引っ越し作業はどのように進めればよい?効率的な手順や注意点を紹介!

引っ越し作業はどのように進めればよい?効率的な手順や注意点を紹介!

入学・就職・結婚など、人生のさまざまな転機にあわせて引っ越しを行うケースが少なくありません。引っ越しの際にはやるべきことが多数発生します。必要な作業を把握してテンポよく進めていきましょう。うまく引っ越しを進められれば、時間・家計の両面で大きなメリットを得られます。この記事では引っ越し作業の手順と主な注意点を紹介します。

引っ越しの手順

引っ越しの際には行うべきことが非常に多くあり、相応に時間もかかります。早くから引っ越し準備の計画を立てて、スムーズにこなしていきましょう。この章では引っ越し決定から引っ越し後までの各段階で行うべきことを紹介します。

引っ越し決定直後

引っ越しが決まった際には、なるべく早く行うべきことが複数あります。いずれも直前になると間に合わない可能性が高いことのため、引っ越しを考えている段階から意識しておきましょう。引っ越し決定直後に行うべきことは主に以下のとおりです。

・引っ越し日を決める
実際に引っ越し作業を行う日を最初に決めましょう。年度末や連休などは引っ越し業者の予約を取りづらくなり、料金も高くなります。引っ越し日を早く決めておけば準備の流れを決めやすいため、スムーズに準備を進められる点もメリットです。

・引っ越し業者に依頼する
引っ越し日が決まり次第引っ越し業者の予約を取りましょう。繁忙期には予約を非常に取りづらくなるため、先んじての予約が大切です。荷物の量や引っ越し先との距離などによっては、引っ越し業者を利用せず自分で荷物を運ぶ選択肢もあります。

・不用品や粗大ごみを処分する
引っ越しの際には荷物整理を行い、不用品や粗大ごみが出れば早めに処分しておきます。一般的に粗大ごみの収集は時間がかかるため、引っ越し直前に申し込んでも間に合わないかもしれません。リサイクルショップに売ったり他人に譲ったりする処分方法もあります。

・旧居の解約手続きを行う
今まで賃貸住宅に住んでいた場合、引っ越しが決まった段階で旧居の解約手続きも欠かせません。基本的に、賃貸住宅を退去する際は1ヶ月前までに管理会社への連絡が必要です。具体的な期日は契約書に記載されているため、事前に確認して早めに連絡しましょう。

・転校や転園の手続きを行う
学校や幼稚園などに通っている子供がいる場合は転校・転園が必要です。旧居・新居のそれぞれから通う学校や幼稚園などに連絡して、必要書類を提出しましょう。高校や私立の学校では手続き内容が異なるケースもあります。学校に連絡して確認すると確実です。

引っ越し2週間前

引っ越し日の2週間前まで近づくと、進めるべき準備内容が増加します。役所で行う手続きも含まれているため、内容を把握して一気にまとめて進めれば効率的です。引っ越しの2週間前に行うべきことは主に以下のとおりです。

・転出届を提出する
別の市区町村に引っ越す場合、旧住所の役所に転出届を提出する必要があります。基本的に引っ越し日の14日前から受け付けているため、提出可能になったタイミングで迅速に済ませましょう。なお、同じ市区町村内で引っ越すならば転出届の提出は不要です。

・国民健康保険の資格喪失手続きを行う
別の市区町村に引っ越す場合は国民健康保険の資格喪失手続きも必要です。引っ越し後に新住所で改めて国民健康保険に加入します。転出届と同様に、国民健康保険の手続きも引っ越し日の14日前から行えます。転出届の提出と同時に行えれば手間がかかりません。

・郵便物の転送手続きを行う
旧住所あての郵便物を新住所に転送してもらえるように手続きを行いましょう。郵便局の窓口で手続きするだけでなく、書類の郵送やインターネットでの手続きも可能です。転送は手続き日から1年間のため、引っ越し後に郵便局で住所変更しましょう。

