パソコンのマウスはどのように選ぶ?マウスの種類や選び方などを紹介!

多くの場面でパソコンが使われている現代では、パソコンを操作する周辺機器も同時に多用されます。パソコンをわかりやすく快適に操作するために、さまざまなデバイスが開発・使用されてきました。
パソコンの快適な操作に欠かせない周辺機器として「マウス」が挙げられます。視覚的にパソコンを操作できる便利な道具で、自分に合っているマウスを使えれば非常に快適なパソコン作業が可能になります。この記事ではパソコン使用時に欠かせないマウスの種類や選び方などを紹介します。
パソコンのマウスとは
パソコンの分野において、マウスとはパソコン操作に用いる入力装置のことを指します。ユーザーが手元でマウスを動かすと、マウスの動きに応じて画面内のカーソルも動きます。マウスについているボタンを押して、画面上に表示された項目の選択も可能です。ボタン操作やマウス自体の動きなどを組み合わせて幅広い操作を行えます。
マウスの発明は1960年代で、当初は木製の箱に1つのボタンと縦・横の移動を検知するローラーがついていました。現在と異なりケーブルがマウス後方に配置されており、しっぽを伸ばしたネズミのような外見から「マウス」の名がついたとされます。マウスの誕生から60年近くが経過した現代では幅広い構造や操作方法の製品が生まれており、ネズミのように見えないものも珍しくありません。
動きを読み取る仕組み
マウスでユーザーによる動きを読み取るために、時代や製品によってさまざまな仕組みが用いられてきました。しかし基本の構造はあまり変わっておらず、マウスが縦・横に動いた距離を測って画面内のカーソルに反映する構造です。非常に高頻度で移動距離を測り、リアルタイムでの位置把握と滑らかなカーソル移動を実現しています。
マウスの移動距離を測るために用いられる仕組みにはさまざまなものがあります。主な仕組みとして以下のものが挙げられます。
・機械式
マウスのなかにボールを入れて、マウスの移動にあわせて転がるボールの動きから移動距離を測ります。「ボール式」とも呼ばれる仕組みで、昔のパソコンで多く採用されました。床面の状態にかかわらず使用できる一方、内部の汚れで反応しづらくなる欠点もあります。
・光学式
マウス下部から赤い光を照射して、床面の微妙な凹凸を読み取り移動距離を測ります。凹凸を照らして浮き出た陰影を画像として認識して、マウスの移動による陰影画像の変化から移動距離を把握します。光沢がある床面では反応しづらくなる点がデメリットです。
・レーザー式
マウス下部から不可視のレーザー光を照射して移動距離を測ります。主な仕組みは光学式と同じですが、光学式マウスの光よりも直進性の高い光を使うため乱反射を防げます。床面の陰影を細かく把握しやすくなり、光沢がある床面でも使用しやすくなりました。
持ち方
マウスを使う際は持ち方に注意しましょう。
多くのマウスは片手でつかんで上下左右に動かすもので、場合によって大きく動かしたり微調整したりと多彩な動かし方が求められます。パソコンの使用中は長時間マウスを持っているため、無理な持ち方を続けると作業効率の低下や腱鞘炎などにつながります。自分の普段の持ち方が作業内容に適しているか確認が必要です。
マウスの主な持ち方として以下の3種類が挙げられます。
・かぶせ持ち
手をマウス全体にかぶせる形で保持します。手のひらを大きくマウスにつけて、クリックの際も指全体を動かします。手首や指への負担が小さい点や、マウスを大きく動かしやすい点などが利点です。一方で細かい移動が難しいほか、小さなマウスでは手がはみ出して持ちづらく感じるかもしれません。
・つかみ持ち
指先と手のひらの一部をマウスにつけて保持します。手のひらを添えてある程度固定しつつ、指の腹でマウスを動かします。細かい操作や高速でのクリックなどを行いやすい持ち方で、保持位置の自由度が高い点も特徴です。クリック回数が多いと関節に負担がかかりやすい点や重いマウスを持ち上げる際に疲れやすい点などには注意しましょう。
・つまみ持ち
マウスに指先だけをつける形で保持します。手のひらをマウスにつけず指だけで持ち、操作の際も指の動きでマウスを動かします。手のひらがマウスに干渉しないため非常に細かい操作が可能で、カーソルを早く動かせる利点もあります。指先に負担が集中して疲れやすい点や、慣れるまで使いづらく感じる点などに要注意です。
適した持ち方は作業内容だけでなく手やマウスの大きさによっても異なります。作業内容の点では、ブラウジングのような細かい操作が不要な場面でかぶせ持ちを使用しましょう。逆に、画像編集や文字列編集など細かく動かす場面ではつかみ持ちやつまみ持ちがおすすめです。
マウスを使うショートカット操作
マウスはカーソル移動や選択だけでなく、さまざまな操作のショートカットに使用できる場合もあります。
