長い通勤時間をどう過ごす?活用方法や時間短縮の方法などを紹介!

長い通勤時間をどう過ごす?活用方法や時間短縮の方法などを紹介!

1日24時間のうち、多くの人がある程度の時間を通勤に費やしています。家と職場を往復する移動時間は、住んでいる場所によって非常に長く苦しい時間になりえます。通勤時間で多くのストレスを溜め続けるとさまざまな悪影響が生じるため、工夫して時間を有効活用したり短縮したりしましょう。この記事では長い通勤時間による影響や通勤時間の活用法、通勤時間を短縮する方法を紹介します。

平均の通勤時間

通勤時間の長さは都道府県ごとにある程度差があり、傾向として都市部の周辺ほど長くなります。
2021年に総務省が行った調査によると、全国の平均通勤・通学時間は1時間19分でした。都道府県別では神奈川県が1時間40分と最も長く、その他南関東の都県である千葉県・東京都・埼玉県もすべて1時間30分を超えていました。南関東以外では奈良県が1時間28分と最長で、周辺の大阪府・兵庫県・京都府も1時間20分を超えています。
一方、地方では比較的通勤・通学時間が短くなりました。最も短かった山形県・宮崎県は56分で、その他鳥取県・愛媛県も1時間未満です。
全国的には1時間から1時間10分の範囲が最も多くみられました。北海道・福岡県・沖縄県など、幅広く該当しています。一方、愛知県・宮城県・広島県などは1時間10分を超える結果でした。

長い通勤時間の影響

通勤時間が長くなるとさまざまな影響が発生します。影響の多くは悪いもので、身体面・精神面・収入面と広範囲に及びます。通勤時間を有効活用するためにも、長い通勤時間そのものの悪影響を把握しておきましょう。通勤時間が長くなると生じうる主な影響を以下で紹介します。

自由時間が減る

長距離通勤をすると多くの時間を通勤に要するため、その分自由時間が少なくなります。19時に退社する場合、片道の通勤時間が1時間ならば20時に帰宅できます。しかし、片道通勤時間1時間30分の場合は20時30分まで帰宅できません。退勤後に家で過ごす時間が減ると、趣味や休息に使える時間も減少します。
家から出社する朝はより影響が大きくなります。朝は身支度や食事などに多くの時間をとられるため、通勤時間が長いと非常に早く起きて準備を始めなくてはなりません。結果として睡眠時間が削られるため、心身にも悪影響が生じやすくなります。

ストレスが溜まる

通勤時間が長いと多くのストレスを溜めやすくなり、心身にさまざまな悪影響が生じます。日本では通勤を電車で行っている人が多く、特に都市部では満員電車に乗る必要があります。多くの人ですし詰めになる満員電車内では、強いストレスを感じやすくなるでしょう。ほかの乗客との間でトラブルが発生する可能性もあります。
通勤でストレスが溜まると仕事のパフォーマンス低下を招きやすく、失敗してさらにストレスを溜める恐れもあります。通勤が原因でストレスを溜め込む負の連鎖に要注意です。

ストレスによる影響についてはこちらの記事も参考にしてください。

収入が減る

長距離通勤は収入の減少につながるケースもあります。遠くまで電車やバスなどに乗ると多くの交通費がかかるため、交通費を支給されない職場では自己負担額となって積み重なります。支給される場合も上限額を設けられているケースが多く、上限額以上の交通費は自分で負担しなくてはなりません。
交通費の全額を支給してくれる職場でも要注意です。通勤手当が増えると厚生年金保険料における給与額も増えるため、より多くの負担を求められる可能性があります。通勤手当で増えた分の給与は交通費として消費される以上、実際には同額の収入であっても多くの保険料を支払わなくてはなりません。「節約のために遠方から通勤しよう」と考えても、実際には出費額に大きな差が生じないかもしれません。

通勤中にできること(電車・バス)

多くの人が通勤に利用する電車やバスの車内では、目的地まで直接動かずに待機する時間が発生します。通勤時間とあわせて待機時間も長くなるため、何らかの方法で時間を有意義に活用しましょう。仕事に役立てたりリフレッシュしたりと、工夫次第でさまざまな活用が可能です。電車やバスを利用する通勤中にできることの例を以下で紹介します。

