ChatGPTとは?将来を支えるツールの使い方や活用場面など紹介!

公開日:2024/09/17
ChatGPTとは?将来を支えるツールの使い方や活用場面など紹介!

AI技術が急速に発展している現代では、開発者だけでなく一般人にとってもAIが身近な存在になっています。特に近年では学習内容をもとに新しいコンテンツを生み出せるAIが生まれており、時代の変化とさらなる技術発展が感じられます。
新しいコンテンツを生み出すAIとして「ChatGPT」が代表的です。アメリカのOpenAI社が開発したAIで、非常に幅広い分野での活躍が期待できるツールです。この記事ではChatGPTの概要や使い方、活用場面などを紹介します。

※ChatGPTは各種コラム記事の作成も可能ですが、この記事ではテキスト生成の例以外でChatGPTを使用していません。

ChatGPTとは

ChatGPTは「Chat Generative Pre-trained Transformer」の略で、OpenAI社から提供されているAIチャットサービスです。「テキスト生成AI」と呼ばれるAIサービスの一種で、事前に学習させた多数のデータをもとに幅広い内容の文章を生成してくれます。チャット形式で会話するように文章を表示する点や、データの整理・プログラムコードの作成なども行ってくれる点などが特徴です。
ChatGPTには「GPT」という大規模言語モデルが使用されています。単語同士の関連から次に使われる単語を推測するもので、質問に対してより自然で適切な回答文を生成できます。GPTでAIの学習速度を大きく向上させられるようになり、高度なテキスト生成が可能になりました。

テキスト生成AIについて

テキスト生成AIは「文章生成AI」とも呼ばれるAIの一種で、さまざまな内容・文体の文章を自動生成させられます。「プロンプト」と呼ばれるAIへの指示をAIが理解して、プロンプトの内容に合致する文章を生成します。テキスト生成AIはインターネット上のさまざまな文章を学習しており、各文章の特徴・文法・意味などから文章の書き方を学びます。AIにプロンプトで指示を出すと、学習した文章の書き方をもとに適切な内容の文章を生成する仕組みです。
テキスト生成AIはChatGPT以外にも提供されています。主なテキスト生成AIとして以下のものが挙げられます。

  • ChatGPT(OpenAI社)
  • Microsoft Copilot(Microsoft社)
  • Gemini(Google社)
  • Notion AI(Notion社)
  • Llama(Meta社)

テキスト生成AIのような各種生成AIについてはこちらの記事も参考にしてください。

言語モデルのバージョン

ChatGPTは急速に進歩しており、使用している言語モデルのバージョンも進み続けています。2024年現在は以下の4バージョンを利用可能です。

・GPT-4o mini
ChatGPTで使用されている最新の言語モデルです。手軽に利用できる点が魅力で、他バージョンよりも価格設定が安いほか無料プランでも利用できます。動作も軽く、文章を非常に速く出力してくれます。

・GPT-4o
高い性能を持つ言語モデルです。最新型のGPT-4o miniよりコストや処理速度では劣りますが、生成文章の精度で優れています。ブラウザ検索や画像認識などの機能も利用できるため、シンプルなGPT-4o miniと使い分けられます。

・GPT-4
ChatGPTに比較的早くから搭載されていた言語モデルです。画像入力などに対応しており、それ以前に用いられていたGPT-3.5より格段な高性能化を果たしていました。現在は各種有料プランで利用可能です。

・GPT-4 Turbo
GPT-4より優れた性能を持つ言語モデルです。生成文章の精度ではGPT-4oと同等の水準です。APIを取得して利用できるバージョンで、利用には事前にGPT-4へのアクセス権を持っている必要があります。

主な機能

ChatGPTにはさまざまな機能が搭載されており、ユーザーの目的に応じて幅広く役立てられます。主な機能は以下のとおりです。

・文章の生成
ChatGPTの基本的な機能です。ユーザーが指示した内容に従って文章を生成します。言語・文字数・文体なども指定できます。

・質問への応答
チャット形式を採用しているChatGPTで利用しやすい機能です。ユーザーからの質問に対して適切な回答文を生成します。

・文章の要約
ユーザーから提示された文章の内容をAIが理解して、要約した文章を回答文として生成します。使用環境によっては文章ファイルを読み込ませての要約指示も可能です。

