49km(美幌峠展望台)
参照:美幌峠 | 美幌町
   美幌峠展望台 | 川湯ビジターセンター

摩周湖

弟子屈町にある「摩周湖」は、湖と星空による神秘的な風景を楽しめるスポットです。アイヌ語では「カムイトー(神の湖)」と呼ばれる神秘的な湖で、透明度が非常に高い湖水や夏に発生しやすい霧などで知られています。空気の澄む冬には美しい星空が一面に広がり、冬の夜ならではの姿を見せてくれます。
摩周湖では星空を楽しむツアーの利用も可能です。星空の美しさで特に知られる第1展望台を中心に、ゆったりと神秘の絶景を楽しみましょう。

所在地:川上郡弟子屈町弟子屈原野摩周湖第1展望台(第1展望台)
アクセス:釧路駅より自動車で100km(第1展望台)
参照:摩周湖~日本一の透明度を誇る神秘の湖 | 摩周湖観光協会

冬の北海道の星空の魅力

全国で季節を問わず観られる星空のうち、冬の北海道の星空には独自の魅力があります。冬ならでは・北海道ならではの魅力を把握して、夜空をより一層楽しみましょう。冬の北海道における星空の主な魅力を以下で紹介します。

星の光がきれいに見える

北海道に限らず、冬の夜空はほかの季節以上に星をはっきりきれいに観られます。星の光は宇宙から大気中を通り地上まで達しますが、大気中の水蒸気によって光の一部がさえぎられて見づらくなっています。空気が乾燥しやすい冬は大気中の水蒸気に星の光がさえぎられづらくなり、より多くの明るい光を地上から見られます。
冬は星の「瞬き」が起こりやすい点も美しさに寄与しています。星の光は大気の密度差によって、レンズを通る際のように屈折します。大気の密度差は気温・湿度が低く、強い風が吹くほど顕著になります。木枯らしが吹くような冬の空は星の光が複雑に屈折しやすいため、地上からはキラキラと瞬いているように見えます。

有名な星・星座が多い

冬の星空は明るく有名や星・星座が多く存在しており、夜空で特に明るく見える「1等星」の多くも冬の空に現れます。主な星・星座として以下のものが挙げられます。

・オリオン座
冬に現れる非常に有名な星座です。「三ツ星」と呼ばれる3つ並んだ星や「ベテルギウス」「リゲル」という2つの1等星が広く知られています。三ツ星の下部には「オリオン大星雲」と呼ばれる星雲も観られます。

・おおいぬ座
1等星のなかでも最も明るい「シリウス」が存在する星座です。冬に南の空を見れば、ひときわ明るく輝くシリウスを見つけられるでしょう。ギリシャ神話ではオリオンが連れていた猟犬だったとされています。

・こいぬ座
1等星の「プロキオン」を含む2つの星だけで作られる星座です。プロキオンはオリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウスとあわせて「冬の大三角」を形成します。冬の星座を探す際は大三角の3つを基準にしてみましょう。

・ふたご座
星座占いにも用いられる星座の1つです。隣に並んでいる1等星の「ポルックス」と2等星の「カストル」が特徴的です。ポルックス・カストルともに双子の頭部で輝いています。なお、ギリシャ神話ではカストルが兄でポルックスが弟とされます。

・おうし座
ふたご座と同様、星座占いにも用いられる星座です。牛の右目部分にある1等星の「アルデバラン」と、背中にある「プレアデス星団」が有名です。プレアデス星団は日本語で「すばる」とも呼ばれます。

・ぎょしゃ座
1等星の「カペラ」を含む星座です。冬の主な星座としては北に位置しており、カペラも北の空で明るく輝いています。カペラ・アルデバラン・リゲル・シリウス・プロキオン・ポルックスをつないで「冬の大六角形」が形成されます。

参照:「冬の大三角」と「冬のダイヤモンド」。7つの一等星と火星の共演にも注目! | tenki.jp
   シリウス | 西はりま天文台

オーロラを観られる可能性もある

運が良ければ、北海道では星だけでなくオーロラを観られる可能性もあります。オーロラは太陽風が地球の磁場と衝突して光る現象で、一般的には北欧・カナダ・南極などの高緯度帯で観られます。大規模なオーロラが発生するとより広範囲で観測できるようになり、北海道程度の緯度でも観られる場合があります。北海道で観られるオーロラは地表付近で赤く光る点が特徴です。
北海道内では、近年でも各地で複数回オーロラが観測されています。天候や太陽活動などがかみ合ったときのみ観られる神秘的な絶景を狙ってみましょう。

