札幌市の木・ライラックについて紹介!ライラックを楽しめる名所も!

札幌市の木・ライラックについて紹介!ライラックを楽しめる名所も!

緑豊かな札幌市内では多くの花や木が観られます。花や木は種類ごとに四季折々の美しさを見せてくれますが、札幌において象徴的な花として「ライラック」が挙げられます。明治以降多くの人に愛されてきた美しい花は、現在でも春の札幌において欠かせません。この記事では札幌と縁のあるライラックについて、概要や主な名所などを紹介します。

ライラックとは

ライラックは枝先に集まって咲く美しい花が魅力の花木です。比較的寒さに強く、日本では北日本を中心に広く植えられています。花の色は紫・白・ピンクなどが多く、枝先で円錐状に集まって咲く点が特徴的です。花だけでなく香りの良さでも人気があり、香水の原料としてもライラックが用いられています。
「ライラック」は英語名で、和名では「ムラサキハシドイ」と呼ばれます。学名は「Syringa vulgaris(シリンガ・ブルガリス)」というもので、ギリシャ語の「syrinx」から付けられました。syrinxは「パイプ」を意味しており、ライラックの茎がパイプのような空洞になっていることから名づけられています。フランス語では「リラ」という名前です。春の一時的な気温低下を指す「リラ冷え」の由来になっています。
ライラックには「ラッキーライラック」という言い伝えがあります。ライラックの花びらは通常4枚ですが、まれに5枚の花びらを付けるライラックが見つかります。花びらが5枚のライラックを見つけると幸せになるとされるため、ライラックの花を見たら積極的に探してみましょう。

札幌とライラックの関係

札幌市内において、ライラックの花は春の風物詩として一般的になっています。
札幌にライラックが持ち込まれたのは1890年、「スミス女学校(現在の北星学園女子中学高等学校)」の創設者であるサラ・スミスによるものとされます。スミス氏がアメリカに一時帰国して、再来日の際に自宅の庭からライラックの苗を持ち込みました。ライラックの花を気に入った札幌の住民が挿し木でライラックを増やしていき、現在では市内の各所で見かけるおなじみの花となっています。
札幌市では1960年にライラックを「札幌市の木」に指定しています。市の人口50万人突破およびアメリカ・ポートランド市との姉妹都市提携を記念したもので、当時から札幌でライラックが広く愛されていたことをうかがえます。
現在でも札幌市とライラックとの関係は継続中です。毎年ライラックが咲く時期に、札幌市内で「さっぽろライラックまつり」が開催されます。また、JR北海道が運行する札幌~旭川の特急列車にも「ライラック」の名が付けられています。

さっぽろライラックまつり

毎年5月中旬から下旬にかけて、市内中央区の「大通公園」と白石区の「川下公園」で「さっぽろライラックまつり」が開催されています。札幌でライラックの花が盛りを迎える時期に合わせており、美しいライラックの花を多くのイベントと同時に楽しめるものです。1959年に市内の文化人が呼びかけて始まりました。
大通公園では音楽祭・ワインガーデン・スタンプラリーなど多くのイベントが同時に開催されます。ライラックの花の色や香りだけでなく、耳や舌なども同時に楽しませてくれます。ライラックの苗木販売や昔の遊び体験なども行っており、老若男女問わず楽しめるでしょう。
川下公園ではコンサートやスタンプラリーが行われます。大通公園と比べてイベントは多くありませんが、大通公園以上に多くのライラックをたっぷりと楽しめます。ライラックの鑑賞そのものをより楽しみたい方におすすめです。
参照:さっぽろライラックまつり公式サイト

さっぽろライラックまつりなど各種のイベントについてはこちらの記事も参考にしてください。

札幌市内におけるライラックの名所

札幌市にとって特別な花であるライラックは市内各所で観られます。なかでも多くのライラックを楽しめる場所があるため、ライラックをたっぷり楽しむために把握しておきましょう。札幌市内におけるライラックの名所を6ヶ所紹介します。

大通公園

中央区にある大通公園には約400株のライラックが植えられています。札幌の中心部にあるため非常にアクセスが良く、気軽に多くのライラックを楽しめる場所です。盛りの時期には「さっぽろライラックまつり」が開催されて、多数のイベントと同時にライラックを堪能できます。
大通公園は東西方向にまっすぐ伸びる公園で、ライラックの多くは公園の両脇に並んで植えられています。公園内を往復しつつ東西両方向からライラックを鑑賞できるでしょう。