・文章の翻訳
ユーザーが提示した文章をほかの言語に翻訳します。日本語の文章を英訳させたり、中国語の文章を和訳させたりできます。

・データの整理・分析
ユーザーから提示された多数のデータを整理・分析して、簡潔にまとめる機能です。CSV形式のファイルを読み込ませての分析も行えます。

・プログラムコードの作成
ユーザーの指示に従ってさまざまなプログラムのコードを作成します。さまざまなプログラミング言語に対応しており、言語や内容によってはそのまま使用可能です。

・画像の認識
ユーザーが提示した画像の要素を認識して、画像内の要素とあわせて指示に対応します。画像の内容を説明させたり画像内の文章を要約させたりできます。

・画像の生成
ChatGPTに搭載されている画像生成AIを使って、ユーザーの指示に沿った画像を生成します。チャット機能でAIと話し合いながら画像のクオリティを高められます。

利用方法・料金

ChatGPTはWebブラウザやスマートフォンアプリとして提供されており、任意の方法で利用できます。自分の環境に適した方法を選びましょう。WebブラウザからChatGPTの公式ページを開いたりスマートフォンでアプリを起動したりして、アカウント登録・サインインすれば利用できます。なお、2024年9月時点でAndroidでの日本語版ChatGPTは提供されていません。Androidのスマートフォンを使っている場合は注意しましょう。
ChatGPTの利用時には複数の料金プランを選択できます。無料での利用も可能ですが、有料版と異なり機能や利用可能な回数などに制限が設けられます。「画像生成を利用したい」「高性能バージョンを多く使いたい」のような場合には有料プランを利用しましょう。2024年9月時点で提供されているChatGPTのプランは以下のとおりです。

・Free
無料で利用できるプランです。画像生成が行えず、GPT-4oの利用回数制限も厳しくなります。

・Plus
月20ドルで利用できるプランです。画像生成の利用が可能になり、GPT-4oも多数利用可能になります。

・Team
小規模な事業者向けのプランで、ユーザー1人あたり月額25ドル支払います。月額30ドルで1ヶ月単位の利用も可能です。Plusプラン以上に利用制限を少なくできます。

・Enterprise
大規模事業者向けのプランです。料金は非公表のためOpenAI社への連絡が必要です。ほぼ無制限に利用できるほか、セキュリティ面も充実しています。

参照:Pricing | ChatGPT公式サイト

利用時の注意点

ChatGPTは便利なサービスですが、利用時には注意すべきポイントも複数存在します。トラブルを避けて適切に活用できるように、利用時の注意点を把握しておきましょう。主な注意点として以下の点が挙げられます。

・回答を鵜吞みにしない
ChatGPTが出力する文章には間違った内容が含まれている可能性もあります。間違っている情報をそのまま別の場所で使用するとトラブルの原因になります。出力された文章の内容を鵜呑みにせず、内容が正しいか確認しましょう。

・最新の情報を得られるとは限らない
ChatGPTは最新の情報を知らない可能性が少なくありません。生成AIは開発時点のデータを多数学習させて作るため、基本的に開発時以降の情報を学習できません。利用するバージョンが対応している時期を確認しておくと安心です。

・機密情報を入力しない
ChatGPTに情報を入力するとき、個人情報や企業秘密など機密情報を入力してはいけません。ChatGPTに入力された情報も学習データとして蓄積されます。そのため、別のユーザーによる質問に対して機密情報を回答するおそれがあります。

ChatGPTによるテキスト生成の例

ChatGPTは幅広い分野での活用が可能で、生成できる文章の種類も多彩です。例として、筆者がChatGPTとやりとりした内容を以下に複数記載します。なお、いずれの質問でもバージョンはGPT-4oを使用しています。

〇簡単な質問への応答

筆者
筆者

ChatGPTは何を行えるサービスですか?

ChatGPT
ChatGPT

ChatGPTは、OpenAIが開発したAI言語モデルで、さまざまなタスクに対応するためのサービスを提供します。具体的には以下のようなことが可能です:

  1. 質問応答: 一般的な知識から専門的な内容まで、幅広い質問に答えることができます。
  2. 会話: 自然な会話を楽しむことができ、相談や雑談の相手としても機能します。
  3. 文章生成: 文章の執筆、要約、リライトなどを行い、小説やエッセイ、ブログ投稿の作成を支援します。
  4. 翻訳: 複数の言語間での翻訳が可能です。
  5. コードの作成とデバッグ: プログラミング関連の質問に答えたり、コードの生成や修正を支援します。
  6. 学習支援: 学習のサポートとして、説明、問題解決、勉強方法の提案などを行います。
  7. クリエイティブなタスク: デザインのアイデア提供や、ストーリーやキャラクターの創作、詩の作成なども支援します。