冬の北海道で星空を観る際の注意点

冬の北海道は非常に美しい星空を観られる環境ですが、同時に気軽な行動をとりづらい過酷な気候でもあります。寒さや雪などへの対策を怠らず、常に余裕をもって行動しましょう。星空をきれいに観られるタイミングの確認も不可欠です。冬の北海道で星空を観る際の主な注意点について、以下で詳しく解説します。

天気と月齢を確認する

星空を観たい場合、あらかじめ当日の天気と月齢を確認しておきましょう。
星空は曇りや雨などの場合ほぼ観られません。冬の北海道であれば雪の可能性にも要注意です。特に日本海側や山間部は雪が降りやすいため、現地の天気を必ず確認しましょう。
天気に加えて月齢の確認も重要です。月齢は月の満ち欠け具合を示す0から30の数値で、月齢が15に近いほど満月に近づきます。満月近くの明るい月は星を見えづらくします。星空を観たい場合は月齢が0や30に近いタイミングを狙いましょう。
「星空指数」も参考にしてみましょう。日ごとの夜空が天体観測に適していることを示す指数で、数字が大きいほど星空をきれいに観られる可能性が上がります。

参照:「月齢」ってなに?なぜ小数がつくの? | 国立天文台
   星空指数 | tenki.jp

寒さ対策を厳重に行う

北海道の冬の夜は非常に寒くなるため、星空を観に行く際は厳重に防寒しましょう。特に星空のきれいな地域は山間部が多く、都市部以上に冷え込みやすくなります。羊毛や羽毛など暖かい服の選択が大切です。使い捨てカイロの使用や暖かい飲み物の持参なども検討してみましょう。
靴の選択にも注意が必要です。冬の天体観測では雪道や自然の道を歩くケースが多いため、滑りやすい靴や履きなれていない靴ではうまく歩けません。転倒してケガをしないように、履きなれた冬靴でゆっくり歩きましょう。

道中の交通状況を確認しておく

星空を観に行く際は、出発前に現地までのルートと交通状況を確認しておきましょう。冬の北海道は全域で雪が降るため、道中で渋滞や運休などが発生する可能性もあります。特に山間部の道は通行止めが発生しやすく、知らずに行くと引き返しを余儀なくされるかもしれません。利用するJRやバスの運行会社に確認したり、道路交通情報をチェックしたりして問題なく到着できるか確かめましょう。
所要時間にも注意が必要です。広大な北海道では地域間の移動に時間がかかりやすく、冬はさらに長い時間を求められます。「想定外に移動時間がかかりバスの乗り換えに間に合わなかった」のような事態が起こらないよう、時間に余裕をもって行動しましょう。

安全運転を心がける

マイカーやレンタカーなどの自動車で移動する場合、道中では安全運転に細心の注意を払いましょう。冬のドライブは雪道を多く走るため、夏以上に事故の危険が増します。山間部に向かう場合はカーブや傾斜路に一層の注意が必要です。特に天体観測が目的の場合は夜にあわせて移動するため、目的地付近や帰路では夜間の走行になるケースが少なくありません。視界の悪さに加えて眠気も事故を誘発するため厳重に注意しましょう。
長距離を移動する場合はガソリンの残量にも注意が必要です。星をきれいに観られる山間部ではガソリンスタンドが少ないため、道中でガス欠になる恐れがあります。各種ロードサービスに連絡しても場合によっては少々時間がかかります。トラブルの発生を未然に防げるように行動しましょう。

まとめ

冬の北海道で星空を楽しめる主なスポットや、冬・北海道ならではの魅力や注意点を紹介しました。寒冷で自然の多い北海道では非常に美しい星空が見えやすく、多くの地域でそれぞれの魅力とあわせて天体観測を楽しめます。天候や服装などに注意しつつ、冬の北海道ならではの星空を楽しみましょう。
美しい星々が観られる冬の夜空ですが、夏と比べて「天の川」が見えづらい特徴もあります。ダイナミックな天の川の広がりを大きく楽しむ夏の夜空と異なり、冬の夜空は美しく瞬く1つ1つの星々をじっくりと楽しんでみましょう。

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