サステナブルな暮らしとは?この地球で暮らすためにできること

公開日:2024/10/18
サステナブルな暮らしとは?この地球で暮らすためにできること

サステナブルという言葉を近年よく耳にしますが、その言葉の意味は何でしょうか。この記事では、サステナブルな社会を生きていくために私たちができることについて解説しています。環境に優しいアクションを子どもたちとも共有できるように、楽しい環境教育の実践例もご紹介します。

サステナブルな暮らしの定義とその必要性を知る

サステナブルな暮らしとは何か

サステナブルとは、「持続可能な」という意味です。サステナブルな社会、サステナブルな暮らしという風に使います。それはどんなことかと言うと、地球全体で起きている様々なことに配慮し、今の地球のあり方をそのまま、あるいはもっと良くした状態で次世代につなぐことができるように暮らすやり方のことを指します。

サステナブルな暮らしはなぜ必要か

地球温暖化や大気汚染が進み、一部の動物の絶滅により生物多様性が壊れつつある地球。深刻な経済格差による貧困も無視できません。このままでは、この先の未来も私たちがずっと豊かな生活を続けていくことはできなくなってしまいます。
そこで、私たち一人一人に必要とされているのが「サステナブルな暮らし」です。2015年9月25日に国連総会にて採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標は非常にスケールが大きなものですが、それを達成するには私たち一人一人の小さな努力が不可欠なのです。小さな努力が集まって、大きな力になり、地球環境や世界中の人々を守ることにつながります。

参照:サステナブルな暮らしとは いますぐできる15の具体例 | ELEMINIST(エレミニスト)
   SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは? 17の目標ごとの説明、事実と数字 | 国連広報センター (unic.or.jp)

環境に優しい!サステナブルな暮らしで私たちができること

サステナブルな暮らしで私たちができる一つ一つの行動は、決して大変でも困難なことでもありません。どれも、誰にでもできる簡単なことです。ここでは、サステナブルな暮らしでぜひ行いたい具体的なアクションについて解説していきます。

ゴミを少なくする(リデュース)

サステナブルな社会を作り上げるためには、ゴミを少なくすることがまず挙げられます。しかし、そもそもどうしてゴミを少なくする必要があるのでしょうか。まず、ゴミを焼却する時やゴミの運搬の時に多くのエネルギーを消費し、二酸化炭素も排出されるため地球温暖化が進んでしまいます。それから海では、人間によって捨てられたゴミのせいで海の生物たちが命を落とし、生態系に影響を及ぼしています。このような状況を打破するには、今から少しずつでもゴミを減らしていく必要があるのです。
ゴミを減らすことをリデュースと言い、3R(Reduce、Reuse、Recycleの3つのアクションの総称)のうちの一つとして掲げられています。リデュースはゴミの発生に着目して元からゴミを減らす考え方のため、3Rの中で優先度が一番高く設定されています。
ゴミを少なくするには、できるだけレジ袋やペットボトルなどのごみになり得るものを買わないようにすることが大切です。エコバッグや水筒を持参すれば、ゴミが出ないばかりか節約にもつながります。また、簡易包装の商品やなるべくプラスチックの容器・包装が使われていない商品を選び、ゴミを最初から出さないようにするよう心がけましょう。

参照:【特集】3R徹底宣言! | 特集 | ecojin(エコジン):環境省 (env.go.jp)

物を捨てずに繰り返し使う(リユース)

3Rのうちの一つであり、物を捨てずに繰り返し使うことをリユースと言います。リユースを実践することで結果的にゴミが減るので、こちらもリデュースと同じく重要な考え方です。
リユースの例としてまず挙げられるのが、フリーマーケットやリサイクルショップで売る・または買うことです。売る人にとっては不用品でも、誰かにとっては価値のあるものかもしれません。フリマアプリを利用するのもおすすめです。
また、古着屋で古着を買ったり、シャンプーの詰め替え用を買って容器をもう一度使ったりすることもリユースです。あとは、リユースの考え方とは少し違うかもしれませんが、図書館で本を借りることも結果的に廃棄する本が少なくなるため環境に優しいです。

資源として再利用する(リサイクル)

