日々の生活に不可欠な札幌市営地下鉄を紹介!主な駅や周辺スポットも!

公開日:2025/05/30
日々の生活に不可欠な札幌市営地下鉄を紹介!主な駅や周辺スポットも!

200万人近い人口を抱える札幌市では、毎日多くの人が通勤・通学などのために移動しています。学校やオフィスだけでなく商業施設や観光スポットも多いため、道内外のショッピング客や観光客なども多く移動します。
多くの人々が移動する際に、札幌市内ではさまざまな公共交通機関を利用可能です。札幌市内の非常に重要な公共交通機関として「札幌市営地下鉄」が挙げられます。年中安定的に広範囲を利用できる交通ルートとして、札幌の街に欠かせない存在です。この記事では札幌市営地下鉄の概要や、主な駅・周辺スポットなどを紹介します。

札幌市営地下鉄とは

札幌市営地下鉄は札幌市内の各所を結ぶ地下鉄です。雪の多い札幌では悪天候に影響されない地下鉄の恩恵が大きく、札幌における主力の公共交通機関として活躍しています。日常的に利用している身近な交通機関について、改めて学んでみましょう。札幌市営地下鉄の概要について以下で解説します。

歴史

札幌市営地下鉄は、東京・大阪・名古屋に続く全国4番目の地下鉄として1971年に開業しました。当初の区間は南北線の北24条~真駒内で、交通事情の改善や札幌冬季オリンピックへの対応などが目的でした。その後も急速に延伸や新路線の開業が進み、1999年には現在の形が成立しています。
2000年代以降は安全性や利便性の向上が積極的に図られています。2008年度から各駅で可動式ホーム柵の設置が始まり、2016年度にすべての駅で設置されました。2009年にはICカード乗車券「SAPICA」が導入されて、改札口をスムーズに通過できるようになりました。2013年からはJR北海道の「Kitaca」や道外で提供されている「Suica」「PASMO」など、各種交通ICカードの利用も可能になっています。2025年にはクレジットカードによるタッチ決済サービスの提供も始まっており、今後はさらに利便性が高まっていくでしょう。

参照:地下鉄(高速電車)の概要 | 札幌市交通局
   札幌市営地下鉄 | 日本地下鉄協会
   札幌市営地下鉄におけるタッチ決済による乗車サービスの実証実験について | 札幌市交通局

特徴

札幌市営地下鉄には道外の地下鉄と異なる複数の特徴があります。
一般的な地下鉄と異なり、札幌市営地下鉄の車両はゴム製のタイヤを使用しています。「中央案内軌条式」と呼ばれる方式で、2本並ぶ線路ではなく1本の突起を左右からタイヤで挟んで走行します。ゴムタイヤを使用する地下鉄は世界的にも例が少なく、特に中央の突起を使用する方式は札幌市営地下鉄が世界初でした。そのため、中央案内軌条式は「札幌方式」とも呼ばれます。
南北線の平岸~真駒内では他区間と異なり高架を走行します。建設コスト削減を目的として高架化されていますが、高架区間もシェルターで覆われている点が特徴的です。冬の積雪や周辺住宅街への騒音などを防止できる利点があります。地下から高架に向かう際に急な坂を上る必要があるため、ゴムタイヤによる高い登坂性能が役立っています。
東西線や東豊線のホームにいると、電車が到着・発車するタイミングで「チュンチュン」という音が聞こえます。車体下部の装置が突起と離れてから再度接触する際に発せられる音で、地下鉄のトンネル内で反響して独特の音になります。南北線は他2路線と構造が少し異なり、音もあまり反響しません。そのため、主に東西線や東豊線で多く聞こえます。

参照:地下鉄の特徴 | 札幌市交通局
   チカテツ「100知りのススメ」 | 日本地下鉄協会
   【もんすけ調査隊】なぜ?札幌地下鉄に響くチュンチュン音の謎!南北線は音が違う…!?車両基地で大実験!(9月6日放送) | HBC

地下鉄をお得に利用する方法

札幌市営地下鉄はさまざまな方法でお得に利用できます。以下の方法を活用して、地下鉄で積極的に移動してみましょう。

・SAPICA
札幌市交通局が提供している交通ICカードです。駅構内の券売機やバスの営業所などでお金をチャージして使用します。クレジットカードからのオートチャージも可能です。
SAPICAを使用すると運賃の3%がポイントとして貯まります。支払額以上のポイントが貯まっていれば自動的にポイントから支払ってくれるため、残額を減らさずに利用できます。

・地下鉄専用1日乗車券
札幌市営地下鉄が1日乗り放題になる切符です。券売機や定期券の発券所などで購入できます。大人1人で830円のため、運賃が多くかかりそうなタイミングで使用してみましょう。

・ドニチカキップ
土日祝日および年末年始のみ、札幌市営地下鉄が1日乗り放題になります。地下鉄専用1日乗車券と異なり使えるタイミングに制限がありますが、大人1人で520円とよりお得に購入できます。

