障害者手帳を取ると、税の控除や医療費の助成に加えて、札幌市内の交通機関や施設でさまざまな割引が受けられます。
ただ、対象になる手帳の種類や等級によって扱いが違う部分があり、調べても分かりにくいところかもしれません。
この記事では、障害者手帳で受けられる支援の内容と、札幌でお出かけするときに使える割引をまとめました。あわせて、手帳がなくても使える割引についてもご紹介します。
※この記事の内容は2026年8月時点のものです。料金や制度は変わることがありますので、ご利用の前に各施設や事業者にご確認ください。

障害者手帳があると受けられる支援

まず、割引以外の支援からご紹介します。
※障害者手帳の申請や更新については
障害者手帳の更新・申請に必要なものは?札幌市の持ち物を手帳の種類別に解説
の記事で詳しく解説しています。

税の控除などの支援

障害者手帳を持っていることで、税の控除などの支援が受けられます。所得税や住民税、相続税の控除(障害者控除と呼ばれます)や、自動車税などの減免がこれにあたります。
障害者控除では区分が「特別障害者」と「障害者」の2つに分かれており、ご自身または配偶者・扶養家族が特別障害者に該当する場合は、より多くの控除が受けられます。特別障害者とは、重度の知的障がいのある方や、障がいの程度が1級または2級の方などを指します。

就職の場面での支援

障害者手帳を持っていると、就職のときに「障害者雇用」という選択肢が加わります。
障害者雇用とは、企業における障害者手帳をお持ちの方向けの採用のことです。障がいについて企業とご本人が互いに理解したうえで、配慮を受けながら働けるという特徴があります。
また、札幌市では障がいのある方向けの就労支援サービスも用意されており、就職について相談したり、セミナーを受けたりすることができます。就労継続支援A型やB型も、その一部です。
こうしたサービスの中には障害者手帳がなくても利用できるものもありますが、手帳があることで話が進めやすくなる場面もあります。

医療に関する支援

医療費については、自治体による助成があります。
「自立支援医療」は、精神通院医療、更生医療、育成医療の3つに分かれる制度で、医療費の一部を公費で負担します。ご本人の負担は原則1割です(自己負担額に上限があります)。
なお、精神疾患のある方が精神通院医療としてこの制度を利用する場合、受給者証を申請する際に障害者手帳は必要ありません。
このほか「重度心身障がい者医療費助成」もあります。心身に重い障がいのある方に向けた助成です。

参照:重度心身障がい者医療費助成/札幌市

札幌市の障がい者交通費助成

札幌市には、障がいのある方の外出を支援するために交通費の一部を助成する制度があります。
対象は等級によって3つの区分に分かれていて、それぞれ3種類の中から1つを選ぶ形になっています。「乗車券がもらえる制度」と思われがちですが、タクシー券や燃料券を選ぶこともできます。

●身体障がい1級・2級、知的障がいA、精神障がい1級・2級の方
・福祉乗車証(市内のバス、地下鉄、市電を無料で利用できます)
・福祉タクシー利用券(年間最大39,000円)
・福祉自動車燃料助成券(年間最大30,000円)

●身体障がい3級・4級、知的障がいBの方
・乗車券(福祉割引サピカへのチャージ。年間最大52,000円)
・福祉タクシー利用券(年間最大13,000円)
・福祉自動車燃料助成券(年間最大10,000円)

●精神障がい3級の方
・乗車券(記名サピカへのチャージ。年間最大52,000円)
・福祉タクシー利用券(年間最大13,000円)
・福祉自動車燃料助成券(年間最大10,000円)

申請の窓口は、お住まいの区の区役所保健福祉課給付事務係です。手続きには各種手帳が必要になります。
このほか、戦傷病者手帳、いつくしみの手帳、被爆者健康手帳をお持ちの方も一部対象になります。

参照:障がい者交通費助成/札幌市

交通機関で使える割引

上の助成とは別に、各交通事業者が実施している割引もあります。

バス・地下鉄・市電

ここは会社によって扱いがかなり違います。とくに精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は、割引の対象になるのが市営交通(地下鉄・市電)とばんけいバスに限られますので、ご注意ください。

第1種の方(身体・療育)第1種の介護者第2種の方(身体・療育)第2種の介護者精神の手帳の方精神の手帳の方の介護者
JR北海道バス/中央バス/夕鉄バス5割引5割引5割引割引なし割引なし割引なし
じょうてつバス5割引5割引5割引5割引割引なし割引なし
ばんけいバス5割引5割引5割引5割引5割引5割引
市営交通(地下鉄・市電)5割引5割引5割引5割引5割引5割引

「介護者」とは、手帳をお持ちの方と一緒に乗車する方のことです。定期券の割引については、各交通事業者にお問い合わせください。
なお、障害者手帳アプリ「ミライロID」をお使いの方は、マイナンバー連携が済んでいる場合に限り、地下鉄と路面電車で本人確認書類として利用できます。

