統合失調症の症状ってどんなもの?原因や治療法についても解説

統合失調症の症状は幻覚や妄想だけではなく、他にもあることを知っていますか?この記事では、統合失調症の症状や経過をはじめ、原因・治療法などについても解説します。
※筆者は医師ではありません。この記事はインターネット上で筆者が調べたものを筆者の言葉で執筆している物なので必ずしも正しいとは限りません。統合失調症について分からないことがある場合は、必ず医師に相談するようにしてください。
統合失調症とは何か?その定義や症状・経過について解説
統合失調症とは一体どんな病気なのでしょうか。ここでは、その定義や症状、経過について分かりやすく解説します。
統合失調症の定義
統合失調症の定義を調べてみると、MEDLEYでは次のように説明されていました。
「自分の考えや気持ちがまとまらない状態」が続く病気です。思春期から中年までに起こりやすく、約0.7%の人が生涯に発症するとされます。
引用:統合失調症 – 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
統合失調症の症状
統合失調症の症状は幻覚・妄想がよく知られているところですが、実は他にもあります。統合失調症の症状について詳しく説明していきます。
統合失調症の症状は大きく分けて3つあります。
【陽性症状】
陽性症状とは、健康な時には無かった状態が表れることを言います。幻覚や妄想は陽性症状の部類に入ると言えます。
例えば幻覚では幻聴が多く、暴言や命令、自分が監視されているような声が聞こえるケースがあるようです。妄想では「誰かに狙われている」「自分の思っていることが周囲に伝わっている」「自分は何でもできる」などと考えてしまうようです。
このようなことから、被害妄想をしてしまったり、会話に一貫性が無くなったりと、周囲に理解されないような行動をとってしまうことが多いようです。
【陰性症状】
陰性症状とは、健康な時にあったものが失われることを言います。例えば、次のような症状です。
- 抑うつ
- 無関心
- 意欲の低下
- 倦怠感
これらの症状はうつ病のそれと似ているため、陽性症状が目立たない場合うつ病との鑑別が難しくなるケースもあるそうです。
【認知機能障害】
認知機能障害とは、記憶力・注意力・判断力などの機能が低下し物事をうまく処理できなくなることを指します。例えば、「目の前のことに集中できない」「他人に指示されたとおりに物事をこなせない」などといったケースがあるようです。そうなると、学業や仕事、人間関係などに多大なる影響が出ることになります。
統合失調症の代表的な症状である幻覚や妄想。これらの症状がたとえ見られなくても、患者さんは陰性症状や認知機能障害で苦しんでいる場合があります。このことを含め、統合失調症の患者さんには様々な角度での配慮が必要だということが言えます。
参照:
統合失調症について | メディカルノート (medicalnote.jp)
統合失調症|こころの情報サイト (ncnp.go.jp)
統合失調症はどんな病気?原因やなりやすい人の特徴、治療について | 【公式】新宿うるおいこころのクリニック (uruoi-clinic.jp)
統合失調症の経過
統合失調症の症状の経過は、4つの時期に分類されます。
【前兆期】
統合失調症では前兆期と言って、下記のような症状が現れる時期があります。
- 不眠
- 不安
- 神経過敏
- 身体症状
これらの症状は、統合失調症特有の幻覚や妄想などの症状が現れる前に見られるそうです。この時はまだ統合失調症と診断されず、本人や周囲の人も病気とは気づいていない場合が多いです。
【急性期】
急性期では、統合失調症の代表的な症状である「陽性症状」と「陰性症状」が現れます。最初に陽性症状が見られ、その後陰性症状が目立ってくることが多いようです。被害妄想などの陽性症状により人間関係に悪影響を及ぼし、日常生活に支障が出てしまうことが多いです。
【回復期】
回復期では、徐々に病状が回復していきます。リハビリを進めるのがこの時期です。しかし回復はするものの、現実がはっきり見えるようになることで自分が急性期にしてしまった失敗に気づき、それが大きなストレスになります。回復期では陽性症状が減少していき陰性症状が残ることが多いようです。
【安定期・慢性期】
安定期・慢性期では、治療を受けることで安定した生活を送れるようになることが多いものの、陰性症状などが残るケースもあります。いずれにしても、長期的な薬の服用は欠かせません。
統合失調症の経過について見てきました。4つの時期はそれぞれ病状が異なるため、注意しなければならないことや治療のアプローチの仕方が変わってくるということに注意が必要です。
参照:
統合失調症とは?|国立国際医療研究センター病院 (ncgm.go.jp)
統合失調症とは?-幻覚・妄想だけでなく多彩な症状をあらわす病気 | メディカルノート (medicalnote.jp)
統合失調症はどんな病気?原因やなりやすい人の特徴、治療について | 【公式】新宿うるおいこころのクリニック (uruoi-clinic.jp)