本を読む

電車やバスなどに乗っている時間は読書時間にあてられます。好きな作家の小説を読んで気分転換したりビジネス書を読んで仕事に活用したりと、持ち込む本によって幅広い時間活用が可能です。文庫や新書などだけでなく新聞を読む選択肢もあります。不特定多数のニュースがまとめて目に入ってくる新聞は、意外な分野への発見や興味を持ちやすい媒体です。
満員電車で本や新聞を広げるスペースがない場合は電子書籍やニュースアプリを利用しましょう。手のひらサイズのスマートフォンを使用して、数多くの小説やニュースなどを紙媒体と遜色なく読み進められます。

音楽を聴く

スマートフォンやオーディオプレイヤーなどを使用して音楽を聴きながら通勤する方法もあります。盛り上がる曲でやる気を出したり落ち着いた曲でリラックスしたりと、選曲によって多くの効果が期待できます。現代では音楽のサブスクリプションサービスも設けられているため、気軽にさまざまな音楽を楽しめるでしょう。
電車内で音楽を聴く際にはイヤホンが必要です。イヤホンには非常に多くの種類があるため、機能やデザインなどを比べてお気に入りのものを探してみましょう。とり回しの良いフルワイヤレス式や雑音を減らせるノイズキャンセリング機能付きなど、便利なイヤホンが多数販売されています。

動画を観る

通勤中には各種の動画視聴も可能です。ドラマ・映画・動画学習サービスなど、乗車時間や興味などにあわせて豊富な動画を選択・視聴できます。ドラマや映画は気分転換や話題づくりなどに適しており、動画学習サービスならば通勤時間をスキルアップの時間に変えられるでしょう。動画の配信サービスを利用すれば、観られる動画の選択肢は無数に設けられます。
スマートフォンを用いて動画視聴する場合、通信データ量の制限に注意しましょう。モバイル回線でそのまま動画を流し続けると通信データが多くなるため、通信速度制限がかかる可能性もあります。可能であれば、通信データ量の心配がないWi-Fi通信中に動画をダウンロードしておくと安心です。

仕事の整理をする

出社前に電車やバスの車内で当日の仕事内容を整理しておくと 、その日の仕事をスムーズに進められます。やるべきことを書き出して優先順位をつける「To Doリスト」を作成しておけば、勤務時間中にリストをチェックできるため業務の進め方で悩みません。To Doリストはカレンダーアプリやメモ帳などさまざまなツールで作成可能です。
出社時にTo Doリストを作成したら、退社時の車内でその日の振り返りを行いましょう。タスクの達成度合いや反省点などを書き出して、翌日以降の業務をよりスムーズに進められるよう努めます。反省点を探す際は自分への駄目出しにならないよう注意が必要です。マイナス感情を家まで引きずらず、一日頑張った自分を労いながら帰宅しましょう。

勉強する

通勤中の時間を資格取得や語学などの勉強時間にあてる方法も有効です。仕事上役立つ資格をとったり英語力を磨いたりと、毎日の通勤時間でスキルアップを図れます。資格勉強は書籍だけでなくオンラインサービスやアプリなどで行えるものもあり、語学もオーディオブックや英語ニュースなどを聴く勉強が可能です。
マーケティングを行う業種の場合、電車やバスに乗り降りする乗客を観察してマーケティング調査能力の向上も可能です。老若男女が利用する車内では、服装や行動などから最新のニーズを把握できます。車内広告もマーケティングに役立つため、隅々まで見逃さないようにしましょう。

通勤中にできること(徒歩・自転車・自動車)

通勤時に公共交通機関を使わず、徒歩・自転車・自動車などを利用して移動するケースも少なくありません。電車やバスなどと異なり自分で直接移動する必要がありますが、移動するからこそ実施できる行動も多く存在します。ちょっと寄り道したり止まってみたりと、柔軟にゆったりと通勤可能です。徒歩・自転車・自動車を利用する通勤中にできることの例を以下で紹介します。

適度に運動する

通勤時間を利用して軽く運動すると、健康維持やストレス解消などに役立ちます。特に自分の足で通勤する徒歩や自転車などの場合、歩き方を意識したり遠回りしてみたりと容易に運動量を増やせるでしょう。
自動車で通勤する場合は車社会の地域に住んでいるケースが多く、運動不足になりやすい環境です。職場から少し遠くに駐車して歩いたり車内で行えるストレッチをしたりと、積極的に運動不足の解消に取り組みましょう。自動車を利用すると通勤中に体力が減りづらいため、職場や家までエレベーターでなく階段を使用する決断も容易です。

