プログラミング言語はどのようなものがある?主な言語の種類と特徴を紹介!
Webサイト・業務システム・スマートフォンアプリなど、現代ではコンピューターを使用するさまざまなコンテンツが日常的に活用されています。コンピューターを使用するコンテンツは開発もコンピューターで行います。しかし、コンピューターは人間と異なり日本語や英語などで指示を出しても応えてくれません。
コンピューターに指示を出すためには「プログラミング言語」と呼ばれる特殊な言語を使用します。開発したいコンテンツごとに適した言語を使用して、コンピューターにより効率よく活躍してもらいましょう。この記事では主なプログラミング言語の種類や特徴などを紹介します。
プログラミング言語とは
プログラミング言語とは、人間がコンピューターへの指示を出してプログラムを作成するために用いられる言語のことです。コンピューターは日本語や英語など人間が用いる言語を使用できないため、人間からの指示をコンピューターでもわかる言語に訳さなくてはなりません。コンピューターに指示を出してシステム開発やコンテンツ制作などを行うためにプログラミング言語を使用します。
プログラミング言語は非常に多くの種類があり、言語ごとに得意分野が異なります。そのため、コンピューターで行いたい内容に合わせて使用する言語を選ばなくてはなりません。
主なプログラミング言語
プログラミング言語は昔から世界中でさまざまなものが開発されてきました。現在でも多くの言語が場面ごとに使い分けられており、必要な言語を使用できるエンジニアが開発現場で活躍しています。この章ではプログラミング言語の種類と大まかな特徴を紹介します。
C
1970年代に開発された歴史のあるプログラミング言語で、「C言語」とも呼ばれます。コンピューターのOSやほかのプログラミング言語などを開発する際に用いられており、処理速度の速さや汎用性の高さが魅力です。そのため、現在でも基幹システムや組み込みシステムなどを中心に使用されています。
C言語を使いこなすためにはハードウェアの知識も求められるため、習得が難しい言語です。しかし、安定した需要があるため習得できれば長期間活躍できるでしょう。
C++
C言語にさまざまな改良が加えられたプログラミング言語で、「シープラスプラス」「シープラプラ」などと呼ばれます。大きな改良点に「オブジェクト指向」の導入があり、C言語よりも効率的に開発できます。C言語と同様OSや業務システムの開発に使えるだけでなく、ゲーム開発の現場でも多く用いられています。
習得難易度の高いC言語に機能が追加されており、便利な反面非常に難しい言語としても知られます。活用分野が広く、習得できれば多方面で役立てられるでしょう。
Java
世界中で非常に多く使用されているプログラミング言語です。 独自の仮想環境を使用するためOSによる動作の制約がなく、幅広い環境下での開発・動作が可能です。汎用性も非常に高く、業務システム・Webアプリ・スマートフォンアプリなど多くのコンテンツを開発できます。
習得難易度は比較的高めなプログラミング言語ですが、学習資料や情報サイトが非常に多く存在しています。 Javaを習得できればほかの言語を習得する際にも応用が利きやすいため、初めて習得するプログラミング言語としても有力です。
Scala
Javaに改良を加えたプログラミング言語です。Javaと同様の仮想環境で動作するため、幅広い環境で使用できるだけでなくJava用のライブラリも多く使用できます。「関数型」と呼ばれる言語の要素を追加しており、Javaのようなオブジェクト指向型言語と関数型言語の特徴をあわせもっています。業務システムやWebサービスなど幅広く活用できる言語です。
オブジェクト指向型と関数型の両方について理解する必要があり、習得は難しい言語です。しかし、習得できればJavaと同様に便利な言語のため注目を集めています。
C#
Microsoft社が開発したプログラミング言語で、C言語やJavaなどがベースになっています。C言語に近い名前ですがJavaの要素が強く表れている言語です。Windowsアプリに用いられているだけでなく、ゲーム開発エンジンの「Unity」でも使用されます。Unityを使用すれば多彩なゲームを開発できるため、ゲームを作りたいならばC#の習得が大いに役立つでしょう。
Javaに近いプログラミング言語であり、習得難易度もJavaと同様に高めです。特にUnityと併用する場合は、Unity独自のシステムも把握する必要があるため注意しましょう。
Go
