春はなぜ精神的に不安定になる?原因や予防策について解説!

春はなぜ精神的に不安定になる?原因や予防策について解説!

季節の変わり目であるだけでなく年度始めでもある4月。4月の終わり~4月にかけては大型連休があり、その後五月病に悩まされる人も多いです。このように、春はいろいろなことが「変化」する時期。それに伴い、精神的に不安定になってつらい思いをする人が多く見受けられます。でも、せっかく気候的にも気持ちがよい春なのに、メンタルの調子が悪い状態が続いていたらもったいないですよね。この記事では、春にメンタルの調子が悪くなる原因や、心身ともに健やかに春を楽しく過ごすコツについてお伝えしていきます。

春はなぜメンタルの調子が悪くなる?簡潔にまとめてみた

3月~4月あたりの季節のことを、「木の芽どき(このめどき)」と呼ぶことがあります。「木の芽どき」とは春が近づき緑の新芽がだんだんと見られるようになる時季のことを指しますが、そのポジティブなイメージとは裏腹にこの時季になると心身に不調を感じる人が多くなります。そのため、この不調のことを「木の芽どき病」と呼ぶ人もいるようです。
また、4月末から5月最初のゴールデンウィーク後に「五月病」になる学生や新入社員も多くいます。
このように、日本では春になるとメンタルの調子が悪くなる人が多いのはなぜなのでしょうか。ここではその原因について分かりやすくまとめてみました。

気候の変化が激しいため

春が近くなると、三寒四温とはよく言ったもので、寒い日が3日くらい続くとその後に4日ほど暖かい日が来るという気温差の激しい気候になってきます。季節の変わり目なので、気圧や湿度などの変化も大きいです。これは四季のはっきりしている日本に特有の現象であると言えます。
これらに適応するために、人の身体は大忙し。体温機能を調節する自律神経が常に働いていて、緊張している状態が続きます。そして実は、この自律神経は感情を司る役割も兼ねているので、結果、気候の変化が激しいと心も身体も十分にリラックスすることができないのです。
そうすると、自律神経のバランスが崩れ、メンタルの調子が悪くなりやすいというわけです。
精神的に不安定になることと気候は一見何の関係もないことのように思われますが、実は密接な関わりがあるのですね。

生活環境が変化するため

春は卒業、入学、就職など人生においての一大イベントが集中しやすい時季です。それに伴い、引っ越しをして新生活を始めたり、仕事では新たな部署に異動になったり、学校や職場で新たなメンバーとの出会いがあったりと、自分の生活環境がガラッと変わる人も少なくないのではないでしょうか。また、自分の生活環境に直接は影響がない人でも、家族の生活環境が変わることによって間接的に自分の生活環境が変化する人もいます。例えば、子どもが高校に進学したことによりお弁当が必要になり、毎朝お弁当を用意しなければならなくなったというケースです。
このように自分や家族が新生活を迎えると仕事や勉強、時には家事の内容も変化するので、緊張と不安の中慣れるまでの時間を頑張って過ごすのはきっと大変なことです。そんな中では心身ともにリラックスするのはなかなか難しく、だんだん疲れが溜まってきてしまいます。結果、身体的にも精神的にも不調になりやすくなってしまうのです。
「五月病」になる原因も、このような「生活環境の変化」にあると言えます。4月に新しい環境に慣れようと必死で努力して、4月の末~5月に迎える大型連休で心が休まるものの、連休の終わりごろに「会社に行きたくない」といった心境になり、五月病を引き起こしてしまうといったケースが多いのです。こうしてみると、非常に共感できる事柄であり、五月病になってしまう人が多いというのもうなずけます。

春にメンタルの調子が悪くなる原因について解説してきました。春は、気候の面でも生活環境の面でも変化が非常に大きい時季なので、それが原因でメンタルの調子が悪くなってしまいやすいようです。人は新しい環境に適応しようとついつい頑張ってしまうものですが、頑張りすぎるとエネルギー切れを起こしたり調子が悪くなったりして、かえって周りに迷惑をかけることになりかねません。では、春に精神的に不安定になるのを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。次から具体的に見ていきましょう。

春に精神的に不安定になるのを防ぐには?予防策を紹介

春にメンタルの調子が悪くなるのを防ぐにはどうしたらいいか、予防策をいくつかご紹介していきます。
まず、メンタルの部分だけをどうにかしようと思ってもうまくいきません。心身一体という言葉があるように、心と身体は一体のものなので切り離して考えることができないからです。心を変えれば身体が変わり、身体を変えれば心が変わります。そのため、メンタルを整えるには心と身体の両方をケアすることが大切になってきます。

