Webアプリとは?インストールがいらないアプリの特徴や例などを紹介!

公開日:2024/08/09
Webアプリとは?インストールがいらないアプリの特徴や例などを紹介!

現代では多くの人がパソコンやスマートフォンなどを用いて、各種のサービスを利用しています。動画視聴やネットショップなど、公式で公開しているアプリをインストールして利用するケースが多いかもしれません。しかし、各サービスのなかには「Webアプリ」というWebブラウザから利用できるものもあります。インストールが必要なネイティブアプリと異なる特徴があるため、Webアプリの活用も積極的に考慮してみましょう。この記事ではWebアプリの概要や構造、例などを紹介します。

Webアプリとは

WebアプリはGoogle Chrome・Safari・Microsoft EdgeなどのWebブラウザ上で動作するアプリケーションです。パソコンやスマートフォンなどの端末にインストールせず、都度ブラウザから表示して使用します。非常に多くの分野で用いられており、世界中で大勢が毎日のように各種のWebアプリを利用しています。
Webアプリは大きく3つの特徴があり、各特徴によって手軽に管理・運用できるメリットを得られます。Webアプリの主な特徴は以下のものです。

・開発コストを抑えられる
Webアプリはブラウザ上での動作のみに対応しているため、多数の端末に対応させる手間が生じません。アプリストアでの審査もいらず、ストア利用の手数料も節約できます。

・すぐ利用してもらえる
Webアプリの利用準備はブラウザに表示させるだけで完了します。アプリをサーバー上から公開したり、公開したアプリをユーザーにインストールさせたりする手間がかかりません。

・管理や更新を容易に行える
Webアプリのデータはサーバー上でまとめて管理できます。公開中のデータを更新するだけでアップデートできるため、複数バージョンの公開やストア申請などが必要ありません。

Webサイトとの違い

ブラウザから閲覧できるサービスとして「Webサイト」も多数存在します。WebアプリとWebサイトの大きな違いとして機能面の幅、特に双方向コミュニケーションの強さが挙げられます。Webサイトは文章や画像などをユーザーに閲覧してもらう機能が主のため、利用できる機能が少なくコミュニケーションも一方通行です。一方、Webアプリはコメント投稿や商品購入などユーザーからのコミュニケーションを行う機能が多く搭載されています。
Webサイトによっては、簡単なメッセージ投稿機能のようにユーザーからのコミュニケーション機能を備えているものも存在します。サービスのメイン機能が「一方からの情報伝達」「双方向での交流」のどちらに近いかで判断できるでしょう。

ネイティブアプリとの違い

端末にインストールして利用するアプリを「ネイティブアプリ」と呼びます。Webアプリと異なり端末へのインストールが必要で、インストール後は端末のシステムを利用して動作します。ユーザーの手で都度インストールやアップデートを行う手間がかかりますが、デザインや動作快適性などの面でWebアプリより優位です。アプリの開発ではWebアプリのほうが容易に行えます。ネイティブアプリはさまざまな端末へのインストールが考えられるため、幅広く対応させる手間とコストがかかります。
近年のWebサービスはWebアプリ・ネイティブアプリの両方を提供しているケースが多くみられます。ブラウザ上からの利用とインストールしたアプリの利用と、自分に適したものを選択して使い分けましょう。

Webアプリの構造

一般的に、Webアプリはユーザーが操作する「フロントエンド」と後方で動作する「バックエンド」を組み合わせて構成されています。また、データ管理のために「データベース」の活用も重要です。それぞれ作り方が異なりますが、いずれもWebアプリの使いやすさを大きく左右する大切な要素です。Webアプリを大まかに構成する3つの要素について、以下で詳しく解説します。

なお、Webアプリ開発を含めて幅広く使用されるプログラミング言語についてはこちらの記事も参考にしてください。

フロントエンド

ページの見た目や動画再生欄など、ユーザーが直接閲覧・操作できる部分です。ユーザーはフロントエンド部分の要素を操作してアプリを利用します。フロントエンドのクオリティによってアプリの使い心地が変わるため、ユーザーからのアプリ評価に大きく影響します。
Webアプリのフロントエンドは、主に以下のプログラミング言語を用いて開発されます。いずれもWeb分野の開発で広く用いられる言語です。

・HTML
主にWebページの構造を設定する言語です。厳密にはプログラミング言語ではなく「マークアップ言語」に分類されます。「見出しと本文の配置」「リンク先のページ」「画像の種類」など、さまざまな要素を設定します。

・CSS
主にWebページのデザインを設定する言語です。HTMLと同様、厳密にはプログラミング言語に該当しません。「文字の色」「見出し同士の間隔」「画面サイズごとの表示・非表示」など、各ページの見た目を設定します。

・JavaScript
主にWebページの動きを設定する言語です。「トップに戻るボタン」「画像のスライドショー」「アイコン形状の変化」など、ページ内にさまざまな動きをつけます。問い合わせフォームにおいて「必須入力欄の空きを確認」のような動作も可能です。

バックエンド

ログインや購入処理など、ユーザーが直接閲覧・操作できない部分です。ユーザーの操作を処理して表示変更や情報記録などを行います。Webアプリがもつ機能の根幹を担う部分であり、動作速度や安全性などに影響します。
Webアプリのバックエンドは、主に以下のプログラミング言語を用いて開発されます。基本的には「フレームワーク」という開発サポート機能を利用します。