3Rのうちの一つであり、資源として再利用することをリサイクルと言います。ゴミになるはずだったものを何度も蘇らせ再利用するので、環境に優しい大切な考え方です。ただし、リサイクルするにはゴミの分別を徹底する必要があります。
例えば、ペットボトルの分別方法は有名ですが、あなたは知っていますか?ラベルをはがしてキャップと一緒にプラスチックごみへ捨て、ペットボトルは水ですすぎます。その後捨てるのですが、その際ペットボトルを小さく潰すかどうかは自治体によって違いがあるようです。特殊なのは醤油などが入っているペットボトル。キャップが外れなくて困ったことはありませんか?この場合、大きめのスプーンやフォークの柄をペットボトルの口に差し、てこの原理を使ってスプーンやフォークの反対側を押し下げると簡単にペットボトルからキャップを取り外すことが可能です。
リサイクルできるものを少しでも増やすために、ゴミの分別について見直してみてはいかがでしょうか。

交通手段を考える

二酸化炭素の排出量を考えると、車ではなく公共交通機関や自転車、徒歩で移動することも「サステナブルな暮らし」と言っていいでしょう。どこでも車を使って行こうとするのではなく、近所なら自転車や徒歩で移動するのも良いものです。自転車や徒歩は体を動かすので健康にも良く、一石二鳥でおすすめです。

電気や水を大切に使う

蛇口から出る水は多くの電力を使うことにより綺麗になっています。電気を作るためにはたくさんのエネルギーが必要で、作る過程で温室効果ガスが大量に排出されます。よって、水と電気は大切に使わなければなりません。節水のためには、小さなことですが蛇口の水を出しっぱなしにせず、こまめに止めながら使うことが大切です。節電のためには、エアコンの設定温度を控えめにすることや冷蔵庫に食べ物を詰め込みすぎないこと、部屋の照明やテレビのスイッチをこまめに切ることなどが重要です。電気や水を大切に使うことで環境に優しく暮らしましょう。

食品ロスをなくす

日本では食品ロスが問題になっています。食品ロスとは、食べられるにも関わらず捨てられてしまっている食べ物のことを指します。世界にはお腹いっぱい食べられず苦しむ人が多く存在しているというのに、非常にもったいないですよね。
食品ロスをなくすためには、次のようなアクションが考えられます。

・食材は必要な分だけ買う
食材を必要以上にたくさん買ってしまうと、使い切れなかったり使うのを忘れているうちに賞味期限が来てしまったりと食材の管理がしにくくなってしまいます。食品ロスを防ぐには、まず買いすぎないことを心がけましょう。

・食べ切れる分だけ調理する
料理を作りすぎてしまったから、あるいは食べ切れないから捨てるという考え方はやめましょう。そもそも食べ切れないほど調理してしまうことが問題です。食べ残しが出ないように調理する量を調整するようにしましょう。もし作りすぎてしまったら、盛り付ける前にタッパーに入れて冷凍するなどして工夫をすると良いです。

・フードドライブを利用する
フードドライブとは、個人が、食事に困っている人に食品を寄付する運動のことです。フードドライブの目的には「食糧支援」「食品ロス削減」の2つがあり、この2つの目的は両方ともサステナブルな社会とつながりがあると言えます。具体的には、個人が食品をスーパーなどの回収拠点に持ち込み、回収拠点は集まった食品を社会福祉協議会などに届けます。そこからさらに食事に困っている人に届けられる、という仕組みになっています。現在、スーパーやコンビニなどでフードドライブを実施しているところが多くあるため、近くの店でフードドライブの箱が置いていないかどうか見てみてください。

参照:食品ロスの原因と対策|政府・企業・個人の取り組み | SDGsコンパス (sdgs-compass.jp)
   フードドライブとは?目的や参加・実施手順、課題、取り組み事例を紹介:朝日新聞SDGs ACTION! (asahi.com)