Google社が開発したプログラミング言語で、比較的新しい言語です。セキュリティの高さや構造のシンプルさが主なメリットで、Webアプリや大規模システムの開発に適しています。開発パッケージやフレームワークを使用して、スマートフォンアプリやドローン制御システムの開発も容易に可能です。
Javaに似た構造ですが作りがわかりやすいため、比較的容易に習得できます。将来性も高く、「これからプログラミングを覚えたい」という人にも適しているでしょう。
PHP
Web開発に特化しているプログラミング言語です。Webサイトの開発以外ではほぼ使われない一方、Web開発の分野で非常に幅広く使用されています。特にユーザーから直接見えない「バックエンド」と呼ばれる部分の処理に用いられます。PHPを使用すればバリエーション豊富で使いやすいWebサイトを作成可能です。
習得難易度は低めで、日本語の学習資料も豊富に存在します。PHPを習得できれば、Webサイト開発に広く用いられる「WordPress」のようなCMSも自由に使いこなせるでしょう。
JavaScript
Web開発を中心に使用されるプログラミング言語です。Webサイトに動きをつける目的で使用されるケースが多く、ポップアップやスライドショーなどさまざまな要素を設けられます。近年ではJavaScriptをブラウザ上だけでなくサーバー上でも動作させるプラットフォームも生まれており、さらに幅広い活用が可能になっています。なお、名前が似ているJavaとの関係はほぼありません。
基本的に独自の環境構築が不要なため、学習を始めるハードルが低い言語です。PHPとあわせて学習するとWebサイト開発に役立つでしょう。
TypeScript
JavaScriptを拡張して作られたプログラミング言語です。JavaやC++などと同様のオブジェクト指向型言語で、JavaScriptの長所を生かしつつ開発しやすい工夫がなされています。JavaScriptと同様にWeb開発が得意なほか、オブジェクト指向型言語の強みを生かして大規模システムの開発も可能です。
プログラミング言語としての基本的な構造はJavaScriptとほぼ変わらないため、JavaScriptを習得していればTypeScriptも容易に習得できます。まだ日本語の学習資料が少ない言語ですが、将来的な期待値が大きいため積極的に学習してみましょう。
Python
近年大きな注目を集めているプログラミング言語で、主にWebアプリやAIの開発などに使用されます。ほかにも幅広く活用できる汎用性の高い言語であり、世界中のさまざまな開発現場で使用されています。特にAI分野は今後大きな発展が見込まれており、AI開発に適したPythonの重要性も高まり続けるでしょう。
習得難易度が低い点もPythonの魅力として挙げられます。日本語の学習資料も多く、初めて学ぶプログラミング言語としておすすめされやすい言語のひとつでもあります。
Ruby
Webアプリ開発を中心に用いられるプログラミング言語です。基本的に「Ruby on Rails」というフレームワークとあわせて使用されており、効率的なWeb開発を行えます。楽しくプログラミングできるように作られた言語であり、読みやすさ・書きやすさともに優れている特徴があります。
Rubyは日本人が開発したプログラミング言語のため、日本語の学習資料が非常に多く存在します。シンプルで読み書きしやすい構造も相まって、プログラミング初心者でも習得しやすい言語として挙げられます。
Kotlin
近年新しく開発されたプログラミング言語で、Javaとの親和性が高い言語です。主にAndroidアプリの開発に使用されており、Kotlin誕生以前から用いられてきたJavaに代わってシェアを伸ばしつつあります。Javaで書かれているソースコードを呼び出せるため、Javaから移行しやすい点が特徴です。現在ではJavaと並んでAndroidの公式開発言語に指定されています。
Javaよりシンプルかつ安全性が高く、学習難易度は低めです。日本語の学習資料はまだ多くありませんが、Androidのシェア拡大とあわせて将来性の高い言語に数えられます。
Swift
Apple社が開発したプログラミング言語です。iOSやMacなど、Apple社の製品で使用するアプリの開発に用いられます。日本においてはiPhoneのシェアが高いため、日本国内で広く使用されるスマートフォンアプリを開発したいならば重要な言語です。C言語との混在や移行もできます。
言語としての習得難易度は低めですが、日本語の学習資料が少ない点に注意が必要です。頻繁にバージョンアップが行われるため、常についていく必要もあります。また、iOSアプリを開発・公開するためにはMacのパソコンが必要な点にも気をつけましょう。