参照:乗車券のご案内 | 札幌市交通局
   SAPICA公式サイト

札幌市営地下鉄の主な駅とおすすめスポット

札幌市営地下鉄は市内各所に3路線49駅を設けており、非常に広い範囲を手軽に移動できます。普段の生活だけでなく多彩な観光スポット巡りにも地下鉄が役立ちます。地下鉄の駅や周辺のスポットなどを調べてみましょう。札幌市営地下鉄の主な駅とおすすめスポットを以下で紹介します。

中心部エリア

札幌市営地下鉄の3路線は市内中心部に集まっています。多くのオフィス・商業施設・観光スポットなどが集まっており、多くの人が日々利用しているエリアです。
中心部エリアの主な駅として以下のものが挙げられます。

・さっぽろ
南北線と東豊線の駅で、JR各線の札幌駅も利用できます。札幌市営地下鉄で最も利用者数が多く、2022年度は73,885人でした。JRの駅と区別するため、駅名にひらがな表記が用いられています。

主なスポット:JRタワー・北海道庁旧庁舎・北海道大学植物園

・大通
南北線・東西線・東豊線すべての駅で、特に東西線から他2路線に乗り換えられる唯一の駅です。利用者はさっぽろ駅に次いで多く、2022年度は71,296人でした。大通公園の真下に設けられています。

主なスポット:大通公園・さっぽろテレビ塔・札幌市時計台

・すすきの
南北線の駅で、近くに東豊線の「豊水すすきの」駅も存在します。全国的に有名な繁華街の最寄り駅で、駅の近くから札幌市電への乗り換えも可能です。

主なスポット:ノルベサ・狸小路商店街・二条市場

・西11丁目
東西線の駅で、大通公園の西端付近に設けられています。周辺は高等裁判所や合同庁舎など行政施設が多く、主にビジネス街として機能している地域です。

主なスポット:大通公園・札幌市資料館

・バスセンター前
東西線の駅で、大通公園から創成川を渡った東側に設けられています。大通駅との間にある「大通バスセンター」から命名されました。

主なスポット:創成川公園・サッポロファクトリー

参照:札幌の都市交通データブック2023 | 札幌市
   なんば、あびこ、なかもず… 駅名なぜひらがな表記? | 乗りものニュース

南北線北部エリア

北12条~麻生の区間です。すべて北区に設けられており、住宅街・繁華街・学生街など幅広い側面を持っています。
南北線北部エリアの主な駅として以下のものが挙げられます。

・北12条
さっぽろ駅の隣駅で、中心街まで徒歩でも行きやすい立地です。北海道大学に近いため学生が多いほか、大学病院を利用する通院者もみられます。地上からホームまでが浅い駅としても知られます。

主なスポット:北海道大学・北海道大学総合博物館

・北24条
付近に北区役所が設けられている北区の中心的な駅です。札幌市営地下鉄の開業当初は北側の終端駅でした。繁華街として発展していた時期があり、現在でも多くの飲食店を利用できます。

主なスポット:札幌サンプラザ・美香保公園

・麻生
南北線の北の終端駅で、付近にJR学園都市線の新琴似駅も存在します。昔営業していた亜麻工場が地名の由来です。現在は鉄道やバスにより札幌市・石狩市を結ぶ交通拠点を担っています。

主なスポット:札幌市下水道科学館・安春川

参照:北区の亜麻の歴史 | 北区役所

南北線南部エリア

中島公園~真駒内の区間です。中央区・豊平区・南区の3区にまたがり、公園や森林など自然を多く楽しめます。
南北線南部エリアの主な駅として以下のものが挙げられます。

・中島公園
中央区の駅で、自然豊かな中島公園の最寄り駅です。駅周辺は高層ホテルやマンションも多く、市民や観光客など多くの人が行き交います。中島公園の南端には「幌平橋」駅も設けられています。

主なスポット:中島公園・豊平館・札幌コンサートホールKitara

・南平岸
豊平区の駅で、1994年までは「霊園前」という名前でした。周辺は起伏が多く、見晴らしのよい緑地や公園が複数設けられています。南平岸駅の近くから、南北線は高架のシェルターを走行します。

主なスポット:天神山緑地・平岸高台公園

・真駒内
南区の駅で、南北線の南の終端駅です。広い公園が多い地域で、南区内を幅広く結ぶバスの拠点としても機能しています。1972年に行われた札幌オリンピックでは会場や選手村などが設けられました。

主なスポット:北海道立真駒内公園・札幌市豊平川さけ科学館・エドウィン・ダン記念公園

参照:まちの紹介 | 南平岸地区町内会連合会
   札幌オリンピックの歴史 | 札幌オリンピックミュージアム

東西線西部エリア

西18丁目~宮の沢の区間です。中央区から西区に向かい、周辺は主に住宅街やビジネス街などが広がっています。
東西線西部エリアの主な駅として以下のものが挙げられます。

・円山公園
中央区の駅で、動物園や神社などと隣接する円山公園が駅名の由来です。札幌の高級住宅街として知られており、美しい自然と落ち着いた雰囲気が味わえます。地下コンコースの床面にはかわいい動物の絵が描かれています。

