スマート家電とはどのようなもの?使用メリットや注意点も紹介!

公開日:2025/02/04
スマート家電とはどのようなもの?使用メリットや注意点も紹介!

現代では、多くの人がさまざまな家電やインターネット通信を使用しています。それぞれ異なる形で生活を便利にしてくれますが、多くの家電とインターネットはかかわりがありませんでした。しかし近年では、多くの家電においてインターネットを活用する「スマート家電」が登場しています。従来の家電と異なる特徴や利便性を持っており、使いこなせれば非常に便利な生活が可能です。この記事ではスマート家電の種類や使い方に加えて、メリット・注意点などを紹介します。

スマート家電とは

スマート家電はインターネットを経由してスマートフォンやタブレットなどの端末から操作できる家電です。「IoT家電」とも呼ばれます。家電のそばにいなくとも遠隔で操作できるため、出勤中や帰宅時刻にあわせて動作させられます。AIが搭載されている場合もあり、利用状況に沿った最適な運用が可能です。
スマート家電について以下で詳しく解説します。

IoTについて

スマート家電は「IoT」というシステムの発展により登場しました。IoTは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、身の回りのさまざまなモノをインターネットに接続させるものです。コンピュータやサーバーだけでなく、家電・自動車・医療機器など多種多様な分野でインターネットを活用します。IoTにより多くのモノからデータ収集が可能になり、データを分析して使いやすさや生産性などの向上につなげられます。
IoTにより実現できる技術には「遠隔操作」「状態検知」「モノ同士の通信」などが挙げられます。外出先から家のエアコンを起動したり工場設備の異常発生に対して警告を発したりできます。モノ同士の通信は複数のIoT機器によって実行されます。気温の変化を感知するセンサーとエアコンを通信させて、気温変化にあわせて冷暖房を自動的に動作させられます。インターネット技術と家電との結びつきにより、高い利便性を持つスマート家電が生まれました。

スマート家電の種類

現代ではさまざまな分野のスマート家電が販売されており、非常に便利な生活環境の整備も可能です。主なスマート家電の種類として以下のものが挙げられます。

・スマートスピーカー
さまざまな動作をユーザーの声で指示できる家電です。AIが音声を認識して天気・音楽・スケジュールなどを伝達・再生してくれます。各種スマート家電の操作も可能です。

・スマートリモコン
多くの家電をリモコンとして操作可能な家電です。赤外線通信で各家電に指示を出せます。スマートリモコン自体もスマートフォンやスマートスピーカーから指示を受けられます。

・ロボット掃除機
自動的に床を掃除してくれる家電です。モデルによっては、Wi-Fi通信で部屋をマッピングしたり床に伸びているコードを回避したりできます。

・スマートロック
扉の錠を開け閉めできる家電です。外出先からでも錠を開け閉めしたり施錠確認したりできます。鍵を使わずスマートフォンでの開け閉めも可能です。

・スマート照明
照明の点灯状態を切り替えられる家電です。点灯・消灯だけでなく、モデルによっては光の強さや色も変更できます。スマートスピーカーから音声での操作も行えます。

・スマートプラグ
既存の家電もスマート化できる家電です。家電のプラグとコンセントの間に経由させて、スマートフォンから家電のオン・オフを切り替えられます。

使い方

スマート家電の多くはスマートフォンにインストールする専用のアプリから操作します。Wi-FiやBluetooth通信で家電とスマートフォンを接続して、アプリ上の操作を家電に伝える方式です。基本的に家電メーカーが変わるとアプリも変わるため、可能であれば同じメーカーの家電を選ぶと扱いやすくなるでしょう。
スマート家電は複数の家電同士で連携できるものもあり、使い方を工夫すると生活を一層便利にできます。特にスマートスピーカーやスマートプラグなどはほかの家電と連携させやすく、生活環境とアイデア次第で幅広い使い方が可能です。

スマート家電のメリット

インターネットを介して操作・連携できるスマート家電には、従来の家電と異なるメリットが複数あります。「使うたびに目の前で一つずつ操作しなくてはならない」という常識を覆せるスマート家電ならではの強みを確認してみましょう。スマート家電の主なメリットを以下で紹介します。

