パソコンはどのように選ぶ?購入時にチェックすべき要素や選び方を紹介!

スマートフォンやタブレットなど、現代では多くのコンピュータを日常的に活用しています。多くの人にとって身近なコンピュータにパソコンがあり、娯楽やビジネスなど幅広い用途に用いられます。
パソコンは世界中で非常に多くのモデルが販売されており、新しくパソコンを購入する際に迷うかもしれません。用途に合わないパソコンを購入すると、目的を達成できず問題の発生につながります。適したパソコンを購入してスムーズに作業を進めましょう。この記事ではパソコンの購入時に役立つ情報として、主にチェックすべき要素や選び方などを紹介します。
パソコンを選ぶ際にチェックすべき要素
家電量販店やECサイトなどで販売されているパソコンにはさまざまな要素が記載されています。パソコンに搭載されているパーツの説明が多く、パソコンの性能や使い勝手を考えるために役立ちます。パソコン購入時には各要素を忘れずにチェックしましょう。チェックすべき主な要素を以下で紹介します。
CPU
「Central Processing Unit(中央処理装置)」の略で、パソコンが扱うさまざまな命令の処理を担当するパーツです。パソコンの頭脳として機能しており、CPUの処理性能が高いほどパソコンの動作速度も向上します。CPUの性能は主に以下の3要素で決まります。
・コア数
CPUの核として実際に命令処理を行う部分の数です。コア数が多いとより多くの処理を並行できるようになります。
・スレッド数
CPUが実行可能な処理の数です。基本的には1コアにつき1スレッドですが、近年では1コアで複数スレッドの処理が可能な場合もあります。
・クロック数
1秒あたりの処理回数を示す数で、「動作周波数」とも呼ばれます。クロック数が大きいと処理速度は速まりますが、消費電力や発熱量も増加します。
GPU
「Graphics Processing Unit(画像処理装置)」の略で、画像に関する処理を担当するパーツです。パソコンの画面に映される画像や映像の処理を一手に担っており、GPUがないパソコンは画像を表示できません。パソコン全体のデータ処理を担うCPUに対して、GPUは画像処理に特化しています。CPUから画像処理の指示を受けると必要処理を行い、処理後のデータをCPUに戻す流れです。
GPUは搭載する場所によって主に以下の2種類が存在します。
・内蔵GPU
CPUと同じくパソコン内に内蔵されているGPUです。近年ではCPUに内蔵されているケースが多く、最低限の画像処理が行えます。一般的なノートパソコンは内蔵GPUが多く用いられます。
・単体GPU
「グラフィックボード」と呼ばれる専用の基盤に搭載されているGPUです。内蔵GPUと比べて非常に高度な画像処理が行えるため、3Dのゲーム・モデリング・シミュレーションなどに用いられます。
RAM
「Random Access Memory」の略で、「メモリ」とも呼ばれます。パソコンがデータを一時的に保存するパーツで、RAMの容量が多いと複数の作業を並行しやすくなります。メモリ容量が少ないパソコンは各ソフトウェアで必要なデータを都度読み込むため作業時間がかかりやすく、CPUやGPUの性能を十分に発揮できません。
一般的なRAMは「DRAM」と呼ばれる種類のものが用いられており、DRAMにはさらに世代ごとの規格が設けられています。2024年現在は「DDR4」と最新の「DDR5」が中心です。両規格に互換性はないため、使用したいRAMの規格を確認しておきましょう。
ストレージ
「storage(倉庫)」という名前のとおり、パソコンのデータを保存するパーツです。画像やテキストファイルからパソコンのシステムファイルまで、大半のデータを保存して適宜活用するためにストレージが用いられます。ストレージ容量が不足するとデータの新規保存ができなくなるほか、パソコン自体の動作速度に影響する場合もあります。極力容量に余裕をもたせておきましょう。
パソコンのストレージとして、主に「HDD」や「SSD」などが使用されます。どちらのストレージもパソコンに内蔵するものや外部から接続するものなどがあり、現代では最初からSSDを内蔵しているタイプが多くみられます。
ストレージに関してはこちらの記事も参考にしてください。
OS
「Operating System」の略で、パソコンのシステム全体を管理するソフトウェアです。パソコンの起動中は常に動作し続けて、各パーツの管理やユーザーからの入力受付など多くの処理を担います。ハードウェアと各種ソフトウェアの橋渡しを行い、ソフトウェアのスムーズな利用を助けています。
OSはコンピュータの種類によってさまざまなものが利用されており、一般的なパソコンの場合は以下のOSが用いられます。
・Windows
Microsoft社が提供しているOSです。世界でも非常に広く普及しており、ビジネス分野を中心に多数のソフトウェアが対応しています。