・すぐに使わないものを梱包する
各種手続きと並行して、すぐに使わないものから順次荷造りを進めていきましょう。アルバム・来客用の食器など普段使わないものや季節外れの衣類などをまとめておきます。引っ越し当日まで少し期間があるため、梱包後は邪魔にならない場所に保管しましょう。

引っ越し1週間前

引っ越し当日の1週間前になったら、本格的に荷造りや退去の準備などを進めていきましょう。引っ越し前日までには大半の準備を終わらせておく必要があります。引っ越しの1週間前に行うべきことは主に以下のとおりです。

・大部分の荷物を梱包する
旧居に置いてあるさまざまな荷物を順次整理・梱包していきましょう。引っ越し当日に使用しないものを優先して、段ボール箱に詰めていきます。最初に不用品の処分を行えれば効率的です。梱包すべき荷物を減らせるため、手早く梱包可能です。

・家具・家電を梱包する
大きな家具や各種家電の梱包も行いますが、特に家電類は注意しましょう。パソコンのような壊れやすいものは念のためにデータのバックアップもとっておきます。冷蔵庫は庫内の食材を計画的に消費して、庫内を空にしておきましょう。

・旧居と新居を掃除する
旧居と新居の掃除も進めていきましょう。特に旧居は荷造りでスペースが空いていくため、順次掃除を進める良いタイミングです。新居は基本的に掃除されていますが、荷物を入れる前に自分でも掃除しておくと安心できます。

・電気・ガス・水道などの引っ越し手続きを行う
電気・ガス・水道・インターネット・電話などのような各種生活インフラも引っ越し手続きが必要です。それぞれ契約している電力会社や水道局などに連絡して手続きを行います。ガスだけは引っ越し当日に立ち会いが必要になるため注意しましょう。

引っ越し前日

引っ越し前日には荷造りをほぼ完了させて、掃除や近隣への挨拶を行いましょう。引っ越し当日は一日中忙しくなるため、大きく動き過ぎずに体力の温存が大切です。引っ越し前日に行うべきことは主に以下のとおりです。

・旧居を掃除する
引っ越す前に旧居をしっかりと掃除しておきます。特に賃貸物件の場合は原状回復が求められるため、可能な限り入居時点の状態に近づけましょう。旧居をきれいにできていれば敷金が多く戻ってくる可能性もあります。引っ越しの出費を少しでも和らげられるでしょう。

・近隣住民に挨拶する
隣や上下階などの近隣住民に、明日引っ越す旨を伝えましょう。普段から付き合いがなくとも、引っ越し作業による騒音やエレベーター占有などで迷惑をかける可能性があります。あらかじめ断りを入れておけば余計なトラブルを避けられます。

・冷蔵庫と洗濯機の水抜きをする
冷蔵庫と洗濯機は水を使用する大型家電のため、引っ越し時の扱いに注意が必要です。水が残ったまま運搬すると、ほかの荷物に水がかかり汚れ・破損につながりかねません。洗濯機はホース内の水も抜き、冷蔵庫は事前に霜取りまで済ませておきましょう。

・現金を用意する
引っ越し前日のうちに、ある程度まとまった額の現金を用意しておきましょう。引っ越し業者への支払いや光熱費の清算など、引っ越し当日に現金が求められる可能性もあります。可能であれば、必要額を計算しておつりが出ないようにしておきましょう。

引っ越し当日

引っ越し当日は旧居・新居の両方でやるべきことが多く発生します。当日のスケジュールを考えておき、次にすべきことを考えながら動ければ効率的です。引っ越し当日に行うべきことは主に以下のとおりです。

・日用品を梱包する
引っ越し当日の朝まで使用していた日用品を梱包します。日用品は新居でもすぐに使用する可能性が高いため、わかりやすい形で梱包してすぐ取り出せるようにしておきましょう。日用品の梱包で段ボール箱をすべて使い切るようにします。

・旧居から荷物を搬出する
梱包したすべての荷物を旧居から搬出します。引っ越し業者に依頼している場合は指示を出しつつ任せて、自分で運ぶ場合は用意した自動車に荷物を積み込みます。荷物によっては慎重な扱いが必要なため、引っ越し業者や運ぶ人に適宜伝えておきましょう。

