疲れがとれないのは眠りが浅いから?原因や対処法を紹介

疲れがとれないのは眠りが浅いから?原因や対処法を紹介

最近いくら寝ても疲れがとれない、と悩んでいる人へ。
睡眠と疲労回復は密接な関係にあります。よく眠れると、体の回復を促す成長ホルモンがたくさん分泌されます。その結果、代謝がよくなり、老廃物を排出しやすくなります。
脳も休まるので自律神経の働きが整い、ストレスを受けている状態から回復しやすくなります。このように、睡眠は疲労を回復させる効果があるので、人間にとって非常に重要であると言えます。
それでは、いくら寝ても疲れがとれない、というのはどうしてなのでしょうか。睡眠は量より質と言われるように、疲れがとれないのはあなたの睡眠の質が悪いからかもしれません。
この記事では、睡眠の質が悪く、眠りが浅くなってしまう原因や、よく眠れるための習慣などについて分かりやすくお伝えします。

眠りが浅い原因はこれ!確認してよい眠りにつなげよう

眠りが浅い原因にはどんなものがあるのでしょうか。そもそも、眠りが浅い状態というのは、睡眠時間の中でレム睡眠の時間が長くノンレム睡眠の時間が短い状態であると言えます。
レム睡眠というのは、体は休まっているけれども脳が覚醒している状態のことを指します。ノンレム睡眠というのは、脳も体も両方熟睡している状態であるため、ノンレム睡眠が長ければ長いほど「よい眠り」と言うことができ、疲れも取れやすくなることが考えられます。
では、レム睡眠が長くなってしまう原因は何なのでしょうか。一つずつ説明していきます。

環境の変化や心配事などによるストレス

自分が置かれている状況が急に変化したり、心配事があって不安だったりと、人は毎日を過ごす中で多様なストレスを感じています。人がストレスを感じること自体はごく普通のことなのですが、過度なストレスを感じる状況が続くと、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうのです。
そのため、夜になったら本来は副交感神経が優位になって心身ともに休息をとる状態に導いてくれるのに、ストレスのせいで自律神経のバランスが乱れると、心身を緊張させる役割を持つ交感神経が優位になったまま寝つけない、という状況を引き起こします。結果レム睡眠が長くなって、睡眠の質が悪くなる原因にもなってしまうのです。

アルコールやカフェインの摂取

アルコールは寝つきがよくなるからと、寝る直前にお酒を飲む人もいるでしょう。確かにアルコールには体温を一時的に下げる働きがあるため、寝つきはよくなりますが、強い利尿作用があるのでしばらくすると尿意による中途覚醒が起きる可能性も高いのです。
一方で、カフェインは脳を覚醒させる働きがあることで有名です。そのため、摂りすぎるとレム睡眠が長くなる恐れがあります。夕方ならコーヒーを飲んでも大丈夫だろう、と思っても、カフェインの効果は4時間程度続くため、眠れなくなったり眠りが浅くなったりする恐れがあります。できれば15:00以降はカフェインを摂らないことをおすすめします。

体内時計の乱れ

体内時計とは、本来人の体に備わっている、生体リズムを調整する機能のことです。
体内時計のおかげで、特に意識しなくても昼間は心身が活動状態に、夜は休息状態になって眠くなるため、体内時計は睡眠と深く関わっています。
夜更かしをはじめとする昼夜逆転の生活や運動不足、食事を抜くことなどが続くと、この体内時計のリズムが乱れ、不眠の原因になり得るのです。

よく眠れるように実践しよう!眠りが浅い人が試したい習慣

眠りが浅くなる原因が分かったところで、次は眠りが浅い人におすすめの習慣をご紹介していきます。その人によって体質や生活習慣の状況などに違いがあるため、これをやれば絶対に睡眠の質が良くなる!と約束できるようなものではありませんが、試してみる価値ありです。

朝の光を浴びる

まず朝起きてすぐ、カーテンを開けましょう。太陽の光を浴びることで、体内時計に「朝が来た」と認識させることができ、それによってメラトニンという睡眠ホルモンが14〜16時間後に分泌されます。メラトニンが分泌されると自然に眠くなるため、スムーズに眠りにつくことができるでしょう。
朝の光のおかげで体内時計をリセットし、良いリズムを作り出すきっかけにできるので、朝起きた時にまず太陽の光を浴びるのを習慣にすることをおすすめします。

昼食後は短い昼寝を!

