食料品などの値上げの理由って?家庭でできる対策も解説!

公開日:2025/06/06
食料品などの値上げの理由って?家庭でできる対策も解説!

「いつの間にかスーパーでの買い物金額が増えた」と実感している人はきっと多いことでしょう。中でも毎日の食卓に欠かせない米5㎏の全国平均価格は、2022年3月で1,980円だったのに対し、2025年4月はなんと約2倍以上の4,543円にもなっています。(参照:「全国のスーパーでお米5kg1袋の値段は?」小売物価統計調査による価格推移|日本の物価)オリーブオイルやシーチキンをはじめ、ほとんどの食料品において何らかの値上げがされているので、買い物金額が増えるのも当然のこと、という状況です。
この記事では、値上げがされている背景について触れながら、家庭でできる節約術などの対策を解説します。

値上げはなぜ起こっている?その理由について考えてみた

食料品などの値上げの原因として考えられることは何でしょうか。ここでは、考えられる原因を3つに分けて解説していきます。

原材料の価格が高い

食品の原材料の価格が高くなると、当然その原材料でできている食品も価格が高くなります。例えば、小麦やとうもろこしは海外から輸入されることが多いですが、これらの価格は高止まりの傾向にあります。すると、小麦やとうもろこしからできているパンや麺類の価格も高くなる、というわけです。
では、その原材料の価格はなぜ高くなったのでしょうか。その原因の一つに、「天候不良」が考えられます。猛暑や降水量の低下などが原因で、野菜の収穫量が減り、値段が高くなるのです。また、ロシアのウクライナ侵攻により小麦や大麦、とうもろこしの輸出が減少し、価格が高くなっています。
そういった価格の高い作物を、日本はやむを得ず輸入することで賄っているため、円安の影響も相まって原材料の価格が高くなり、それに伴い加工品などの価格も高くなってきます。

輸送費が高い

ウクライナ・中東紛争によりガソリンの価格が値上がりしています。物を運ぶのに欠かせないガソリンの価格が高くなると、それに伴い食料品などの価格も上がります。また、高速道路の長距離料金の値上げも食料品の値上げに深く関わっています。
なぜガソリン代や長距離料金が値上げに影響するのかというと、コストが増加した分を商品の小売価格に反映させる必要があるからです。一見、食料品と関係がなさそうでも値上げには輸送費もしっかり含まれているのですね。

人件費が高い

最低賃金の引き上げや、人手不足による人件費の高騰も食料品などの値上がりに拍車をかけています。
人件費が上がると原価も上がるので利益を確保するためには値上げが必要になってくるからです。

食料品などの値上げは必ずしも一つの原因によるものではありません。いろいろな要因が絡み合って食品の値上げを引き起こしているのです。一見値上げと関係がないと思われることでも、目に見えないところで複雑に関わり合っていて、そこには確かな相関関係があるということが分かります。

家庭でできる節約術を解説!「ちりつも」の意識がカギ

食料品をはじめとする、あらゆる物の価格が高騰している今、家計にも大きな影響があるのは誰しもが実感していることでしょう。そんな中、私たちができることとは何でしょうか。
これからは、値上げに苦しめられても、うまく節約して明るく生活していけるように、ちょっとした工夫が必要とされます。
ここでは、「塵も積もれば山となる」の意識で毎日の生活に取り入れたい、家庭でできる節約術について解説します。

光熱費の削減

節電、節水に取り組むことは、節約する上でとても重要なことの一つです。一つのアクションで節約できるお金はわずかでも、それが何回も、何日も積み重なったら、確かな成果が目に見えて分かります。
例えば、エアコンのフィルターをこまめに掃除する、ガスコンロの火の強さを控えめにする、冷蔵庫の設定を強から弱に変える、など様々な場面で節約のチャンスがあるので試してみてください。

ガソリン代の削減

自動車での移動はとても便利ですが、ガソリン代が気になるところです。どうしても自動車が必要な場合をのぞいて、自転車や徒歩での移動も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。自転車や徒歩だと、ガソリン代がかからないのはもちろんのこと、健康にも良いです。
給油する際は、ガソリンスタンドによってもガソリンの価格は違うので、底値を把握して、できるだけ安いところで給油しましょう。