・旧居での手続きを行う
旧居が空になったら各種の手続きを行います。一般的にガスの閉栓には立ち会いが求められるため、担当者が旧居に着き次第立ち会いましょう。その後大家や管理人と旧居の状態を確認して、鍵を返したりブレーカーを落としたりしてから退去します。

・新居の生活インフラを確認する
新居に移動したら電気・ガス・水道・インターネットのような生活インフラを確認しましょう。事前に申し込みをすませてあれば、ガス以外はすぐに使えるようになっています。ガスは開栓手続きが必要になるため、担当者の開栓に立ち会いましょう。

・新居に荷物を搬入する
旧居から運んできた荷物を新居に搬入・設置していきます。移動させづらい大きなものを優先して搬入しましょう。次に日用品を荷解きすれば、ひとまず新居に生活環境を整えられます。搬入後は荷物の紛失や破損などがないか引っ越し業者と一緒に確認しましょう。

引っ越し後

新居に引っ越してからも行うべきことが多くあります。トラブルなく新生活を始めるために、あらかじめ必要なことを把握してスムーズに進めていきましょう。引っ越したあとに行うべきことは主に以下のとおりです。

・転居届や転入届を提出する
新住所の役所で転居届や転入届を提出します。旧住所で転出届を提出している場合は転入届を提出します。政令指定都市内で市内他区に引っ越した場合は区間異動届の提出が求められる場合もあります。いずれも引っ越しから14日以内に提出しましょう。

・国民健康保険の加入手続きを行う
旧住所で国民健康保険の資格喪失手続きを行っている場合、新住所で新たに加入手続きを行います。手続きが遅れると保険証の発行も遅れるため、体調を崩した際などに問題が起こる可能性もあります。転居届や転入届の提出と同時に済ませましょう。

・マイナンバーカードや運転免許証の住所変更を行う
マイナンバーカードや運転免許証の住所も変更が必要です。いずれも身分証として頻繁に使用されるため、旧住所から更新されていないとトラブルの原因になりえます。マイナンバーカードは役所で、運転免許証は警察署や運転免許試験場などで手続きしましょう。

・銀行や保険などの住所変更を行う
銀行口座や健康保険などに登録している住所も新住所に切り替えます。旧住所のままになっていると更新通知なども旧住所宛に届くため、新住所でなかなか受け取れず期限切れになる恐れがあります。インターネットで手続きできる場合もあるため確認しましょう。

・自動車やバイクの住所変更を行う
自動車やバイクに登録している住所の変更も必要です。自動車・バイクともに、大きさによって手続きできる場所が異なります。普通車や126cc以上のバイクは運輸局や運輸支局で、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きします。原付自動車の手続き場所は役所です。

引っ越しの注意点

引っ越しの際には幅広い作業を進めなくてはならず、作業が滞ると引っ越し全体に悪影響を生じさせる可能性もあります。やるべきことと注意点を把握して、引っ越し作業をスムーズに進めましょう。引っ越しの際に注意すべき主なポイントを以下で紹介します。

新居の選択

引っ越し先の新居を選ぶ際には、事前に希望する物件の条件を考えておきましょう。立地・家賃・間取りなどを決めておけば、自分に適した物件を探しやすくなります。引っ越す時期や理由などもはっきりさせておくと不動産業者に伝えやすくなり、最適な物件を探してくれる可能性も高まります。
物件の内見では騒音・寸法・日当たりなどのチェックが欠かせません。騒音は壁を軽く叩いたり耳を当てたりして判断可能です。寸法を測る際は部屋の中だけでなく、玄関扉や廊下・エレベーターの幅なども測りましょう。チェーンロックの留め具で玄関幅が狭くなる点にも要注意です。日当たりは 風通しとあわせて、室内環境の良し悪しを左右します。湿気や室温などに問題があると健康を害する恐れもあるため注意しましょう。