・MacOS
Apple社が提供しているOSです。同社製品のパソコンに搭載されており、安定性の高さやシンプルで使いやすいデザインなどが魅力です。
・ChromeOS
Google社が提供しているOSです。大半の作業を同社のWebブラウザから実行する点が特徴です。近年では教育現場を中心に注目されています。
大きさ
特にノートパソコンを購入する場合、パソコン自体の大きさも確認が必要です。ノートパソコンの構造上、パソコンの大きさはおおむね画面サイズで決まります。画面が大きなパソコンは見やすい一方で取り回しが悪くなりやすいため、自分にとってちょうどよいバランスを考えましょう。特にキーボードのデザインがパソコンによって大きく異なります。小さめのパソコンはキーボードが小さくなり、キー数も減るため注意しましょう。
ノートパソコンの大きさは画面サイズで表される場合が多く、基本的には以下のサイズが採用されます。
・15.6インチ
比較的大きめの画面サイズです。あまり持ち運ばずに使用します。テンキーつきのキーボードが多く、特に事務作業を行いやすい大きさです。
・14インチ
A4サイズの紙に近い画面サイズです。ある程度持ち運びやすく、見づらくならない程度の画面サイズでもあります。
・13インチ
小さめの画面サイズです。作業内容によっては画面を見づらく感じる可能性もありますが、小型・軽量で持ち運びやすい大きさです。
パソコンの種類
多種多様な種類があるパソコンには、大きく分けると「ノートパソコン」「デスクトップパソコン」の2種類が存在します。それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、選択時の基準にしましょう。パソコンの主な種類であるノートパソコン・デスクトップパソコンを以下で紹介します。
ノートパソコン
パソコン本体と画面やキーボードが一体化しているパソコンです。ノートパソコンの主なメリット・デメリットとして以下のものが挙げられます。
〇メリット
・持ち運びやすい
折り畳み式で薄く・小さく収められるため、比較的携帯性に優れています。出張やテレワークなどでパソコンを持ち運ぶ場合の負担を抑えられます。
・必要な道具が少ない
最低限必要な機器が一体化しており、多くの周辺機器を接続せずに使用できます。複雑な組み立てや配線も必要ありません。
・停電に強い
内蔵されたバッテリーで動作するため、急に停電が発生しても数時間は問題なく使えます。データのバックアップをとって大事なデータを守れます。
〇デメリット
・コストパフォーマンスがあまり高くない
一般的に、ノートパソコンは性能と比較して割高な傾向があります。小型化・軽量化にコストがかかっているほか、各パーツ自体も性能を抑えられています。
・負荷の高い作業に適さない
各パーツの性能が抑えられているだけでなく、排熱効率も高くありません。そのため、多くの処理や熱が発生する高負荷な作業を苦手とします。
・整備性が低い
構造が複雑なため、自力での分解・整備を容易に行えません。機種によっては分解が禁止されている場合もあります。
デスクトップパソコン
大きめの本体に別途各種周辺機器を接続するパソコンです。デスクトップパソコンの主なメリット・デメリットとして以下のものが挙げられます。
〇メリット
・構成の自由度が高い
各パーツを容易に交換できるため、必要にあわせて柔軟な構成が可能です。高性能なパーツを集めて強力なパソコンの作成も行えます。
・コストパフォーマンスが高い
各パーツの小型化や軽量化が考慮されておらず、開発コストを抑えられています。近い性能のノートパソコンと比べて安価に購入可能です。
・整備しやすい
ユーザーが自分での分解・整備を容易に行えます。ノートパソコンと異なり、画面やキーボードが故障しても単体で交換できる点も強みです。
〇デメリット
・パソコン自体が大きい
デスクトップパソコンは本体が大きいため、設置する場所に制約が生じます。机の周辺である程度の空間を確保する必要があり、部屋によっては設置できない場合もあるでしょう。
・周辺機器を用意しなくてはならない
デスクトップパソコンには画面やキーボードなどの周辺機器が付属していません。各種周辺機器を別途購入して接続する必要があります。
・持ち運べない
ノートパソコンと異なり持ち運びが想定されていません。大きく重い本体や各種周辺機器は原則的に据え置きでの使用が求められます。
パソコンの選び方
パソコンの購入時には非常に多くの選択肢が生まれるため、うまく希望に沿ったパソコンを選ぶ必要があります。価格以外にもさまざまな選択基準を設けられます。多方面から絞り込んで、理想的なパソコンを探しましょう。パソコンの主な選び方を以下で紹介します。
用途で選ぶ
パソコンを選ぶ場合、最初にパソコンの主な用途を考えましょう。機種によっては満足に行えない作業もあり、用途を満たさないパソコンを購入しても問題の発生につながります。パソコンの主な用途とおおよその選択基準は以下のとおりです。