JR

JRの運賃も5割引になります。対象は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかをお持ちの方と、特定の場合の介護者です。
ただし、手帳をお持ちのご本人が単独で利用される場合は、片道100kmを超える区間が対象になります。条件によって扱いが変わりますので、詳しくはJRの各駅かJR北海道のホームページでご確認ください。

タクシー

身体障害者手帳または療育手帳をお持ちの方は、乗車の際に手帳を提示すると料金が1割引になります(割引後の料金の10円未満は切り下げ)。
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方への割引については、各タクシー会社にお問い合わせください。

有料道路

身体に障がいのある方、または重度の知的障がいのある方が有料道路を利用する場合、通行料金が5割引になります。
この割引は事前の手続きが必要です。区の保健福祉課で、手帳に割引証明用のシールを貼ってもらう必要があります。当日いきなり料金所で手帳を見せても割引にはなりませんので、ご注意ください。

飛行機

一部の航空会社の国内線で、航空運賃が割引になります。対象は満12歳以上で身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と、その介助者1名です。
割引額は区間などによって異なり、他の割引サービスと併用できない場合もあります。詳しくは各航空会社にお問い合わせください。

参照:交通機関の利用/札幌市

携帯電話料金の割引

大手3社は、いずれも障がいのある方向けの割引を用意しています。ドコモの「ハーティ割引」、auの「スマイルハート割引」、ソフトバンクの「ハートフレンド割引」です。
割引の内容は、基本料金が安くなるもの、各種手数料が無料になるものなどさまざまです。料金プランの改定にあわせて内容が変わることがありますので、具体的な金額は各社の公式ページでご確認ください。

参照:ハーティ割引/NTTドコモスマイルハート割引/auハートフレンド割引/ソフトバンク

札幌市内の施設で使える割引

お出かけ先で使える割引をまとめました。いずれも入口や窓口で障害者手帳を提示する形です。

●円山動物園
入園料が無料になります。介護の方も1名まで(重度の場合は2名まで)無料です。障害者手帳アプリ「ミライロID」の提示でも減免を受けられます。
参照:札幌市円山動物園HP

●北海道博物館
総合展示室の入館料が無料になります。手帳をお持ちの方1名につき、引率者1名も無料です。
参照:北海道博物館HP

●北海道立近代美術館
近美コレクションの観覧料が無料になります。介護者1名も無料です。なお、特別展は別料金となります。
参照:北海道立近代美術館HP

●AOAO SAPPORO
入館料が半額になります。同伴者1名も同じく半額です。療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方も対象です。
参照:AOAO SAPPOROホームページ

●札幌シネマフロンティア
映画の料金が1,000円になります。付き添いの方は2名まで同じ料金です。
参照:札幌シネマフロンティアHP

●ローソン・ユナイテッドシネマ札幌
映画の料金が1,000円になります。付き添いの方は1名まで同じ料金です。
参照:ローソン・ユナイテッドシネマ札幌HP

●さっぽろテレビ塔展望台
大人600円、小学生・中学生300円になります。札幌市内にお住まいの方は、住所が確認できるものをあわせて提示すると、大人400円、小学生・中学生200円になります。介護者はご本人1名につき1名まで、一般料金の半額です。
参照:さっぽろテレビ塔HP

●市立体育館、市立屋内温水プール、市立スケート場、円山総合運動場、厚別公園競技場、宮の沢屋内競技場、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ、真駒内セキスイハイムスタジアム、北海きたえーる
施設の窓口で手帳を提示すると、使用料が全額免除になります。
参照:札幌市HP

このほかにも、割引を実施している施設はたくさんあります。お出かけの前に、行き先のホームページで障がいのある方向けの割引がないか調べてみると、思わぬところで使える場合があります。

障害者手帳がなくても使える割引もあります

あまり知られていませんが、障害者手帳がなくても使える割引があります。

円山動物園では、障害者手帳をお持ちの方に加えて、障害福祉サービスを利用している方も入園料が全額免除になります。入口で障害福祉サービス受給者証を提示する形です。
就労継続支援A型やB型に通っている方は、この受給者証をお持ちのはずです。手帳がなくても、受給者証があれば対象になります。

参照:入園料について/札幌市円山動物園

受給者証と障害者手帳の違いについては
就労継続支援A型に障害者手帳は必要?受給者証との違いと申請の流れ
の記事でご紹介しています。

使える制度を知っておくと、外出しやすくなります

障害者手帳で受けられる支援について、税や医療の話から、交通機関や施設の割引までご紹介しました。
調べてみると、思っていたより使える場面が多いかもしれません。交通費の助成のように、そもそも制度自体を知らなければ申請しようがないものもあります。
ただ、料金や制度の内容は変わっていきます。この記事も定期的に見直していますが、実際にご利用になる前には、各施設や事業者のホームページで最新の内容をご確認いただければと思います。

障害者手帳を取得された方には、アプリ「ミライロID」もおすすめできます。詳しくは
障害者手帳アプリ・ミライロIDはここがすごい!使い方は?
の記事をご覧ください。

「A型事業所を利用したいけれど障害者手帳を持っていないから無理…」と思っている方には、
就労継続支援A型に障害者手帳は必要?受給者証との違いと申請の流れ
の記事がおすすめできます。