日中の眠気はどのように対策する?眠たくなる原因とあわせて解説!

日中の眠気はどのように対策する?眠たくなる原因とあわせて解説!

多くの人は日中に眠気を感じた経験があると思われます。仕事中・勉強中・運転中など、さまざまなタイミングで無性に眠たくなるケースは少なくありません。
日中の眠気は多くの場合睡眠不足が原因ですが、別の原因が隠れている可能性もあります。眠気を感じる原因や対策方法などを把握して、日中を元気に過ごせるよう努めましょう。
この記事では日中に眠たくなる原因や主な対策方法などを紹介します。

日中に眠たくなる原因

本来夜に眠る人間が日中に眠気を感じる原因として、さまざまなものが考えられます。多くの原因は睡眠不足ですが、場合によっては病気のサインかもしれません。眠気を感じる主な原因を把握して、自分にあてはまる可能性を検討しましょう。日中に眠たくなる主な原因を以下で紹介します。

睡眠の量が足りない

眠気の大きな原因として挙げられる要素が睡眠不足です。前日の夜にあまり眠れていないと睡眠不足になり、翌日の日中に眠たくなります。一般的に成人の睡眠時間は7時間程度必要とされており、短時間の睡眠しかとれていない状態が続くと慢性的な睡眠不足につながります。「深夜まで忙しく十分に睡眠時間をとれない」という状況では、日中も眠気で集中しづらくなるでしょう。
必要な睡眠時間には個々人である程度差があります。同じ人でも年齢や季節などによって変化するため、日中の状態から現在の自分に必要な睡眠量を見極めましょう。

睡眠の質が低い

睡眠の量だけでなく質も日中の眠気に影響します。十分な時間眠っているつもりでも、睡眠の質が低く実際には体を休められていない可能性があります。寝室の明るさ・騒音・室温のような環境面に加えて、飲酒・喫煙などの行動も睡眠の質を下げる原因です。布団や枕などの寝具が自分に適していない可能性も考慮しましょう。
テレビ・パソコン・スマートフォンなどの使用も睡眠には悪影響です。特にソーシャルメディアやゲームなどで頭を使うと交感神経が活性化するため、体が覚醒状態になりうまく寝つけなくなります。「たくさん眠っているはずなのに日中眠たい」という場合は、睡眠の質を下げる行動をとっていないか考えてみましょう。

季節の影響

特定の季節に眠たくなりやすいケースもあります。
一般的に、冬は夏と比べて睡眠時間が長くなりやすい季節です。日照時間が短く気温も低い冬場は、体の活動量が低下しやすくなります。活動量の低下は運動量の減少につながり、体内のエネルギーが活性化せず眠気の発生を引き起こします。冬場に発生しやすい「冬季うつ」も眠気を発生させる原因です。
冬だけでなく春も眠たくなりやすい季節です。「春眠暁を覚えず」と言われるように、春は睡眠時間が長くなりやすい季節として知られてきました。徐々に暖かくなっていく春は副交感神経が活性化しやすく、体がリラックスして眠気を生じやすくなります。生活環境の変化も起こりやすい時期のため、自律神経が乱れてさらに眠たくなりやすくなる可能性もあります。

病気の影響

眠気の原因としてさまざまな病気が隠れている可能性もあります。眠気の原因となる主な病気として以下のものが挙げられます。

・睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が弱まったり止まったりする病気です。脳内が酸欠状態になるため、十分に眠れなくなり睡眠の質が低下します。

・ナルコレプシー
睡眠障害の一種で、日中に発作的な強い眠気を感じる病気です。眠気が生じると普通は眠らないような状況でも眠り込みます。強い感情変化で体の力が抜けることもあります。

・特発性過眠症
十分に睡眠をとっていても日中に過剰な眠気を感じやすくなる病気です。ナルコレプシーと似ていますが、一度眠ると長時間目覚めない違いがあります。

・うつ病
恒常的に気分の落ち込みが続く病気です。近年患者が増加している病気で、人によって不眠・過眠のどちらも発生しえます。睡眠が不安定になって日中の眠気につながります。

病気による眠気を解消するためには病気への対応が不可欠です。内科や心療内科など医療機関で診察を受けましょう。睡眠外来を行っている病院ならばより効果的な診断・治療が期待できます。

眠気の対策

日中の眠気はさまざまな行動に対して支障が出るため、解消するためにさまざまな対策が必要です。体を動かしたり飲食物を口に含んだりと、好みや状況などに応じた対策を行いましょう。この章では主な眠気対策の方法を紹介します。