食費の節約

安いからと言って食材をまとめ買いして、結局使い切れずに捨ててしまう、そんな経験ありませんか?いくら安かったとしても結果的に捨ててしまうなら、食材もお金ももったいないですよね。
食材をまとめ買いするなら、あらかじめ献立を考えておき、目的を持って買うのがおすすめです。例えば、1週間分の食材をまとめ買いして先に調理し、冷凍してしまうのも一つの方法です。それでもどうしても食材を使い切れなかったら、野菜の場合、切るだけ切って冷凍庫で保存しておくと次に使う時にスムーズです(※冷凍できる野菜に限ります)。
そして、食料品を買う時にぜひチェックしたいのが「プライベートブランド」です。イオン系の「トップバリュー」、セブンイレブンの「セブンプレミアム」などの独自ブランドのマークがついた商品には、広告宣伝費をかける必要が無いなどの理由から安いものが揃っています。プライベートブランドの商品は安いだけでなく品質も良いため、食費を節約するためにこういった商品を選ぶというのも効果的であると言えます。

家計簿をつける

節約すると言っても、何をいくら節約すればいいのか分からなかったら最初の一歩を踏み出せないですよね。まずは家計簿をつけて、自分の家庭のお財布事情を把握することから始めましょう。
入ってくるお金はいくらか。出ていくお金はいくらか。何に多くお金がかかっているか。節約できそうなところはどこか。家計簿をつけ続けることで、これらのことがだんだん分かるようになってきます。先月と比べてお金を使いすぎてしまったとしたら、なぜ使った金額が増えたのか、しっかり分析することも必要です。
今はアプリでも家計簿をつけられるものが多く出ているので、自分に合ったやり方でゆるゆると楽しみながら続けていきましょう。

通信費や保険料などの固定費を見直す

毎月必ず出ていくお金の中に通信費や保険料があります。これらの見直しを定期的に行わないと、知らないところで余分なお金を支払い、それがずっと続くことになるので注意が必要です。
例えばスマホ代やインターネット代については、料金プランが新しくなっている場合があるので、自分が入っているプランと見比べながらより安いものに切り替えると通信費を抑えることが可能です。特にスマホは格安SIMにするとかなりの節約が期待できるため、採用を検討してみてください。
他に、不要なサブスクリプションを解約することも通信費の節約には有効な手段の一つです。本当にそのサービスが自分に必要なのかをよく考えて、例えば動画配信サービスは期間限定で加入するなどすると余分な支出を抑えることができます。

ポイントをうまく利用する

現金だけに目を向けるのではなく、毎日多くの人が当たり前に使うようになった「ポイント」をうまく利用することで、家計の足しにすることができます。「ポイ活」という言葉もメジャーになってきました。
例えば、ポイント還元率の高いクレジットカード1枚に支払いを集約すると、ポイントを貯めやすくなります。また、ポイントサイトでアンケートに回答したり、歩くことでポイントが貯まるアプリを利用したりと、ポイントを貯める手段は多岐にわたります。
このような「ポイ活」の成果は一つ一つに目を向けるとほんの少しですが、「塵も積もれば山となる」の意識で毎日コツコツ取り組むことで結果的に大きな成果を生むことができます。ポイントが貯まったら、必要経費に充てるのも良し、節約を頑張った自分へのご褒美代にしても良し、使い道を考えるのもまた楽しいですね。

無理はしすぎずゆるゆると!値上げに負けずに過ごそう

節約は重要なことですが、無理に我慢して徹底的に取り組むべきことではありません。無理して節約のことばかり考えていたらメンタル的に良くないですし、その結果リバウンドが起こる可能性も考えられます。
節約は、ゆるゆると楽しみながら取り組むのがコツです。たまにはご褒美としてコンビニでスイーツを買ったり、時にはゲームのように、どれだけ節約できたかを先月の自分と競争したりしても面白そうです。節約はずっと続いていくことなので、ゆるくても長続きするやり方の方が結果的にはお得なのです。
値上げは今後も続くことが予想されるので深刻な状況ですが、あまり暗くならずに笑顔で乗り切れるよう、マイペースで節約に励みながら毎日を過ごしましょう。