仕事や家事を1日頑張った結果、夕方以降に眠気が来てついつい寝てしまい、夜に眠れなくなったという経験はありませんか?それを防ぐために、昼食を食べた後は短い昼寝の時間をとることをおすすめします。
昼寝をすることで、睡眠のリズムがずれるのを防ぎ、夜の睡眠の質を上げるのをサポートする効果が期待できます。
ただ、横になって寝てしまうとついつい長く眠ってしまうので、座ったまま眠るようにして、時間は30分以内におさめるようにしましょう。

寝る前に強い光を浴びない

寝る前までテレビや部屋の照明が煌々とついている、という状態は睡眠にあまり良くありません。というのも、強い光を浴びると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が止まってしまうのです。
また、寝る前なのにスマホをいじりっぱなしというのも眠りにつくのを妨げてしまいます。寝る前や、トイレに起きた時にスマホをいじったり時刻を確認したりすることはやめましょう。

ベッドに入る2、3時間前に入浴する

人は体の内臓の温度が上がってその温度が再び下がっていくときに眠気を感じます。そのため、ベッドに入る2、3時間前に入浴し内臓を温めると、ベッドに入るころにはちょうど良く内臓の温度が下がり、寝つきを良くしたり眠りの質を上げたりするのに効果的です。
ただ、あまりお風呂の温度が高いとかえって興奮状態になって寝られなくなってしまうため、40度前後のお湯につかるようにするのがおすすめです。

「入眠儀式」を取り入れる

寝る前にある決まった行動をすることでスムーズに睡眠へとつなげられるようにすることを「入眠儀式」と言います。「入眠儀式」というのは、例えば入浴した後好きな音楽を聴きながらストレッチをする、その後トイレに行ったらベッドに入る。これらの行動を毎日繰り返し行っていると、いつものように寝る前の決まった行動をしているだけで体がだんだん睡眠モードに切り替わり、寝つきやすくなるというものです。
自分がリラックスできる方法であれば何でも構わないので、自分だけの入眠儀式を作って毎日の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。

以上、よく眠れるための習慣についていくつかご紹介しました。どれも簡単にできるものばかりなので、眠りが浅くて困っている人はぜひ毎日の習慣として取り入れてみてください。

寝つけない時はどうする?おすすめの対処法はこれ!

ベッドに入って約25分以内に眠りにつくのが理想だと一般的には言われていますが、なかなか寝つけない時ってありますよね。ここでは、夜、なかなか眠れない時にどうしたらいいのか、その対処法について解説していきます。

焦らない・不安にならない

なかなか寝つけない時には、自分が一人だけ真っ暗な世界に取り残されたようで寂しくて怖いような気持ちになりますよね。しかし、眠れないことについて焦ったり不安になっていたりすると焦る気持ちがエスカレートしてますます眠れなくなってしまいます。
ここは思い切って、「一晩眠れなくても問題ないじゃないか、大丈夫!」と開き直ることをおすすめします。おもしろいもので、そんな風に力が抜けた瞬間にこそ眠りというのは訪れるものなのです。

温かい飲み物を飲む

眠れなくてベッドの中で不安になっている時間があまりにも続くようなら、いっそのことベッドから出てキッチンに行き、何か温かい飲み物を飲むのもいいでしょう。特に、ホットミルクには交感神経を抑制する効果があり、リラックスできておすすめです。また、ハーブティーも香りがよく安眠効果のある成分が含まれるものも多いので、ホットミルクのようにカロリーが高めのものを避けたい場合でもおすすめできます。

アロマテラピーで香りを楽しむ

アロマテラピーも眠れない時におすすめです。わざわざアロマポットと火を使わなくても、マグカップに水を入れて2分ほど温め、精油をお湯に2滴垂らすだけでお湯が冷めるまで香りが楽しめます。眠れない時におすすめの香りは、リラックスできるカモミール、ラベンダー、ゼラニウムなど。自分に合った香りはどれがいいのか、お店でセレクトするのも楽しいですね。

リラックスできる音楽を聴く

眠れないからと言ってテレビを見たり、スマホやパソコンをいじったりするのは強い光を浴びてしまうので前述したとおりやめた方がいいです。それよりは、自分がリラックスできる音楽を聴いて心を落ち着けるのはいかがでしょうか。例えば、ピアノやオルゴールなどの音色のヒーリング音楽は、眠気を誘うのでおすすめです。あまりボリュームを上げず、静かに音楽を楽しむようにしましょう。

体調管理に欠かせない睡眠を大切にした日常生活を!

眠りが浅い原因や、よく眠れるようになるための習慣、寝つけない時の対処法について解説してきました。どんなに疲れていても、よく眠れた次の日は疲れが取れてリフレッシュできたという経験は誰しもあることでしょう。睡眠は、人が体調管理をする上でとても大事な要素であることが言えます。毎日質の良い睡眠をとれるように、この記事で解説したことをぜひ参考にしてみてください。