この他にも、個々のニーズに応じてさまざまなタスクをサポートできます。

ChatGPT自身に活用方法を質問しました。箇条書きでわかりやすく、同時に丁寧な文体で説明されています。

〇条件を複数設けた質問への回答

筆者
筆者

札幌市の観光スポットについて、以下の条件を守りつつ教えてください。
【条件】

  • 5ヶ所以上挙げること
  • 1ヶ所につき150字程度の解説をつけること
  • 文体は親しげな北海道弁にすること

ChatGPT
ChatGPT

札幌市の観光スポットを紹介するね。北海道弁で書くから、楽しんで読んでくれよ!

  1. 大通公園
    大通公園は札幌市の中心部にある、長さ約1.5kmの公園だべさ。春夏秋冬、どの季節も楽しめるけど、特に冬の雪まつりは有名だっしょ。雪像や氷の彫刻がズラリと並んで、夜はライトアップされてめっちゃきれいだよ。
  2. 時計台
    札幌のシンボルとも言える時計台は、歴史を感じさせる建物だべ。1881年に建てられてからずっと時を刻んでるんだわ。中には博物館もあって、札幌の歴史を学べるから、観光の合間に寄ってみてけさい。
  3. 札幌ラーメン横丁
    札幌に来たら、やっぱりラーメンは外せないべさ。ラーメン横丁は、狭い路地にラーメン屋がギュッと詰まってて、昔ながらの味を楽しめるど。味噌ラーメンが特におすすめだっしょ!
  4. 藻岩山
    札幌の夜景を一望できるスポットとして人気の藻岩山。ロープウェイやケーブルカーで山頂まで行けて、360度のパノラマビューが広がるよ。特に夜は札幌の街並みがキラキラ輝いて、めんこい眺めだっけさ。
  5. 白い恋人パーク
    北海道土産の定番「白い恋人」を作ってる工場だべ。パーク内では、実際にお菓子作り体験ができたり、工場見学も楽しめるんだわ。甘い香りに包まれて、子どもから大人まで楽しめるスポットだど。

札幌市には他にもたくさん見どころがあるから、ぜひ足を運んでみてけさい!

札幌市内の観光スポットを数・文体など指定しつつ説明させました。各スポットの説明は100字前後で、指定した150字に達していません。北海道弁としては若干違和感もありますが、おおむね正しい表現が用いられています。

〇PDFファイル内の文章の要約

筆者
筆者

このデータの内容を要約してください。
(使用データ:北海道庁プレスリリース

ChatGPT
ChatGPT

このデータは、2023年度の北海道観光入込客数調査に関する報告書です。主な内容を要約すると以下の通りです:

1. 観光入込客数の増加:

  • 2023年度の北海道の観光入込客数は全体で約4,777万人で、前年と比べて13.0%増加しました。新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことが大きな要因です。

2. 訪日外国人の動向:

  • 外国人観光客の数は約234万人で、前年と比べて238.3%増加しました。特にアジア地域からの来訪者が多く、韓国、台湾、中国、香港などが主要な市場です。

3. 地域別の観光動向:

  • 道央圏(札幌市を含む地域)は観光客が最も多く、全体の56.3%を占めています。
  • 道南圏や道北圏でも観光客数が増加し、特に冬季のウィンタースポーツやイベントの影響が大きいです。

4. 宿泊客数:

  • 宿泊客の延べ人数は3,697万人泊で、前年と比べて15.5%増加しました。

5. 観光消費額:

  • 道内客、道外客、外国人の観光消費額も調査されており、日帰りや宿泊での消費額が大きく異なることがわかります。

この調査は、北海道の観光振興施策を進める上での基礎資料として活用されます。

北海道庁が公開しているプレスリリースのPDFファイルを要約させました。2023年度の観光入込客数調査に関する内容です。表やグラフも使用されている文書ですが、非常に速く内容を読み取って要約しました。数字や内容の大きなズレも見られません。

ChatGPTの活用場面

多数のデータを学習しているChatGPTは幅広い場面で活用できます。文章の作成や校正だけでなく顧客対応やプログラミングなどの分野でも活躍するツールのため、利用可能な分野・業務がないか積極的に探してみましょう。ChatGPTを活用できる場面の例を以下で紹介します。