・PHP
Web開発に特化したプログラミング言語です。PHPを用いたWebアプリ開発では、フレームワークとして主に「Laravel」「CakePHP」などが使用されます。PHPで作られたWebアプリにはFacebook・Slack・ぐるなびなどが挙げられます。

・Ruby
シンプルさや書きやすさを重視したプログラミング言語です。Rubyを用いたWebアプリ開発では、フレームワークとして主に「Ruby on Rails」が使用されます。Rubyで作られたWebアプリにはクックパッド・Airbnb・Huluなどが挙げられます。

・Python
コードの読みやすさや機能が魅力のプログラミング言語です。Pythonを用いたWebアプリ開発では、フレームワークとして主に「Django」「Flask」などが使用されます。Pythonで作られたWebアプリにはYouTube・Instagram・Dropboxなどが挙げられます。

データベース

Webアプリで使用する各種のデータを保存する部分です。ユーザーの登録情報・投稿された動画データ・販売されている商品の情報など、多数のデータを保存・管理します。アプリの規模が大きくなるほど扱うデータの量も増えていくため、データベースによる効率的な管理の重要性も増していきます。フロントエンド・バックエンドと異なり、Webアプリに必須の要素ではありません。しかしデータベースを使用すると幅広いサービスの運用が可能になるため、あわせて把握しておくと便利です。
データベースはさまざまな企業から多くのサービスが提供されています。多くのデータベースは「SQL」という言語を用いて運用されており、SQLを使用できれば新しいデータベースを扱っても比較的早く対応できるでしょう。

Webアプリの例

Webアプリは世界中で非常に多く作られており、内容もバラエティ豊かです。なかには世界中で利用されている有名なものも多く存在します。主なWebアプリを把握しておけば、「Webアプリとは何か」という疑問を解決しやすくなるでしょう。この章ではWebアプリの分野や有名なサービスの例を紹介します。

動画共有サービス

ユーザーが作成した動画を投稿したり、投稿された動画を視聴したりできるサービスです。個人が撮影・作成した動画コンテンツに加えて、法人による動画コンテンツやライブ配信なども公開されています。コメント機能を介した視聴者同士の交流も行われます。
世界各国でさまざまな動画共有サイトが提供されていますが、なかでもGoogle社から提供されている「YouTube」が非常に有名です。Webアプリで動画共有サービスを作る場合、YouTubeに実装されている機能を考慮すれば使いやすいアプリを作りやすくなるかもしれません。

動画共有サービスの例

  • YouTube
  • ニコニコ動画
  • Dailymotion

Webメールサービス

インターネットを経由して電子メールの送受信や保存などを行えるサービスです。文章や画像などさまざまなファイルをやりとりできます。ネイティブアプリのメーラーソフトと異なり、端末内でなくオンライン上にメールを保存します。利用にはインターネット接続が必須ですが、複数の端末でメールを確認できる利点があります。
Webメールサービスの有名な例として、Google社の「Gmail」が挙げられます。同社が提供する他サービスと連携できるため、Webアプリ・ネイティブアプリを組み合わせて便利に活用できます。

Webメールサービスの例

  • Gmail
  • Outlook
  • iCloud Mail

ECサイト

さまざまな物品をインターネット上で販売するサービスです。食品・日用品・家具など、非常に幅広い物品を店頭に行かず購入できます。ECとは「Electronic Commerce(電子商取引)」の略で、本来はネットショップ以外にネットオークションサイトやコンテンツ配信サイトなども該当します。
ECサイトはメーカーが自社で運営するものと多数の事業者が出品するものに分かれます。有名なECサイトの「Amazon」は後者で、世界中から出品された多くの商品が販売されています。

ECサイトの例

  • Amazon
  • 楽天市場
  • ヨドバシ・ドット・コム

Web会議システム

インターネット回線を使用して通話を行うサービスです。音声だけでなく映像やデータ、画面上の情報などを同時に共有できます。1対1だけでなく、一度に複数人の同時通話も可能です。ビジネスシーンを中心に活躍の場を広げていき、現代では商談・会議・面接など多くの場面で活用されるようになりました。
Web会議システムはさまざまな企業から提供されています。しかし、Webアプリ版は利用できるブラウザや機能に制限が設けられている場合もあります。自分が利用したい環境や機能を考慮して選びましょう。

Web会議システムの例

  • Zoom
  • Teams
  • Skype

口コミサイト

特定ジャンルに関する情報について、ユーザーが口コミを投稿するサービスです。飲食店や美容室などジャンルごとの店舗やサービスなどを掲載して、実際に利用したユーザーが口コミを投稿します。扱うジャンルごとに特化した作りになっており、店舗を扱う場合は料金確認や予約などを行える場合もあります。
ジャンルを限定するとユーザーの関心を絞れるため、関心の強いユーザーから有益な情報をより多く集めやすくなります。口コミの数や評価を参考にして、より良いサービスを見極めましょう。

口コミサイトの例

  • 食べログ
  • ホットペッパービューティー
  • Caloo

まとめ

Webアプリの概要や構造、例などを紹介しました。ブラウザ上で利用できるWebアプリは非常に種類が多く、意識せずとも普段から多くのサービスを利用しているでしょう。制作・利用のどちらもネイティブアプリより手軽に行えて、Webサイトより積極的にコミュニケーションをとれる利点もあります。
誰でもスマートフォンを持ち歩く現代では、インターネット上で利用できるWebアプリの利用機会も拡大しています。Webアプリを積極的に活用して、ブラウザだけで手軽に便利なサービスを利用してみてください。