所在地:札幌市中央区大通西1~12丁目
アクセス:地下鉄「大通」駅よりすぐ
 地下鉄東西線「西11丁目」駅よりすぐ
参照:大通公園公式サイト

川下公園

白石区にある川下公園には約1,700株のライラックが植えられています。世界各地のライラックを集めた「ライラックの森」が設けられており、多数の美しいライラックに囲まれてリラックスできます。大通公園と同時に「さっぽろライラックまつり」が開催されるため、日程をあわせて訪問してみましょう。
川下公園のライラックには「クラーク博士のライラック」もあります。明治時代に活躍したクラーク博士が1876年にマサチューセッツ州に寄贈したハシドイの子孫です。川下公園でライラックを鑑賞する際には要チェックです。

所在地:札幌市白石区川下2651-3外
アクセス:地下鉄東西線「白石」・「新さっぽろ」駅よりバス、「川下公園前」・「白石高校前」停留所より徒歩5分
参照:川下公園公式サイト

創成川公園

中央区にある創成川公園には約200株のライラックが植えられています。大通公園に隣接する好立地のためアクセスしやすく、美しい創成川とライラックをあわせて気軽に楽しめます。札幌中心部の街なかながら自然を身近に感じられるオアシスのような場所です。川のせせらぎを聞きつつ美しい景色を鑑賞しましょう。
ライラックと同じタイミングで、創成川ではスズランも見ごろを迎えます。ライラックと同様、スズランも「札幌市の花」に選ばれている特別な花です。ライラックと同時にスズランも美しさを楽しみましょう。

所在地:札幌市中央区南4~北1条東1丁目・西1丁目
アクセス:地下鉄「大通」駅より徒歩3分
地下鉄東豊線「豊水すすきの」駅より徒歩3分
地下鉄東西線「バスセンター前」駅より徒歩4分
地下鉄南北線「すすきの」駅より徒歩7分
参照:創成川公園公式サイト

北海道大学植物園

中央区にある北海道大学植物園にはライラックの並木道が設けられています。5月から6月にかけてヨーロッパやアジア原産の計20種類が次々に見ごろを迎えて、多彩な花と香りを満喫できる場所です。園内にある「宮部金吾記念館」の前には、サラ・スミス氏がアメリカから持ち込んだ札幌最古のライラックが今も残っています。
北海道大学植物園は1886年に開園しており、東京の小石川植物園に次ぐ日本で2番目に古い植物園です。ライラック以外にも高山植物やツツジなど多くの草花を鑑賞できます。

所在地:札幌市中央区北3条西8丁目
アクセス:JR線・地下鉄南北線・東豊線「札幌」駅より徒歩10分
 地下鉄「大通」駅より徒歩10分
 地下鉄東西線「西11丁目」駅より徒歩10分
参照:北海道大学植物園公式サイト

百合が原公園

北区にある百合が原公園には50種のライラックからなる「ライラックコレクション」があります。シラカバ林を背景にして多彩なライラックを鑑賞できます。芝生を囲むように植えられているため、芝生に入ればライラックの色と香りに包まれたひとときを過ごせるでしょう。札幌の春を感じながらリラックスして過ごせます。
百合が原公園のライラックは園内だけでなく、入り口前の歩道沿いにも650mにわたるライラック並木が設けられています。公園の内外それぞれでライラックを楽しみましょう。

所在地:札幌市北区百合が原公園210
アクセス:JR学園都市線「百合が原」駅より徒歩10分
地下鉄南北線「麻生」駅よりバス、「百合が原公園前」停留所より徒歩2分
地下鉄東豊線「栄町」駅よりバス、「百合が原公園東口」停留所より徒歩5分
参照:百合が原公園公式サイト

前田森林公園

手稲区にある前田森林公園には約400株のライラックが植えられています。園内の広い道に設けられた中央分離帯にあり、公園を巡りながらライラック鑑賞できます。前田森林公園のライラックは札幌の中心街より少し遅く開花する点が特徴です。中心街でライラックを楽しんだあとでも、もう一度改めて楽しめるでしょう。
前田森林公園はフジの花も有名で、年によってはライラックと開花時期が重なる場合もあります。可能であればライラックとあわせてフジも鑑賞してみてください。

所在地:札幌市手稲区手稲前田591-4外
アクセス:JR函館本線「手稲」駅よりバス、「前田森林公園入口」停留所よりすぐ
地下鉄南北線「北24条」駅よりバス、「前田森林公園入口」停留所よりすぐ
地下鉄東西線「宮の沢」駅よりバス、「南2線」停留所より徒歩20分
参照:前田森林公園公式サイト

まとめ

札幌と縁のあるライラックについて、概要や主な名所などを紹介しました。明治時代に札幌へと伝えられたライラックは、人々に愛されて札幌を代表する花になりました。現在でも多くのライラックを楽しめる名所があり、春の札幌を美しく彩ってくれます。
中央区の大通公園では、さっぽろライラックまつりの開催を皮切りにさまざまなイベントが続々と開催されます。雪が解けて元気でにぎやかなシーズンを象徴するようなライラックの花から、1年を楽しく過ごせる元気をもらいましょう。