・インターネットの閲覧・動画視聴
インターネットでの調べ物や動画の視聴が主目的の場合、大半の機種で問題なく行えます。性能よりも価格や大きさなどを重視して選びましょう。
・学校での学習
学校でのレポート作成やプログラミング学習が目的の場合、通学時の負担を減らせるように小さめの機種を選びましょう。オフィスソフトもあると便利です。
・ビジネス
ビジネス用途で使用する場合はオフィスソフトやWebカメラを使用できる機種がおすすめです。多くのノートパソコンで使用可能です。
・ゲーム
ゲーム用途にパソコンを購入する場合、プレイしたいゲームの必要スペックを確認しましょう。基本的には高性能なGPUを搭載しているデスクトップパソコンが必要です。
・クリエイティブ作業
動画編集やイラスト制作などのクリエイティブ作業が目的の場合、高性能なデスクトップパソコンが求められます。同時に使用するソフトウェアや周辺機器も確認しましょう。
OSで選ぶ
パソコンで使用したいOSも選択の基準です。特にMacOSはApple社製のパソコン以外に搭載されておらず、MacOSを使いたい場合はパソコンの選択肢が限られます。主なOSごとの強みは以下のとおりです。
・Windows
非常に多くのパソコンで採用されているOSのため、多彩なパソコンから選べます。対応しているソフトウェアも多く、ビジネス・クリエイティブ・娯楽など幅広く活用できます。カスタマイズ性の高さやゲーム用途などを求める場合はWindowsを選びましょう。
・MacOS
標準でApple社製の使いやすいソフトウェアがインストールされており、快適な作業環境をすぐに整えられます。iPhoneやApple Watchなど同社の製品と連携できる点も魅力で、対応する端末を多く使用していれば利便性が格段に向上します。
・ChromeOS
オンライン上でさまざまな作業を行うため、データのクラウド保存やOSのアップデートなどを手軽に行えます。セキュリティ性能の高さも魅力で、パソコンを安心して使用できるでしょう。パソコンをシンプルに使いたい場合に適しています。
性能で選ぶ
パソコンはパーツや構造によって性能面での大きな差が生じます。基本的に性能が高いほど価格も上がるため、予算と必要な性能を照らし合わせて選びましょう。
パソコンの性能を決める大きな要素として各パーツの種類があります。新しくグレードの高いパーツを使用しているとパソコン自体の性能も向上します。購入候補のパソコンに搭載されているパーツを確認しておきましょう。
パソコンのパーツのうち、性能に大きく影響するCPU・GPUの種類は以下のとおりです。
・CPU
主にIntel社の「Core i」シリーズとAMD社の「Ryzen」シリーズが用いられます。どちらも製品名から世代・シリーズとグレードを判断できます。基本的に数字が大きなものほど性能も高くなるため、必要な性能のCPUと近い数字のものを選びましょう。
・GPU
単体GPUとして、主にNVIDIA社の「RTX」シリーズやAMD社の「RX」シリーズなどが用いられます。CPUと同じく製品名から世代とグレードがわかり、数字が大きいほど高性能です。必要な性能を把握してから選択しましょう。
購入方法で選ぶ
パソコンを購入する方法も選び方に含まれます。パソコンの購入方法は大きく3種類あり、それぞれに特徴があります。
・メーカー製品を購入する
さまざまな電機・パソコンメーカーから販売されているパソコンを購入します。一般的な購入方法で、特にノートパソコンの多くは購入時にこの方法が用いられます。パーツの自由度は高くありませんが、安心して手軽にパソコンを手に入れられる方法です。
・パーツを購入して自作する
パソコンを構成する各パーツをそれぞれ購入して、自分で組み立てます。主にゲームやクリエイティブ作業のような高性能が求められるパソコンで活用されます。パソコンに関する知識が必要ながら、自分の希望により近いパソコンを入手可能です。
・BTO販売を利用する
Build To Order(受注組み立て)サービスを提供している会社でパソコンを購入します。各パーツをある程度選択できるため、自作スキルがなくとも希望に沿ったパソコンを入手できます。完全に自作するよりコストはかかりますが、プロに依頼するため安心でしょう。
まとめ
パソコンの購入時に役立つ情報として、主にチェックすべき要素や選び方などを紹介しました。パソコンは性能や使い勝手などが非常に幅広いため、自分に適しているモデルを選べなくなる可能性もあります。ちょうどよく用途を満たすパソコンを入手して、生活を便利かつ快適にしましょう。
パソコンはコンピュータの一種であり、コンピュータの知識はスマートフォンやタブレットにも活用できます。そのため、パソコンの選択を通じて知識を深めればほかのコンピュータ端末を購入する際にも役立つでしょう。現代社会で重要な知識を得るべく、まずパソコンから興味を持ってみてください。