景色を楽しむ

周囲の景色を楽しみながら通勤できれば心理的にゆとりをもって働けます。道端の花・街路樹の色づき・建物の明かりなど、身近なところにちょっとした変化や美しさを発見しましょう。いつも通る場所でも、改めて観察するといろいろな発見があるかもしれません。徒歩や自動車などでの通勤であれば、少し止まって気になった景色をゆっくり眺められます。
景色を楽しむと心理面だけでなく身体面でもプラスの効果が期待できます。特にオフィスワークの場合、勤務中パソコンの画面を見続けているケースも少なくありません。遠くの景色や自然の緑などを眺めて目を休めましょう。眼精疲労の防止につながります。

自由時間だと考える

徒歩や自動車などでの通勤中は他人と同じ場所にいないため、通勤時間も自由時間の一部だと考える方法もあります。特に自動車内では音を出しても周りの人に迷惑をかけづらいため、ラジオをかけたり好きな歌を歌ったりしながら運転できます。出社前・退社後に気分をリフレッシュさせられるでしょう。
自動車内は音だけでなく匂いによる迷惑もかけづらい環境です。そのため、自分が好きなアロマを使ったり路肩で匂いのする食べ物を食べたりもできます。良い香りでリラックスしたり美味しいものを食べて元気を出したりできれば、ゆったりした気分で職場や家まで向かえます。

通勤時間を短くする方法

通勤時間は工夫次第でさまざまな形での活用が可能ですが、長時間の通勤は負担が生じやすい点も事実です。通勤時間を短縮したい場合にも複数の選択肢があります。無理なく働けるように通勤時間短縮の工夫をしてみましょう。この章では通勤時間を短くするための主な方法を紹介します。

通勤ルートを考え直す

通勤に長い時間がかかっている場合、より短い時間で通勤できるルートがないか見直してみましょう。電車を乗り換える駅の変更・優等列車や新幹線の利用・バイパス道路や高速道路の利用など、さまざまな方法で移動時間の短縮を図れます。新幹線や高速道路を利用すると交通費が増加しますが、高確率で通勤時間の短縮を期待できます。交通費の支給額や厚生年金保険料などを考慮しつつ選択肢に含めてみましょう。
ルートによっては、あえて遠回りしたほうが結果的に早く通勤できる可能性もあります。ターミナル駅での乗り換え移動距離が長かったり道路が渋滞しやすかったりと、一見最短距離に思えるルートで余計に時間を要するかもしれません。普段通らないルートを試してみて、最適な通勤ルートを探してみましょう。

リモートワークを行う

業種や会社によってはオフィスに通勤せずリモートワークを行う選択も有効です。働き方改革の導入や新型コロナウィルスの流行以来、多くの会社がリモートワークを導入するようになりました。リモートワークであれば自宅や喫茶店など好きな場所で勤務できるため、遠方のオフィスまで長時間通勤する必要がありません。
リモートワークを行うと、個人や環境によって効率の低下やセキュリティ面での問題発生などが起こる可能性もあります。リモートワークを希望する際は会社での実施実績・環境整備の有無・自分自身の集中力などをよく検討しましょう。

職場の近くに引っ越す

現在の居住地から職場近くの物件に引っ越す方法もあります。職場が近づけば通勤時間も短くなるため、容易に長距離通勤を解決できます。通勤時間の短縮による多くのメリットを考慮すると、長期的にみて効果の高い方法です。
ただ、引っ越しをともなうためハードルの高い方法です。職場が都心部にある場合近隣の物件は基本的に家賃が高く、引っ越し前より金銭的な負担が増える可能性もあります。引っ越しそのものにもお金がかかる点にも要注意です。特に家族がいる場合は自分だけでなく家族も引っ越す必要があるため、実施のハードルがさらに高くなるでしょう。引っ越しを選択する際には念入りな検討と準備が不可欠です。

引っ越しする場合の手順や注意点についてはこちらの記事も参考にしてください。

まとめ

長い通勤時間による影響や通勤時間の活用法、通勤時間を短縮する方法を紹介しました。長い通勤時間を無為に過ごすと多くの悪影響につながるため、さまざまな形で有効活用したり短縮できるよう工夫したりしましょう。通勤にとられている時間をうまく利用できれば、業務や日常生活を有利に進められます。
身動きもとれないような満員電車と異なり、下り列車のようなあまり混雑しない電車を利用している場合は大きなチャンスです。座席に座ってさまざまな行動をとれるため、日々の通勤で着実に成長していけるでしょう。