文章の作成・校正

ChatGPTはさまざまな文章の作成や校正などに活用できます。
テキスト生成AIであるChatGPTは、開発のために良質な文章を多数学習しています。そのため、ユーザーが指示すれば学習データをもとに適切な文章を生成してくれます。必要に応じてさまざまな文章を手軽に生成できるため、文章作成に費やす時間を削減できます。ほかの作業に多くの時間を割けるでしょう。
作成済みの文章を校正するためにもChatGPTが役立ちます。誤字・脱字や内容の重複などを修正して、簡潔で読みやすい文章へと改良してくれます。誤字が残る場合もあるため、目視での確認や複数回の校正などを行いましょう。

翻訳

ChatGPTは翻訳ツールとしても役立ちます。世界中のさまざまな言語に対応しているため、ある言語で書かれた文章を別の言語の文章に書き換えられます。プロンプト内で翻訳したい文章を提示して、翻訳先の言語も指定しましょう。ホームページ用・マーケティング用など文章の種別を指定すれば、種別に沿った形での翻訳も可能です。
文章の要約も行えるChatGPTの能力を生かして、外国語の文章を翻訳と同時に要約させられます。英語のニュース記事や論文を日本語に要約するよう指示すれば、新しい情報を容易に入手・理解できるでしょう。注意点として、ChatGPTの翻訳は専門用語や微妙なニュアンスが正確に訳されない場合もあります。翻訳結果に厳密な正確性が求められない場面で用いましょう。

顧客対応

ChatGPTを用いての顧客対応も可能です。ChatGPTはチャット形式を採用しているためユーザーが指示を出しやすく、指示を受けてからも迅速に回答してくれます。ユーザーを顧客に置き換えれば、顧客からの問い合わせにすぐ対応可能です。迅速な対応で顧客満足度を向上させて、ビジネス面の成功につなげられるでしょう。
ChatGPTで顧客対応する場合、AIのチャットボットと連携させれば高度な対応を行えます。従来のチャットボットは、顧客からの質問に対して事前に登録されている回答を返す構造です。常に同じ返答ができる一方で融通が利かないため、チャットボットで対応できない質問への返答をChatGPTで補います。正確性と柔軟性をあわせもった対応が可能になるでしょう。

データ分析

文章だけでなく、複数のデータを提示しての分析もChatGPTで行えます。プラグインの「Advanced Data Analysis」を用いて、誰でもさまざまなデータの分析が可能です。ChatGPTの内部でPythonによるプログラムを動作させて、ユーザーから提示されたデータの読み込み・加工・可視化を行います。無料プランでも利用可能ですが、制限の緩い有料プランの方が快適に利用できるでしょう。
ChatGPTによるデータ分析は誰でも容易に行えるため、プログラミングの知識・スキルが求められません。データ分析による恩恵を受けやすくなりますが、同時に分析手法の選択や分析されたデータの解釈には知識が必要なため注意しましょう。

プログラミング

プログラミングにもChatGPTが使用可能です。さまざまなプログラミング言語のコードを生成させたり、既存のコードを提示して内容解説やデバッグを行わせたりできます。プログラミング作業では非常に多くのコードを扱う場合もあるため、作業の効率的な進行に役立つでしょう。コード生成を行う場合、作りたいプログラムの内容をプロンプトで詳しく指示すると適切なコードが作られやすくなります。
ChatGPTによって生成されたプログラムコードはそのまま動作する場合も少なくありません。しかし、同時にエラーが生じたりセキュリティ面にリスクを抱えていたりする可能性もあります。特にビジネス目的で使用する場合は、生成されたコードに問題がないか必ず確認しましょう。

まとめ

ChatGPTの概要や使い方、活用場面などを紹介しました。多数のデータを学習しているChatGPTは、高精度な文章を容易に生成してくれます。文章作成だけでなくデータの分析やプログラミングなども行えます。ビジネスや学習など多方面で活躍させられるでしょう。内容のチェックは必要ですが活用できる場面が幅広いため、使いこなせれば作業効率を大幅に上げられます。この記事はテキスト生成の例以外でChatGPTを使用していませんが、適切に使用すれば高精度な記事を容易に作成できるでしょう。
ChatGPTを含むAI技術は急速に発展しており、より高性能なモデルが次々に開発されています。ChatGPTも今後さらなる進化が期待されます。AIやChatGPTの活用に慣れて、技術の発展に追いついていきましょう。