地産地消

地産地消とは、国内の地域で生産されたものをその地域内で消費することを指します。その地域で生産された新鮮な食品が手に入るなどのメリットがある地産地消は、SDGsとも多くの関連性があります。地産地消を実践すれば、その地域だけで消費する分をまかなえれば良いので、土地や環境にそんなに負荷をかけなくて済みます。また、遠い場所にたくさんのエネルギーをかけて食物を運ぶ必要がないので、二酸化炭素の排出を抑えることも可能です。そして、地域経済の活性化につなげられる点も忘れてはいけないメリットです。地元の人が地元でお金を使うことによって、地域経済が回りだします。そうすると雇用も増え、地元がもっと住みよいまちになり、その地域から人が流出してしまうことも防げるかもしれません。

参照:地産地消のメリットとは? SDGsや6次産業との関連性を知ろう | ELEMINIST(エレミニスト)

シンプルライフの考え方を参考にする

シンプルライフの考え方は、実はサステナブルな暮らしと似ているところがあります。シンプルライフでは、無駄を省き、必要最小限の物だけで暮らすので、自然と余計な消費をしない習慣が身につきます。少ないけれど大好きな物を長く大切に使うことで、環境に優しい生活が自然と実践できているのです。サステナブルな暮らしが気になる人は、シンプルライフの考え方についてもぜひチェックしてみてください。→メリット多数!シンプルライフで叶う心地よい暮らしとは

子どもと一緒にやってみよう!環境教育のススメ

これまでサステナブルな暮らしについて解説してきましたが、サステナブルな暮らしを私たち一人一人ができるようになるためには、子どもの時からの環境教育が欠かせません。環境教育とは何かと言うと、「人が環境問題に興味を持ち、理解し、自主的に環境保全活動に取り組めるようになる」ための教育のことです。
ここでは、家庭でもできる環境教育について、「興味を持つ」「理解する」「行動する」の3段階に分けて解説していきます。

興味を持つ

子どもたちが自主的に環境保全活動に取り組めるようになるには、まず自然の中で思いっきり遊んで自然と触れ合い、その楽しさを、五感を使って体験することが大切です。自然の中で遊んでいるうちに、環境に対する関心が高まり生命の尊さを知る機会になったり、自然のことを理解しようとする気持ちになったりと、自然に対する意識が変わってくることが期待されます。自然の中で遊ぶとはどんなことかと言うと、例えば、家族でキャンプをしたり、落ち葉遊びや星空観察を楽しんだりすることが例として挙げられます。

参照:幼少期の自然体験がもたらす驚くべき教育効果! 「生きる力」はなぜ育つのか (kodomo-manabi-labo.net)

理解する

自然体験を重ねることにより環境に対する関心が高まった子どもは、今度は大好きな自然のことを理解しようとします。家庭では、子どもの興味に合わせて自然に関する絵本を読み聞かせたり環境学習支援施設などに一緒に出かけたりするのも子どもの理解を助けるのでおすすめできます。また、子どもが小学生なら、自然について本やインターネットで調べてノートや模造紙にまとめ、夏休みの自由研究として提出するというのも良いですね。

行動する

自然や環境について理解が深まったら、子どもでも大人と同じように「サステナブルな暮らし」を実践することが可能です。ゴミを少なくする3Rの取り組みや、食品ロスをなくすことなど、子どもと一緒に家族一丸となってトライしてみるのも面白いです。またいろいろな地域で、ゲーム感覚でできるゴミ拾いイベントや環境イベントが開催されているようなので、家族で申し込んで参加したら楽しいですね。

環境教育について解説しました。子どもたちが環境問題に対して「自分ごと」の意識を持ち、自分なりに行動に移していけるようになるには段階的な働きかけが必要です。どれも家庭でできることばかりなので、家族みんなで環境教育を楽しむことから始めましょう。

サステナブルな暮らしを実践して地球と仲良く生きる

サステナブルな暮らしを実践することは決して難しいことではありませんが、ちょっとした気の緩みからその暮らしが崩れてしまうこともよくあります。何事も続けることは難しいです。でも、この地球でずっと暮らし続けるためにはサステナブルな暮らしは必要なことです。少しのことの積み重ねが、地球に優しい世界を作ります。あなたも今日から、少しずつでもサステナブルな暮らしを始めてみませんか。

地球や自分に優しい暮らしについての記事は他にもあります。テーマごとに記事を一覧にした、こちらのまとめ記事もぜひ参考にしてみてください。