必要な予算

引っ越しのためにかかる金額は荷物の量や引っ越す距離・時期などによって変動します。単身世帯が3月に引っ越す場合、おおよそ6万円を相場とみましょう。他地方のような長距離に引っ越す場合は10万円以上かかる可能性も少なくありません。
引っ越しの予算を抑えたい場合はさまざまな工夫が必要です。引っ越し業者に運んでもらう荷物を減らしたり引っ越す日時を見直したりしましょう。
一般的に荷物が少なければ引っ越し業者は少数の人員で作業できるため、人件費を抑えられるぶん引っ越し費用も安くできます。荷物が少ない場合のみ利用できる安価なプランを設けている場合もあります。
引っ越しの日時は繁忙期の3月を避けましょう。国土交通省の調査によると、2020年度の大手引っ越し事業者が手掛けた引っ越し件数は3月が最多で1月が最少でした。時間帯も混雑する午前中を避けて、午後や夕方を指定すればお得です。
その他、複数の業者から相見積もりをとることも重要です。引っ越し業者ごとに費用が異なる場合も珍しくないため、なるべく安く利用できる業者を選べば予算を節約できます。

荷造りの方法

引っ越しにおいて大きな労力がかかりやすい荷造りは、工夫すれば比較的スムーズに進められます。
最初は季節外れの衣類や思い出の品など、普段使わないものを梱包しましょう。よく使うものを梱包すると必要になった場合に取り出さなくてはならず、大きな手間がかかります。
玄関から見て奥の部屋にあるものから梱包していくことも重要です。玄関付近に梱包済みの段ボール箱を置いておくと、引っ越し当日までの生活で邪魔になります。奥の部屋に限らず、荷物の梱包時は同じ部屋や棚にあったものをまとめて梱包すると開梱の際にスムーズです。
荷物の梱包時には段ボール箱がなるべく同じ重さになるよう意識しましょう。重い箱があると運搬しづらくなり、途中で底が抜ける恐れもあります。特に書籍類は非常に重いため、小さな箱に少しずつ分けて詰めましょう。
荷造りでは基本的にすべての荷物を梱包しますが、預金通帳や貴金属などの貴重品は梱包せずに自分で運びましょう。万が一の際に紛失や盗難などのトラブルを避けられます。貴重品が多い場合、あらかじめ金庫を用意しておけば安心できます。

引っ越し挨拶の必要性

一般的に、引っ越しの際は旧居・新居のそれぞれで近隣住民への挨拶がマナーとされています。しかし、近年では挨拶をしないケースも珍しくありません。単身世帯が多い昨今では、引っ越し挨拶で一人暮らしだと伝えたためにトラブルを招く可能性もあります。一方で、引っ越し挨拶は円滑な近所付き合いのために有用です。引っ越し挨拶をすべきか否か、特に新居の管理会社や大家に確認しておきましょう。
引っ越し挨拶をする場合、近隣住民になるべく負担をかけない形で挨拶しましょう。一軒家ならば隣の2軒と向かいの3軒、さらに裏の1軒が挨拶の対象として挙げられます。集合住宅では隣の2軒と上下階の2軒が対象です。 挨拶のタイミングは正午から夕方が適切です。相手が留守の場合は後日訪問して、留守が続くならば郵便受けに手紙を投函しましょう。
引っ越し挨拶では一般的に手土産を持参します。手土産は日持ちするお菓子や日用品などを選びましょう。遠方から引っ越す場合、新居での挨拶に旧居地域での銘菓を選べば話題づくりにもなります。手土産の値段は500円から1,000円程度が相場です。

まとめ

引っ越し作業の手順と主な注意点を紹介しました。引っ越しを決めた段階から実際に引っ越したあとまで、多くのタイミングでさまざまな作業を進めなくてはなりません。スムーズに引っ越せるよう念入りに準備して、実際の引っ越しに役立ててください。
引っ越しは新生活の始まりにあたるため、スムーズに引っ越せればリラックスして新生活を始められます。引っ越し先での生活をより良いものにできるように、あらかじめ引っ越しの流れを頭に入れておきましょう。