ストレスが溜まるとどのような影響がある?発散する方法と一緒に紹介!

ストレスが溜まるとどのような影響がある?発散する方法と一緒に紹介!

多くの人は日常生活を送っていると、さまざまな場面でストレスを感じます。「風邪は万病のもと」と言われますが、ストレスもさまざまな病気につながりうるため注意しなくてはなりません。ストレスは溜まりすぎると身体面や精神面など多くの範囲に悪影響を生じさせるため、可能な限り発散して溜めない工夫が必要です。
この記事ではストレスによる影響や溜まる原因、発散方法などを紹介します。

ストレスとは

ストレスとは外部からの刺激によって体の内部に生じた反応のことです。もともとは物理学用語で、ある物体が外側からかけられた圧力によって歪んだ状態を指します。外部からの刺激は「ストレッサー」と呼ばれており、ストレッサーに適応すべく心身が起こす反応を「ストレス反応」と呼びます。一般的に用いられる「ストレス」という言葉は、ストレッサーとストレス反応をまとめたものです。
ストレッサーには物理的なものや生理的なもの、心理・社会的なものなどがあります。人間に大きな影響を及ぼすストレッサーは心理・社会的なものが多く、主に人間関係や家庭・職場などの環境がストレッサーになりえます。

ストレスによる影響

ストレスが溜まりすぎると、身体面・心理面・行動面にさまざまな悪影響が発生します。いずれも状況次第では命の危機につながりうる深刻なもので、ある面から別の面へと影響が連鎖する可能性もあります。溜まりすぎたストレスが発生させる悪影響を把握しておき、被害の早期発見や改善に役立てましょう。

身体面への影響

ストレスが溜まると、身体の各所に痛みが生じたり消化器の機能が低下したりします。頭痛や腰痛、食欲低下や便秘など非常に幅広い症状が生じえます。疲れ目・動悸・食欲不振などもストレスが原因で発生しうるため、「病気を疑ったら原因はストレスだった」というケースが珍しくありません。
ストレスが原因で病気を発症する可能性もあります。消化性潰瘍・過敏性腸症候群・甲状腺機能亢進症などが主な病気で、ほかの原因とあわせてストレスによる発症の可能性も考慮しなくてはなりません。ストレス以外の原因で発症した病気がストレスにより悪化する、というパターンも発生しえます。

心理面への影響

ストレスは人の心理面に大きな影響を及ぼします。不安感が増したりひどく落ち込んだりするほか、無気力状態や不眠などにもつながります。ストレスによる心理的な病気の代表例としてうつ病が挙げられます。「不安を感じる」「やる気が出ない」「死にたい」など、精神的な乱れからさまざまな異常が発生する病気です。
ストレスによって心理面に悪影響が生じると、人間関係の悪化や悲観的な思考・行動などを招きやすくなります。人間関係や行動などがさらなるストレスを発生させる可能性も高く、悪影響が増大していく悪循環を招きかねません。

行動面への影響

ストレスによって人の行動が変化するケースも多くみられます。飲酒・喫煙の量が増えたり暴力的になったりと、本人だけでなく周囲への被害も発生しやすくなります。コミュニケーションの減少や、重大な事故・災害の原因となりうる「ヒヤリハット」の増加にも要注意です。ストレスが溜まっていると、日々の仕事でも深刻な問題が起こりかねません。
飲酒や喫煙は身体面にも悪影響を及ぼすため、ストレスによる行動面への影響が身体面の影響につながる可能性もあります。多方面でのリスクを抱えないように、行動面の変化には注意しましょう。

ストレスが溜まる主な原因

ストレスはさまざまな要因で溜まっていくもので、大きな原因として健康問題や人間関係などがあてはまります。特に健康問題は大きなストレッサーとなる要素で、内閣府の調査では高齢者の14.8%がストレスの原因として挙げていました。生活環境の変化も多くのストレスを発生させます。入学や結婚など明るいイベントでも、環境変化をともなうためストレッサーになりうる要素です。
病気・睡眠不足・暑さなどの身体的な刺激によってもストレスが溜まります。溜まったストレスは身体への悪影響を発生させるため、ストレスと悪影響が互いに増加させあう悪循環を招く恐れもあります。ストレスによる悪影響を防ぐためにも、身近なストレス発生要因を積極的に探して可能な限り除去・軽減しましょう。

ストレスを発散する方法

ストレスは溜まりすぎると心身にさまざまな悪影響を生じさせるため、積極的に発散させていく必要があります。ストレス発散には多くの方法がありますが、自分に適している方法の選択が重要です。適さない方法を無理に試しても逆にストレスを溜めるため、自分が好きなことや無理なく行えることを考えて選びましょう。この章では主なストレス発散方法を紹介します。