マウスによっては左右クリックボタンや中央のホイールに加えて、側面に複数のボタンが設けられています。各ボタンにはさまざまな操作を割り当てられて、「Ctrl + C(コピー)」や「Ctrl + V(貼り付け)」など頻繁に使用する操作の簡便化も可能です。追加のボタンが2つのマウスは標準で「戻る」「進む」が割り当てられている場合も多くあります。3つ以上追加されているマウスは自分で設定しましょう。
Webブラウザの閲覧中に、マウスを動かしてさまざまな操作を行える場合があります。「マウスジェスチャー」と呼ばれる機能で、ページを戻ったりタブを閉じたりとマウスだけで幅広い操作が可能です。「Vivaldi」のような一部のWebブラウザはマウスジェスチャーを標準で使えます。また、 「Google Chrome」や「Mozilla Firefox」などでもプラグイン・アドオンを導入すれば使用可能です。
Windowsのパソコンを便利に使えるショートカット操作に関してはこちらの記事も参考にしてください。
また、さまざまなWebブラウザの種類についてはこちらの記事も参考にしてください。
解像度
マウスの操作感覚にかかわる要素として「解像度」も挙げられます。「DPI(Dot Per Inch)」とも呼ばれるもので、マウスを1インチ動かした際にカーソルが動く距離を指します。解像度が高いと1インチあたりのカーソル移動距離が伸びるため、わずかなマウス操作で大きくカーソルを動かせます。
解像度が高いマウスはより細かく操作できますが、高解像度による厳密な操作が求められる場面は多くありません。ゲームやクリエイティブ作業などピクセル単位での操作が求められる場面でなければ、一般的なマウスの解像度でも問題なく使用できるでしょう。
マウスパッドの必要性
マウスの使用時には床面にマウスパッドを敷く場合もあります。使用するマウスや机によってマウスパッドの必要性は異なりますが、基本的に敷いておくと有用でしょう。
マウスパッドを敷くとマウスが適度に滑りやすくなり、マウスの移動が必要な作業を能率的に行えます。また、マウスと机が直接触れないため机が傷つきづらくなる利点もあります。特にゲームのようなマウスを激しく動かす作業をする場合、机の保護目的でもマウスパッドの使用を検討しましょう。
マウスパッドは大きさ・素材・形など幅広く販売されています。自分がパソコンを使う環境や目的にあわせて選びましょう。普段のマウス移動範囲をカバーできる大きさのものや、手が疲れづらいアームレストつきのものなどがおすすめです。
マウスの種類
マウスは世界中からさまざまな製品が販売されており、大まかな種類も複数存在します。自分に合ったマウスを選びたい場合、まずマウスの種類をある程度把握しておきましょう。主なマウスの種類を以下で紹介します。
有線マウス
ケーブルを使ってパソコンと直接接続するマウスです。現在はUSB端子で接続する製品が一般的です。
ケーブルの使用により通信が安定しており、通信状態による動作の遅延を防げます。パソコンから直接電力供給されるため、マウスの電池交換や充電なども必要ありません。比較的安価に購入できる点もメリットです。
一方、ケーブルの存在が有線マウスのデメリットにもなります。いつもマウスの近くにケーブルがあるため邪魔になりやすく、ケーブルより長い距離でのマウス使用もできません。マウスを持ち運びたい場合、ケーブルがかさばり携帯性を損ねる問題も生じるでしょう。
ワイヤレスマウス
パソコンと無線通信で接続するマウスです。主にUSBレシーバーやBluetoothでの通信が用いられます。
マウスにケーブルがついていないため操作しやすく、携帯性にも優れます。特にBluetooth式のマウスならば、パソコンだけでなくタブレットで使用できる場合もあります。ケーブルの長さによる制約がないため、有線マウスより遠くから使用できる点も利点です。
主なデメリットとして電池交換や充電を求められる点が挙げられます。パソコンだけでなくマウスの管理にも手間がかかるでしょう。動作の安定性でも問題が生じえます。電波で通信しているため、状況によっては動作が不安定になる場合もあります。
ゲーミングマウス
パソコンでのゲームプレイに特化したマウスです。有線・無線どちらの接続方法も使用されており、多方面から使い心地の向上がなされています。
多くのゲーミングマウスは高性能なセンサーを搭載しており、一般的なマウスよりも解像度が高く設定されています。細かい操作も行いやすくなるでしょう。ボタンも多数設けられており、ゲーム内で必要なショートカット操作をすぐに行えます。
性能の高さを追及しているため、ゲーミングマウスは一般的に高価です。マウスに高い性能を求めない場合は割高に感じられるでしょう。手とのフィット感を意識した構造が多く、「つまみ持ち」をしづらい点にも注意が必要です。
トラックボールマウス
マウス上部に専用のボールが設けられているマウスです。機械式マウスのようにボールを転がして操作するもので、転がす指は親指・中指など製品ごとに異なります。