ストレッチする

手軽な眠気対策として軽いストレッチが挙げられます。体を動かして筋肉をほぐすと、血行が良くなると同時に交感神経も活性化させられます。日中の眠気は同じ姿勢で作業を続けている際に生じやすいため、定期的にストレッチで体を動かしましょう。
ストレッチにはさまざまな種類があります。背伸びや首回しなどだけでなく、ももの裏を伸ばしたり手のグー・パーを繰り返したりと多くのストレッチが可能です。席を立てるならば、少し部屋のなかを歩き回る方法も効果的です。いずれの方法でも数時間おきに、毎回丁寧に行いましょう。

ツボを押す

眠気の解消に効くツボを押す対策もあります。ツボを押すと神経が刺激されて、神経を介した体内の情報伝達がスムーズになります。脳への情報伝達がスムーズに進むため、脳が不調な部位の発見・改善を早期に行ってくれる仕組みです。
眠気を解消できるツボは手と頭に多く存在します。主なツボは以下のものです。

・合谷(ごうこく)
親指と人差し指の付け根で骨が合わさっているくぼみ部分です。

・中衝(ちゅうしょう)
中指の爪の生え際で人差し指寄りの部分です。

・労宮(ろうきゅう)
手のひらの真ん中、親指第一関節と中指の交点部分です。

・清明(せいめい)
目頭の上のくぼみでやや鼻寄りの部分です。

・太陽(たいよう)
こめかみのくぼみでやや目尻寄りの部分です。

いずれのツボも神経を刺激するため、強く押しすぎると痛みを感じます。「痛い」と感じた時点で止めて、それ以上押し続けないように注意しましょう。

ガムを噛む

場面によってはガムを噛んで眠気対策を行えます。ものを噛むと脳の働きが活発になり、頭をすっきりさせられます。特にミントやキシリトールのような清涼感を感じられるガムであれば、噛む動作とガムそのものの刺激が合わさって眠気の解消に効果的です。
ガムを噛む際には、可能であれば歯を食いしばるほどしっかり噛みましょう。噛む力が強ければ脳の働きをより活発にさせられるため、眠気覚ましの効果も強まります。ガム以外にもスルメや干し昆布など、力強く噛む必要がある硬い食品も効果的です。
眠気の原因が疲労の場合はクエン酸を含む食品も対策として有用です。特に梅干しは栄養豊富なため、ガムやスルメなどと同様有力な選択肢に数えられます。塩分を多く含む点には注意しましょう。

水分補給する

水分補給も眠気対策に有効な手段です。体内の水分不足は脱水症状を引き起こしますが、脱水症状の初期症状として眠気を感じるケースもあります。体内の水分が不足すると血流が滞るため、脳内に酸素や栄養を十分に運べなくなるためです。こまめに水分補給して脱水症状を未然に防げば、血流がスムーズになり眠気の発生を抑えられます。
眠気対策として水分補給をする場合は喉が渇く前に補給しましょう。喉の渇きも脱水症状の初期症状に含まれるため、喉が渇いている時点で眠気を感じうる状態になっています。一度にたくさん水を飲むと胃腸機能の低下にもつながります。水分補給は一日に複数回、少しずつ行いましょう。

仮眠をとる

眠気対策において、仮眠をとれれば非常に高い効果が期待できます。脳が眠りたがっている状態のため、脳の要求に従って眠ればすっきりと収まります。仮眠をとれない状況も多数存在するため常に使える手段ではありませんが、眠れる状況ならば積極的に眠りましょう。
仮眠をとる時間は10分から15分程度が目安です。長く眠りすぎると脳が本格的に睡眠をとろうとするため、起床後も頭が回らない「寝ぼけ」状態になります。寝ぼけ状態では逆に眠気が増す場合もあります。目覚ましをセットしたり椅子に座ったまま眠ったりと、深く眠り過ぎないような注意が必要です。

眠気に対するカフェインの効果

眠気覚ましとしてカフェインを摂取する人が多くみられますが、カフェインは効果的な対策にならないかもしれません。
長年、コーヒーやお茶などに多く含まれるカフェインには脳の覚醒作用があるとされてきました。しかし近年の研究で、カフェインが持つ効果は覚醒作用でなく睡眠の阻害作用であると判明しています。直接脳を覚醒させる効果がないため、人によってはカフェインを摂取しても眠気を解消できないかもしれません。カフェインの効果がある人でも睡眠不足の長期化で効果を得られなくなる、という実験結果も出ています。
「コーヒーを飲んでも眠気がとれない」という場合、カフェイン摂取量の不足でなく体質や睡眠不足の悪化などが原因かもしれません。カフェインは摂取しすぎると夜間の不眠や不整脈など悪影響にもつながります。必要以上にコーヒーを飲み過ぎず、ほかの眠気対策も試してみてください。

