言葉の力を見直そう!言葉が人の心に与える影響や効果を検証

私たちがいつも使っている「言葉」。私たちは本当に、言葉を適切に使いこなすことができているでしょうか。言葉はその使い方次第で人を励ますことも傷つけることもできるので、言葉を使う人が慎重に言葉選びをしないと、取り返しのつかないことにもなりかねません。
この記事では、言葉が人の心に与える影響や効果について検証していきます。
今こそ言葉の力を見直そう!言葉が人の心に与える影響とは
言葉の力は、私たちが思っている以上に大きいものです。私たちは普段言葉があることに慣れすぎていて、何気なく言葉を使い、その力の大きさに気づいていない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、言葉の力を見直しつつ、言葉が人の心に与える影響について考えていきます。
言葉に宿る不思議な力
古代日本では、言葉に宿っている不思議な力のことを「言霊(ことだま)」と呼んでいました。言霊には、発した言葉どおりの結果を現す力があるとされていました。(参照:言霊(ことだま)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 – goo国語辞書)例えば、「あなたならできる!」という言葉を何度も言われると、不思議と自信がつくように、古代では言葉が現実に影響すると信じられていました。
昔の人は、言葉の持つ力をネガティブなものとして恐れ、またはポジティブに自らの武器として考え、言霊という考え方を生み出したのではないでしょうか。そして、言葉の力を現代の日本よりも強く信じて、口に出す言葉を大切にしながら毎日を過ごしていたのではないかと考えられます。
言葉が与える影響
言霊までではないにしろ、言葉には人を励ましたり、逆に人を傷つけたりする力があるので、使い方には気をつけなくてはなりません。その影響の大きさに気づかずに、何気なく言葉を使っている人もいて、実際にSNS上などでトラブルになっている例もあります。SNSでは文字でやりとりするのが基本のため、言葉が一人歩きしてしまい、言葉の力が普段より増すからでしょうか。言葉が人の心に与える影響は私たちが考えるよりずっと大きいものなのかもしれません。
ポジティブ・ネガティブな言葉が私たちにもたらす影響を検証
人から感謝の言葉を言われた時、または批判的なことを言われた時、どのような気持ちになるでしょうか。
ここでは、ポジティブな言葉・ネガティブな言葉がそれぞれ私たちにもたらす影響について検証していきます。
ポジティブな言葉
ポジティブな言葉とは、一般的に、感謝の言葉や賞賛の言葉などその言葉の意味が明るく前向きであるもののことを指すと考えられます。
極端な例かもしれませんが、言葉には脳をも変える効果があると言われています。ある研究で患者に①効果がある薬②実際には効果のないサプリメントの2種類を与えたそうです。重要なのが、②を与える時に「この薬は効きます」との言葉を付け加えたことです。そうすると、本来効果があるはずのない②のケースで病的改善が見られたのだそうです。これは、医師からかけられた「この薬は効く」という言葉による効果です。このような効果を、「プラシーボ効果」と呼びます。
参照:脳科学の権威が解説!ポジティブな言葉が効果的な理由│Leader’s Lounge
前述した「言霊」のように、「プラシーボ効果」によって患者の身体が医師の言葉どおりの結果になっていることが分かります。また、ここまでではなくても誰かに「ありがとう」と言われたり「よくできたね」と褒められたりすると良い気持ちになって「またがんばろう」と思えたりするのもポジティブな言葉の力であると考えられます。特に「ありがとう」の言葉は、言った方も言われた方も幸せな気分になり、人間関係の改善にも役立ちます。
そして、相手に言われるのではなく、自分に向けて「よくがんばったね」とポジティブな言葉を言うだけでも自己肯定感が高まります。
このように、ポジティブな言葉を口にすることで良いことがたくさんあるのですが、意識的にポジティブな言葉を言おうとしてもなかなか難しいものがあります。そんな時におすすめなのが精神科医の樺沢紫苑先生が推奨している「3行ポジティブ日記」です。やり方は簡単で、1日の終わりにその日あった「よかったこと」を3つ(3行)書くというもの。「楽しい」「嬉しい」「よくやった」のようなポジティブな言葉を入れて書いてみましょう。これはとても簡単にできて、自分をポジティブな言葉でいっぱいにすることができるのでぜひ試してみてください。毎日続けることで、「幸せだな」「明日もきっと良いことがある」といつの間にかポジティブに考えることができるようになることでしょう。
感謝の気持ちを表現することの重要性については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→伝えないと伝わらない!?感謝の気持ちを表現しよう!