メリハリをつけて規則正しい毎日を過ごす

まず、睡眠を十分とれるようにしましょう。決まった時間に起きる・寝る、そして早寝早起きを心がけるだけでなく、朝起きたらまずカーテンを開けて太陽の光をたっぷりと浴びて下さい。太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、その日の夜に睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されるため眠りにつきやすくなります。そのため、1日の良いリズムを作り出すことができるのでおすすめです。また、寝る前にはリラックスできるようにアロマオイルで足などをマッサージしたり、目元や首元を温めたり、ハーブティーを飲んだりすると、寝つきやすくなります。
日中は、ウォーキング、ストレッチなどをして体を動かすと良いです。長時間続けると疲れてしまって次の日に運動するのが嫌になってしまうので、短時間で切り上げるようにするのがコツです。適度な運動を毎日に取り入れると、身体に良いだけでなくストレスも発散されます。
食事も、1日3回きちんと摂るようにしましょう。おすすめは幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やすのに役立つ食べ物です。セロトニンには、自律神経のバランスを整え、メンタルを安定させる働きがあります。豆腐、納豆、味噌などの大豆製品や、くるみ、アーモンドなどのナッツ類、バナナ、マグロやカツオなどの赤身魚、チーズや牛乳などの乳製品には人が脳内でセロトニンを作る原料となるトリプトファンが多く含まれているので、これらを食べることで脳内でのセロトニンの増加が期待できるのです。
食事、運動、睡眠を大切にすることは身体を大切にすることと同義です。これらのことを毎日繰り返し行っていると、身体が整うのと同時に精神も安定します。春だから、環境が変わったからと焦らずに、いつもと同じ規則正しい生活を当たり前に淡々と続けていくのが大切なのです。

服装で体温調節をしていつでも快適に!

前述したように、春は気温差が激しいです。急な気温の変化に対応するために、前あきのシャツやカーディガンを積極的に着用しましょう。重ね着をしておけば暑ければ脱ぐ、寒ければ着ることができ、うまく体温調節をすることが可能です。
また、薄手のストールをカバンにしのばせておけば、冷房の効いた室内や夜など寒いと感じた時にサッと羽織ることができておすすめです。

新しいことを始めない

春は習い事などの広告が増えるだけでなく、何だか気分がソワソワ、ワクワクするので、心機一転新しいことを始めたくなってしまう人も多いはず。
しかし、忘れないでいただきたいのが春というのはもともと変化の多い時季だということ。黙っていても訪れる様々な変化に適応していかなければならないのに、これ以上自分からわざわざ変化を作り出す必要はありません。
大切なのは、いつもと同じことをいつも通りに行い、心穏やかに毎日を過ごすことです。新しいことを始めるのは、春のたくさんの「変化」がひと段落し、心が落ち着いてからでも遅くはないのではないでしょうか。

欲張って予定をパンパンに詰め込まない

春はお花見などの楽しい予定が増えがちです。しかし、いくら楽しくてもそれは環境の変化であり、欲張って連日アクティブに動き回っていると疲れてしまいます。春にメンタルが不調になりやすい人は休日を予定でパンパンにすることはやめ、適度に休息する時間を作りましょう。好きな音楽を聴いたり、のんびり散歩をしたり、カフェでお茶を飲みながら読書をしたりと、自由にゆったり時間を過ごすことによって心に余裕が生まれ、自律神経が整って前向きになれるのでおすすめです。

悩んでいることを「言語化」する

もし今悩んでいることがあったら、家族や友人など信頼できる人に、今自分が置かれている状況や自分が感じている気持ち、理不尽な出来事に関する愚痴など、自分の中でモヤモヤしているものを言葉にして吐き出すのも精神衛生上、大切なことです。誰かに話すことでストレスが発散され、気持ちをリセットさせることができます。モヤモヤは溜め込まないで、吐き出す。これが大事です。
自分の頭の中にある考えを形にする、言葉にすることを「言語化」と言いますが、くよくよ悩んでいることも言語化すると実は大したことなかったり、言葉にして伝えることで誰かが思わぬアドバイスをくれたりと、言語化はメリットが大きくやってみて損はない方法です。
もし話す人がいなかったら、悩みをノートに書いてみるのも良いでしょう。紙に書くことで自分の中で考えが整理されるので、頭がスッキリします。手帳に書けば、後で見返したときに「なんでこんなことで悩んでたんだろう」と笑いにできるかもしれませんね。

せっかくの春!メンタルの調子を整えて楽しく過ごそう

春に精神的に不安定になる原因や予防策について解説してきました。春というのは本来なら、花が咲き始め、気候も冬と違って暖かく、たくさんの出会いもあり、楽しい季節のはずなのです。環境の変化についていこうとして頑張りすぎてメンタルが不調になってしまっては、あまりにももったいないです。何事もほどほどに、というスタンスを忘れずに、時には休みながら、メンタルの調子を整えて楽しい春を過ごしましょう。