使用時にマウス自体を動かさないため、あまり広いスペースが必要ありません。床面の制約も受けず、場所を問わず使えます。ボールを大きく転がせばカーソルも大きく移動します。モニターが複数あるような広い画面での作業を行いやすくなるでしょう。
デメリットとして操作性の違いが挙げられます。一般的なマウスと操作性が大きく異なるため、慣れるまで作業効率が上がりづらくなります。また、精密操作に向いていない点もあります。細かい調整や範囲選択などを多用する作業は不得手です。
マウスの選び方
多種多様な製品が販売されているマウスの選択にはさまざまな基準を設けられます。使用できる機能やマウス自体の使い方など、ユーザーごとに異なる基準でマウスを選べます。自分に最適なマウスを探してみましょう。以下ではマウスの選び方の例を紹介します。
機能で選ぶ
マウスによっては多くの便利な機能が搭載されているため、各機能を基準に選ぶ方法もあります。快適にマウスを使えるように、必要な機能を考えてみましょう。マウスに搭載される機能の例として以下のものが挙げられます。
・静音機能
マウスのクリック音を抑える機能です。マウスの「カチカチ」という音が非常に小さくなり、一般的なものより静かに使用できます。会議や深夜帯など大きな音を出せない場面で有用です。
・チルトホイール
マウスホイールを左右にも傾けられる機能です。画面の左右方向にスクロールできます。横長のWebサイトや表計算ソフトのデータなどを扱う際に便利です。
・多機能ボタン
マウスのボタンにさまざまなショートカット操作を割り当てられる機能です。多用する操作をワンボタンで実行できるため、作業効率の向上につながります。
・カウント切り替え機能
マウスの対応解像度を切り替える機能です。解像度が高すぎると操作しづらくなる場面もあるため、作業内容に応じて使いやすい解像度にすぐ調整できます。
用途・場面で選ぶ
マウスを選ぶ際は主な使用用途や場面を考えましょう。マウスごとに適する用途・場面が異なるため、適切なマウスを選べば快適に使用できます。マウスの使用用途や場面として、主に以下のものが挙げられます。
・プライベートでの普段使い
自宅のようなプライベート環境で軽く使用する場合、マウスに多くの機能は求められません。左右クリックやホイールのような最低限の機能を使えるマウスで十分でしょう。機能面よりも価格や重量からの選択がおすすめです。
・ビジネス作業
ビジネスシーンでマウスを使う場合は作業の内容・時間・環境などを考慮しましょう。ある程度複雑な作業を長時間行うならば、疲れづらい構造のマウスがおすすめです。静かなオフィス内で騒音を防げるように静音タイプの製品も有用でしょう。
・外出先での作業
取引先や学校などに外出してマウスを使用する場合、持ち運びやすい小型・軽量な製品を選びましょう。非常に小さく収められる製品もあるため、荷物を減らして移動しやすくなります。省電力の製品ならば電池切れのリスクも減らせます。
・パソコンゲーム
パソコンで本格的にゲームをするならばゲーミングマウスがおすすめです。ゲームプレイに必要な機能が多数搭載されており、快適性の確保や勝率の上昇などにかかわります。ゲームのジャンルによってもマウスに求められる機能は変わるため要確認です。
・長時間のクリエイティブ作業
クリエイティブな作業を長時間行う場合、疲れづらい構造のものがおすすめです。作業中の疲労を抑えて集中力を保ち、作品のクオリティを上げやすくなります。精密操作が求められない作業であればトラックボールマウスも有効でしょう。
接続方法で選ぶ
マウスの選択ではパソコンとの接続方法について検討する必要があります。ケーブルによる有線接続と無線通信によるワイヤレス接続があり、それぞれ特徴も異なります。接続端子の空きやBluetooth通信の可否、パソコンとマウスの使用環境などを考えて選びましょう。
マウスによっては有線・ワイヤレスのどちらも使用できるものもあります。パソコンの使用場面にあわせて変更できるため、双方のメリットを享受して快適に使用できるでしょう。基本的に価格が高めに設定されていますが、マウス使用の利便性を追求する場合に有用です。
まとめ
パソコン使用時に欠かせないマウスの種類や選び方などを紹介しました。パソコンを直感的に操作できるマウスは効率的な作業に重要な道具で、現在ではさまざまな種類・構造の製品が販売されています。ユーザーのパソコン使用環境や作業内容によって適するマウスは異なります。自分にぴったりなマウスを探して、パソコンを楽しく能率的に扱いましょう。
車輪とケーブルがついた木製の箱から始まったマウスは、時代とともに大きく進化してきました。今後もコンピュータの発展にあわせてさらに進化・発展していくでしょう。より新しく使いやすいマウスを見つけて、より快適なパソコン作業を実現してみてください。