主なスポット:円山公園・札幌市円山動物園・北海道神宮

・琴似
西区の駅で、JRの函館本線にある駅と同名です。両駅は少し離れていますが、周辺には多くの商店やマンションが存在します。明治初期に最初の屯田兵が入植した地域で、現在でも西区役所が設けられています。

主なスポット:琴似屯田兵村兵屋跡・農試公園

・宮の沢
西区の駅で、東西線の西の終端駅です。付近の川沿いに祀られた祠から地名が付けられて、駅名にもつながりました。西区や手稲区各地へのバスが運行しており、交通拠点として活躍しています。

主なスポット:白い恋人パーク・宮丘公園

参照:入植第1号 試行錯誤の実験場 | 北海道屯田倶楽部
   地区別の歴史 | 西区役所

東西線東部エリア

菊水~新さっぽろの区間です。白石区と厚別区を通っており、病院や工業施設など大きな施設が多くみられます。
東西線東部エリアの主な駅として以下のものが挙げられます。

・白石
白石区の駅で、白石区役所も直結している区内の中心的な駅です。大きな通りの交点にあり、多くの人や自動車が行き交います。JRの白石駅も存在しますが、両駅の間は離れているため注意しましょう。

主なスポット:アサヒビール北海道工場・川下公園

・南郷7丁目
白石区の駅で、札幌市営地下鉄としては唯一3つのホームが設けられています。中央のホームは基本的に始発列車以外使用しません。駅の近くを長いサイクリングロードが通っており、春には美しい桜並木を楽しめます。

主なスポット:札幌市民防災センター・白石こころーど

・新さっぽろ
厚別区の駅で、東西線の東の終端駅です。さっぽろ駅と同じく、JRの新札幌駅と区別するためにひらがな表記されています。札幌の副都心として開発された地域で、周辺には大型商業施設やマンションなどが多数存在します。

主なスポット:札幌市青少年科学館・新さっぽろサンピアザ水族館・北海道博物館

東豊線北部エリア

北13条東~栄町の区間です。すべての駅が東区内にあり、大きめの商業施設が複数集まる暮らしやすい地域です。
東豊線北部エリアの主な駅として以下のものが挙げられます。

・東区役所前
付近の東区役所から駅名がついている東区の中心的な駅です。「光星」とも呼ばれる地域で、周辺のさまざまな施設に名前が付けられています。JRの苗穂駅周辺にある施設も利用可能です。

主なスポット:サッポロビール博物館・北海道鉄道技術館

・環状通東
東区内で最も東に設けられている駅です。幕末から開拓が進められた地域で、札幌市より早くに「札幌村」として成立していました。駅にはバスターミナルが併設されており、東区内各所へと向かうバスを利用できます。

主なスポット:サッポロさとらんど・モエレ沼公園

・栄町
東豊線の北の終端駅で、多方面に向かうバスも利用できます。麻生駅やJRの百合が原駅などに行けるほか、付近の丘珠空港から空路での移動も可能です。さまざまなイベントが開催される「つどーむ」の最寄り駅でもあります。

主なスポット:つどーむ・百合が原公園

参照:東区歴史年表 | 東区役所

東豊線南部エリア

学園前~福住の区間です。すべての駅が豊平区内にあり、学校・公園・スポーツ施設など幅広い施設が集まります。
東豊線南部エリアの主な駅として以下のものが挙げられます。

・豊平公園
付近にある豊平公園が由来の駅です。林業試験場の跡地を活用した自然豊かな公園で、隣にある総合体育センター「きたえーる」にも駅から直接入れます。周辺は住宅街ながら、きたえーるでのイベントで賑わう日も多くみられます。

主なスポット:豊平公園・北海道立総合体育センター

・月寒中央
「月寒通り」とも呼ばれる国道36号線に設けられた駅です。明治時代に陸軍の駐屯地が置かれていた地域で、演習場跡地を利用した月寒公園や軍民共同で作られたアンパン道路など歴史を感じられます。

主なスポット:月寒公園・つきさっぷ郷土資料館

・福住
東豊線の南の終端駅で、バスターミナルから豊平区内・清田区・北広島市などに向かうバスにも乗れます。札幌ドームや羊ヶ丘展望台など有名な施設の最寄り駅でもあり、通勤・通学や観光など多くの目的で利用されます。

主なスポット:札幌ドーム・さっぽろ羊ヶ丘展望台

参照:豊平公園公式サイト
   公園について | 月寒公園公式サイト
   アンパン道路ルートのご紹介 | 豊平区役所

まとめ

札幌市営地下鉄の概要や、主な駅・周辺スポットなどを紹介しました。札幌市内の各所を結ぶ地下鉄は市内の非常に重要な交通ルートで、毎日多くの人々がさまざまな目的で利用しています。特に雪が降る冬は地上の交通ルートを使用しづらくなるため、天候にかかわらず安定して利用できる地下鉄が欠かせません。
現在の札幌市営地下鉄は手稲区・清田区の2区を通っていませんが、両区にも地下鉄路線を延伸する計画・要望が上がっています。財政や経済状況などの問題もありますが、地下鉄の延伸が実現すればさらに便利になるでしょう。地下鉄を使い日常生活を送りながら、将来の展望にも思いを馳せてみてください。