Dart
スマートフォンアプリやWebアプリの開発を中心に用いられるプログラミング言語で、Google社が開発した新しい言語です。当初はJavaScriptの代替を図って開発されましたが、現在では特にスマートフォンアプリ開発の現場で広く使用されます。一般的にDartは「Flutter」というフレームワークとあわせて使用されており、Android・iOSの両方に対応するアプリ開発が可能です。
JavaScriptやJava、Pythonなどに近い特徴を備えている言語です。そのため、各言語を習得していればDartも比較的容易に習得できるでしょう。
プログラミング言語に近いもの
プログラミング言語は非常に多くの種類がありますが、なかにはプログラミング言語と混同されやすい別種の言語も複数存在します。多くのプログラミング言語より重要性が高いものも含まれているため、必要に応じて習得が必要です。以下ではプログラミング言語と異なる重要な言語として3種類の言語を紹介します。
HTML
Webサイトの制作に用いられる言語です。HTMLは「マークアップ言語」と呼ばれる言語にあたり、文書の構造や意味合いを決めるために使用されます。Web開発において非常に多く使用される言語であり、PHPやJavaScriptとあわせてWeb開発に欠かせません。このコラム記事を含む大半のWebサイトはHTMLを使用して作られています。
HTMLはマークアップ言語のためプログラミング言語と構造が大きく異なりますが、学習資料の多さもあり比較的容易に習得できます。Web開発を希望する場合、最初にHTMLの習得を考えましょう。
CSS
Webサイト制作に使用される言語で、基本的にHTMLと併用されます。CSSは「スタイルシート言語」に分類されており、デザインを指定して見た目を整える役割があります。画面の大きさに合わせてWebサイトのデザインを変更するためにもCSSが用いられます。HTMLと同じくWeb開発に欠かせない言語で、学習資料でもHTMLとCSSはセットで扱われる場合が少なくありません。
CSSの構造はHTMLともプログラミング言語とも異なるものですが、学習難易度は低い言語です。Webサイトのクオリティを上げるために不可欠な存在のため、HTMLとあわせて習得しておきましょう。
SQL
さまざまなデータを保存・管理するデータベースの操作に用いる言語です。「データベース言語」と呼ばれるもので、データベースの種類を問わずSQLで操作できます。データベースは特にシステム開発・運用で重要な存在であり、同時にSQLの利用も求められます。顧客や商品など多くのデータを効率よく管理・運用するために、データベースとSQLが欠かせません。
SQLはプログラミング言語と異なり、人間からの指示を1行ずつ一方的に送る形で記述します。プログラミング言語やマークアップ言語などと異なる独特な方式ですが、方法を覚えられれば難しい言語ではありません。
プログラミング言語の学習方法
プログラミング言語を習得するために、さまざまな方法での学習が可能です。主な方法として以下の4パターンが挙げられます。
- 書籍で学ぶ
- インターネットで学ぶ
- プログラミングスクールに通う
- 勉強会に参加する
人それぞれ適している方法があるため、自分が学習しやすいと感じる方法を探しましょう。大まかに分けて、一人で学びたい場合は書籍やインターネット、ほかの人と一緒に学びたい場合はプログラミングスクールや勉強会の選択がおすすめです。いずれの方法を選ぶ場合も、ある程度習得できたら積極的にコンテンツを作ってみましょう。実践的に活用できて勉強になるうえ、出来栄えを問わず完成品を作れれば達成感を感じられます。
学習したい言語によっては日本語の資料が少ない可能性もあるため、積極的に英語の資料も探す必要があります。英語を読めるならばそのまま、読めないならば都度翻訳して読解しましょう。
まとめ
コンピューターによるコンテンツ制作で必要なプログラミング言語の種類や特徴などを紹介しました。Webアプリ・業務システム・スマートフォンアプリなど、自分が作りたいコンテンツに合わせて適した言語を習得・活用しましょう。人間の言語と同じように、プログラミング言語の習得も日々の慣れが重要です。
世界中で日々多くのプログラミング言語が生まれており、現在主流の言語もいずれ時代遅れになる可能性は小さくありません。既存の言語もバージョンアップで機能追加や仕様変更が行われるため、こまめに情報を収集して最新の動向を追っていきましょう。