統合失調症はどういう経過をたどるの?統合失調症の症状経過と予後 | 医者と学ぶ「心と体のサプリ」 (mentalsupli.com)
統合失調症はどうして発症するの?考えられる原因はこれ
統合失調症はどうして発症するのでしょうか。ここでは、統合失調症が発症する要因について考えられることをまとめています。重要なのが、統合失調症が発症する原因は一つではないということです。複数の要因が複雑に絡み合って発症に至るのではないかと考えられています。
遺伝
統合失調症になるかどうかは遺伝による影響が大きいと言われています。例えば親が統合失調症である場合、自分が統合失調症になる可能性はある程度高くなります。しかし、親が統合失調症でもその後の環境要因によっては必ず発症するとは言い切れません。つまり、遺伝子が全てを決定するわけではないということです。
環境
統合失調症の発症に関しては、環境要因の影響も大きいと考えられています。例えば、胎児期に母体が栄養失調になったりインフルエンザ感染などを受けたりした場合、発症リスクが増加したとの報告があったそうです。また、転校・転居・親の離婚などの生活環境の変化や、入学・入社・結婚などのライフイベントがストレスとなって統合失調症の発症の要因となることがあります。
脳構造の異常
統合失調症と脳構造の異常に何らかの関連がある可能性もあります。例えば、視床の異常により、本来なら適切な質と量の感覚刺激だけを大脳に届ける働きが阻害されて過度の刺激が大脳に伝わり、統合失調症の症状が出てくるという仮説があるそうです。
ドパミンの異常
脳内の伝達物質の異常も統合失調症の原因の一つです。その中でも影響が大きいのがドパミンと考えられています。ドパミンが過剰に分泌されたり欠乏したりすると陽性症状や陰性症状が起こると言われているため、統合失調症の治療ではドパミンの調整を行います。ただ、どうしてドパミンの異常が見られるのかはよくわかっていないそうです。
参照:
統合失調症はどうして起こるの?統合失調症の4つの原因 | 医者と学ぶ「心と体のサプリ」 (mentalsupli.com)
統合失調症に関連する分子の「質」:遺伝子・環境因子からタンパク質まで(jst.go.jp)
統合失調症の治療法!薬物療法に加えて重要なこととは?
統合失調症の治療法にはどんなものがあるでしょうか。実は、薬物療法の他にも治療法があり、それらは基本的に薬物療法とセットで行うものです。ここでは、統合失調症の治療法について解説していきます。
生物学的治療
生物学的治療とは薬物療法のことであり、主に抗精神病薬によって統合失調症の中心となる症状を抑えます。補助的に、抗不安薬や睡眠薬・抗うつ薬・気分安定薬などが使われることもあります。
長期的に薬を服用して、もし症状が良くなったと感じたとしても自己判断で薬の服用を止めたり減らしたりしてはいけません。自己判断で服用を止めたり減らしたりしてしまうと、病気の再発の可能性を高めてしまうからです。
心理社会的な治療
心理社会的な治療とは、患者さんがより良い生活を送れるようになるために必要な治療のことです。薬物療法により陽性症状は改善しやすい一方で、陰性症状や認知機能障害を改善することは難しいことから、心理社会的な治療を行う必要があるそうです。
心理社会的な治療には、例えば次のようなものがあります。
まず、「支持的精神療法」「認知行動療法」「集団精神療法」のような「精神療法」。次に、患者さんや家族が統合失調症についての理解を深めつつ治療法や対処方法を学ぶ「心理教育」。そして、軽作業などを通して職業的技能を養い、生きがいを見出す「作業療法」。
これらの治療は、患者さんの症状や生活の状態に応じて調整されます。
生物学的治療も、心理社会的な治療も、どちらも重要な治療でありどちらも欠けてはいけないものです。医師と相談しながら、治療を組み合わせて行っていく必要があります。
参照:
統合失調症|こころの情報サイト (ncnp.go.jp)
心理社会的療法 | 統合失調症の治療方法 | これから診断・治療へと進む患者さん | 統合失調症ナビ (mental-navi.net)
統合失調症を正しく理解して少しでも偏見を減らしていこう
統合失調症について解説してきました。主に陽性症状を中心とする統合失調症の特徴的な症状から、周りからはなかなか理解されにくいことが多いです。しかし、幻覚や被害妄想などの症状は「病気がそうさせている」ということを理解する必要があります。そして、一番辛いのは病気に苦しんでいる患者さん本人だということを忘れてはいけません。統合失調症を正しく理解し、病気への偏見を少しでも減らしていきましょう。
※筆者は医師ではありません。この記事はインターネット上で筆者が調べたものを筆者の言葉で執筆している物なので必ずしも正しいとは限りません。統合失調症について分からないことがある場合は、必ず医師に相談するようにしてください。
精神面の病気についての記事は他にもあります。他の病気についても知りたい場合は、テーマごとに記事を一覧にしているこちらのまとめ記事をご覧ください。