ネガティブな言葉
ネガティブな言葉とは、ポジティブな言葉と裏腹に、その言葉の意味が後ろ向きで言う方も言われる方も暗く嫌な気分になってしまうもののことを指します。
例えば「うるさい」「無理」「邪魔」などが代表的な「ネガティブな言葉」に該当します。その中でも、「別に誰もあなたのことを必要としていないよ」「あなたは価値のない人間だからもう来なくていいよ」などという言葉は人をひどく傷つけてしまいます。
それらがたとえ無意識に発せられたものだったとしても、言われた方はネガティブな言葉が心に重くのしかかって、そのせいで精神的に病んでしまうこともあります。
また、ネガティブな言葉は言われた方に悪影響を及ぼすだけではなく、言った方にも悪影響を与えます。ネガティブな言葉ばかり口にしていると、周りの人は当然良く思いません。ネガティブな言葉を言う人と、取り巻く人たちとの人間関係は次第に悪くなっていき、自然と人が離れていきます。よって、ネガティブな言葉は極力使わないように心がけることが大切になってきます。
しかし、ネガティブな言葉を使わないようにすると言っても、ネガティブな感情を抱かないようにするのは難しいことです。そこで、頭に浮かんできたネガティブな感情をポジティブな言葉に言い換えて捉えなおすことをおすすめします。最初はやりにくいかもしれませんが、「意識して言葉を変えようとする」だけでもそれは変わるための一歩です。
「言葉を言い換える」とはどういうことかと言うと、例えば、「あの人は心配性なのでいつも心配ばかりしている」と捉えるとネガティブですが、それを「あの人は細かいことにも気を配ることができる」と言い換えるとポジティブに捉えなおすことができます。また、仕事などで困難なことに出くわすと、「難しいな」とついついネガティブに捉えがちになってしまいますが、「これを乗り切ればまた成長できるぞ」と言い換えるのがおすすめです。「難しい」という言葉をポジティブな言葉に言い換えることで、頭の切り替えができ、次に進むことが可能になるのです。
「ネガティブな言葉」から「ポジティブな言葉」に頭の中で変換するには、最初の内は難しく、訓練が必要です。そこで、言葉を簡単に変換できるように、「ネガティブな言葉→ポジティブな言葉への言い換え表」を作成すると良いでしょう。手帳に書いておけば、こまめに見返すことができるので、考え方のクセを直すのに役立ちます。言い換え表を作る時、下記のブログが参考になりますのでぜひ見てみてください。
参照:【ネガティブからポジティブへ】言葉の言い換えで心も行動もプラスに|ナニスル休日
SNSにご用心!意図せずして他人を傷つけてしまうことも!?
SNSで誹謗中傷を意図的に行うのが許されないことは当たり前ですが、人を傷つけるつもりがなくても自分の投稿により深く傷ついてしまう人がいるかもしれないということを考えたことがありますか?
ここでは、SNSでの言葉の影響力について考えていきます。
SNSでのやりとりは慎重に!
この記事の最初に少し触れましたが、SNSへ投稿する時は基本的に文章で行います。そのため、投稿する人やそれを読む人の表情やしぐさ、声のトーンなどがお互いに全く分かりません。これは、つまり言葉だけでお互いの印象や考え、意見などが全て決まってしまうということです。
よって、SNSでやりとりをする時は、言葉が一人歩きしないように普段対話する時よりもさらに「言葉選び」に気を遣い、慎重になる必要があるのです。そうしないと、自分の意図しないところで他人を傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。例えば、何気なく「こんな簡単なこともできないの?」と投稿した内容が、誰かを深く傷つけてしまうかもしれません。文章だけでは会話の雰囲気や発言の意図が伝わりにくいため、時には雰囲気を和ませることのできる絵文字や補足のコメントを加えるのも良いアイデアです。
投稿の文章、ちゃんと伝わる?
投稿の文章を書く時、主語は適切ですか?よく、「みんなが反対している」というような文章を見かけますが、「みんな」とは誰ですか?まさか日本人全員というわけではないですよね。主語は曖昧にしないで適切に、具体的に書かないと、読む人に誤解を与えてしまいます。例えば、「みんなが反対している」ではなく、「私の友人3人が反対している」とすることで、誰の意見なのかが明確になります。また、目的語が足りないのも誤解を生むので、きちんとした日本語で文章を書き、投稿することをおすすめします。
不適切な投稿をしてしまわないために
投稿するための文章が出来上がったら、投稿ボタンを押す前に「見直す」ことを心がけましょう。その際、俯瞰して第三者の目で見て、その投稿によって傷ついたり嫌な思いをしたりする人がいないかどうかよくチェックしてみてください。投稿して世に広まってからではいくら元の投稿を削除しても手遅れです。誰かに投稿のスクリーンショットを保存されて拡散されてしまえば、もう止めることはできないのですから…。
相手への言葉の選び方を意識してよりよい人間関係をつくろう
言葉には驚くほどの力があります。その力をより良い形で使うために、まずは自分が発する言葉を意識することから始めてみましょう。自分からポジティブな言葉を発するように心がけていれば、相手が変わり、あなたを取り巻く人間関係も変わっていきます。そうすると、毎日の生活もどんどん良い方に変わっていきます。あなたの言葉をポジティブに変えるだけで、明日からきっとそれが周りの人や自分自身を幸せにする力になるはずです。