良質な睡眠をとる方法

日中の眠気を解消するためには夜間の良質な睡眠も重要です。睡眠の質を上げる方法にはさまざまなものが挙げられます。積極的に各種の方法を試してみて、自分に合ったものを続けていきましょう。睡眠の質を改善するための主な方法を以下で紹介します。

睡眠の質を改善する方法についてはこちらの記事も参考にしてください。

睡眠環境を見直す

睡眠の質を改善するために、普段自分が眠っている環境を見直してみましょう。寝室が明るかったりうるさかったりすると十分に眠れません。遮光カーテンを使用したり耳栓をつけたりと工夫が可能です。朝でも暗いままの部屋では起きづらくなるため、遮光カーテンを完全に閉めず少しだけ開けておくとさらに効果的です。気温・湿度・ホコリなどにも注意しましょう。余裕があればエアコンや空気清浄機などの設置も有効です。
寝室だけでなく寝具も要チェックです。枕の高さやマットレスの柔らかさなど、自分に合わない寝具を使用していると睡眠の質が低下しやすくなります。一般的には立ち姿勢に近い状態が眠りやすいとされるため、ちょうどよい姿勢で寝られるよう寝具を見直してみましょう。服装もジャージよりパジャマのほうが寝つきやすくなります。

適度に運動する

日中や就寝前に軽く運動すると寝つきがよくなり、睡眠も深くなります。主にウォーキングや水泳などの有酸素運動、あるいは全身のストレッチがおすすめです。毎日か1日おき程度の頻度で無理なく規則的に運動します。
運動の種類によって適したタイミングが異なります。日中の運動ならば夕方ごろに有酸素運動を、就寝前ならばストレッチを行いましょう。有酸素運動は就寝前に行うと睡眠の質を下げるため要注意です。長時間の激しい運動もよくありません。睡眠を妨害しないように適度な運動を続けましょう。

食生活を改善する

日々の食生活も睡眠の質を改善するために重要です。3食規則正しく食べて、栄養バランスにも注意しましょう。栄養バランスが悪いと体の疲労を回復しづらくなり、眠っても前日の疲れが残ったままになります。特に朝食は脳を活性化させるためにも役立つため、栄養バランスよく毎日食べるよう意識しましょう。
夕食は食べる時間帯に注意が必要です。就寝前に食べると眠りづらくなるため、空腹にならない程度早い時間に食べましょう。就寝前にお腹がすいた場合は、睡眠の質を上げてくれるトリプトファンを多く含む食品が有効です。乳製品やゆで卵などが該当しますが、トリプトファンが多い食品でも食べ過ぎには注意しましょう。

飲酒・喫煙を控える

飲酒や喫煙は睡眠の質を下げるため、日中の眠気を解消したい場合は控えましょう。
アルコールには中途覚醒作用や利尿作用があるため、眠っても必要以上に早く起きすぎる傾向があります。お酒を飲みたい場合は夕食時までを期限として、就寝直前に飲む「寝酒」は避けるようにしましょう。
覚醒作用を持っているニコチンも悪影響です。就寝前に体を温めたい場合、白湯やハーブティーなどほかの温かい飲み物を飲んで対策しましょう。タバコは睡眠以外にも害が多いため、少しずつ禁煙に取り組む選択肢もあります。

リラックスする

睡眠時にさまざまな方法で心身をリラックスさせると良質な睡眠がとれます。リラックスする方法は多数存在しますが、睡眠を妨げない選択肢としては主に以下のものが挙げられます。

・入浴
就寝の数時間前に入浴して体を温めます。熱いお湯では早めに、ぬるま湯ならゆっくりと入浴しましょう。半身浴も寝つきをよくする効果があります。

・アロマ
アロマオイルで自分が好きな香りを楽しみます。香りの好みは人それぞれですが、一般的にはラベンダーや柑橘系などがリラックス目的に役立つとされます。

・音楽
リラックスできる音楽を聴きます。激しく盛り上がる曲ではなく、ゆったりと落ち着ける曲を選びましょう。川のせせらぎのような環境音も効果的です。

まとめ

日中に眠たくなる原因や主な対策方法などを紹介しました。眠気の原因は睡眠不足だけでなく、睡眠の質が低かったり病気が隠れていたりする可能性もあります。さまざまな方法で急場をしのげますが、根本的な解決のためには夜間の良質な睡眠が大切です。
昼間の活動中に眠気が生じると、仕事や勉強の能率が落ちるだけでなく居眠り運転のような危険を招く恐れもあります。睡眠不足が原因で健康を損ねるかもしれません。毎日ぐっすりと眠って、一日をすっきりと元気に過ごしましょう。