体を動かす

多くの場合、ストレス発散には軽い運動が役立ちます。特に「デスクワークで長時間椅子に座ったまま」という場合、体をほぐすためにも運動が重要です。運動して心身をリフレッシュさせれば、気分転換できて夜もぐっすりと眠れるでしょう。
ストレス発散目的で運動する場合、激しく運動しすぎないように注意が必要です。運動しすぎると体に疲労が残るため、運動後や翌日などの活動に支障をきたします。1日20分程度を目安として、ランニングやサイクリングなどの有酸素運動を行いましょう。体が温まり汗ばむ程度を目安にすると効果的です。椅子から離れられない場合はストレッチをするだけでも有効です。

睡眠をとる

ストレス発散のためには良質な睡眠が有効です。リラックスして睡眠をとると交感神経が沈静化されて、溜まっていたストレスも発散されていきます。ゆっくりと眠って時間を空ければ、問題の解決策がすぐに思い浮かぶかもしれません。ストレスの根本を解決するためにも、睡眠による脳内のリフレッシュは重要です。
良質な睡眠をとるためには就寝前からの行動が大切です。カフェインやアルコールなどを摂取すると眠りが浅くなり、しっかりと睡眠をとれません。テレビやスマートフォンなどの画面から発せられるブルーライトも脳を覚醒させるため、就寝前には見すぎないようにしましょう。起床後もポイントです。日光を浴びて朝食をとれば、脳がしっかりと目覚めてすっきり起きられます。

深呼吸する

どこでもすぐに実施できるストレス発散方法として深呼吸が挙げられます。深く呼吸すれば副交感神経が優位になるため、心身をリラックスさせられます。背筋を伸ばしてお腹に軽く手を当てて、ゆっくり息を吐きましょう。吐き終わったら鼻から息を吸い込みます。何度か繰り返せば、気持ちを落ち着かせられます。
深呼吸だけでなく大声を出す方法も有効です。大きな声を出せば深く息を吸ったり吐いたりできるため、おのずと深呼吸の実施につながります。騒音や叫ぶ内容によるトラブルなどに注意しつつ、思い切り叫んでみてください。山を登って山頂で叫べば、森林浴や運動などもあわさってストレス発散に大きな効果が期待できます。山だけでなく、海に向かって叫ぶ方法も有効でしょう。

五感を働かせる

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を積極的に働かせると、ストレス発散が期待できます。五感のそれぞれに効果を期待しやすいストレス発散方法があるため、自分に最適なものを選択できます。感覚ごとの主なストレス発散方法として以下のものが挙げられます。

  • 視覚:本を読む・映画を観る・旅行に行く
  • 聴覚:音楽を聴く・歌を歌う・会話する
  • 嗅覚:アロマを使う・お香を焚く
  • 味覚:甘いものを食べる・温かい飲み物を飲む
  • 触覚:ぬるめのお風呂に入る・温泉に入る

いずれのストレス発散方法を用いる際も、やりすぎに注意しましょう。特に味覚を刺激する方法の場合、食べ過ぎ・飲み過ぎがストレスの増加や病気などの原因にもなりえます。小休憩のタイミングで少しつまむ程度に抑えて、効果的にストレスを発散しましょう。栄養バランスの偏りにも要注意です。

楽しみを持つ

趣味や好きなことなど、楽しみにできるものを用意しておくとストレス発散に役立ちます。楽しいことに没頭できれば苦痛を感じずに心身をリフレッシュさせられて、溜まったストレスを効率的に発散できるでしょう。お金や時間がかかりすぎる趣味は日常的に楽しみづらいため、可能であれば安く手軽に楽しめるものがおすすめです。
「これといった趣味がない」という場合は、好物を食べたり気分転換グッズを使ったりする方法もあります。ケーキとコーヒーで一休みしたり手触りの良いおもちゃを握ったりすれば、ささやかでも楽しさを感じられてリフレッシュが可能です。仕事や家事など、自分にとってストレッサーになりうる要素と関係がない内容のものを選びましょう。

まとめ

ストレスによる影響や溜まる原因、発散方法などを紹介しました。ストレスを溜めすぎると多くの悪影響が発生して、悪影響によってさらにストレスが溜まっていきます。積極的にストレスを発散して、心身を健康に保ちましょう。
「ストレス社会」と呼ばれる現代では、日常生活のなかで多くのストレスを溜めやすい傾向があります。ストレスによる悪影響は自分だけでなく周囲の人にも及びます。身近な人に迷惑をかけないためにも、ストレスを発散して健康的な生活を送りましょう。