どこからでも家電を動かせる

スマート家電の大きなメリットとして、家電のそばにいなくとも家電を操作できる点が挙げられます。ほかの部屋や外出先からでも操作できるため、使い方次第で時間節約や手間の削減などを期待できます。「ロボット掃除機で出勤中に家を掃除する」「起動したままのエアコンを外出中にオフにする」など、スマート家電ならではの使い方が可能です。特にエアコンや家の錠などは「忘れていないか」と不安になりやすいため、家まで戻らずに確認・操作できるとストレスの軽減にもつながるでしょう。
「外出中だからこそ起動する」という利用も可能です。外出中も適度に照明を点けるようにすれば、在宅中のように見せられるため防犯効果が期待できます。室温確認とエアコンの操作によって、留守番しているペットのために適温を維持する利用法も有効でしょう。

毎日行う作業を自動化できる

スマート家電を使うと、毎日の日課を自動化して能率的な生活が可能になります。スケジュール機能により家電を決まったタイミングでオン・オフさせれば、ユーザーの代わりに必要な作業を進めてくれます。特にカーテンを開いたりテレビを起動したりと、忙しい朝に行う作業で有効でしょう。朝の日課を減らして時間に余裕を作れれば、一日の生活にも余裕が生まれます。
決まったタイミングで作業を進めるため、必要な作業を忘れずに行えるメリットもあります。特定の曜日に床の掃除をしている場合、ロボット掃除機に掃除のスケジュールを指定しておけば毎週忘れずに掃除してくれます。忙しかったり疲れていたりする際に役立ちます。

複数の家電を一括で操作できる

スマートリモコンやスマートスピーカーを使うと、使用しているさまざまな家電を一つの端末から操作できます。テレビやエアコンなど家電ごとのリモコンを使わなくとも、登録しているスマートフォンをリモコンとして扱えます。特にスマートスピーカーを使えば音声での操作が可能です。機械操作に詳しくない人や手がふさがっている場面でも容易に家電を操作できるでしょう。
関連する機能の家電を連携させて一括で作動させられる点もメリットです。場面に応じて使いたい家電同士を同時に動かして、より快適な生活環境を構築します。「気温と湿度を検知してエアコンや除湿器を同時に動かす」「カメラやセンサーで外出を検知してカーテンを閉める」など幅広く活用できるでしょう。

スマート家電の注意点

スマート家電は幅広く便利に使える家電ですが、一方で複数の注意点も存在します。うまく使えずにトラブルを招くおそれもあるため、注意点や発生しうる問題についてあらかじめ把握しておきましょう。スマート家電を購入・使用する際の主な注意点を以下で紹介します。

スマートフォンが必要になる

スマート家電は基本的にスマートフォンとの接続が求められるため、スマートフォンを使えないと強みが大幅に失われます。また、接続後もスマート家電を使いこなすには対応アプリの操作が必要です。スマートフォンの使い方に慣れていない場合は接続に苦労する可能性もあります。知人や家電量販店の店員などからサポートしてもらいましょう。
スマート家電の種類によって対応するアプリが変わりうる可能性にも要注意です。スマート家電の多くはメーカーごとに異なるアプリを使用しており、別メーカーの家電を同じアプリで操作できません。統一しうる規格は生まれているため、今後メーカーを問わず同じアプリで操作できるようになる可能性はあります。しかし、現状では家電メーカーを統一したほうが確実でしょう。

インターネット障害の影響を受ける

スマート家電はインターネットを利用するため、インターネット環境に障害が発生すると家電の使用にも影響が生じます。「スマートリモコンに接続している家電を操作できなくなる」「スマートロックの解除ができず家に入れない」のような事態が発生する可能性もあるため注意しましょう。インターネット障害だけでなく停電でも起こりえます。何らかの理由で通信ができなくなった場合の対策も検討しておきましょう。
通信障害や停電と関係なく、自宅のインターネット環境が十分に整備されていない場合もトラブルにつながります。Wi-Fi接続台数や部屋ごとの電波状態によっては、特定の部屋・家電が使用不能になる可能性もあります。ルーターの確認や中継器の設置など、適宜通信環境改善の対策が必要です。

初期費用がかかる

スマート家電を導入する場合、一般的には従来の家電と比べて多くの初期費用がかかります。家電自体にインターネットへの対応コストがかかっており、価格も高く設定されます。既存の家電をすべてスマート家電に置き換えようとすると多額の費用が求められるため、金銭的に余裕がなければ段階的な調達が必要です。各スマート家電の優先順位をつけて計画的に購入しましょう。
いきなり購入を考えずに、まずレンタルして試してみる選択肢もあります。スマート家電は従来の家電と使い勝手が変わるうえ、家の環境によってもうまく使えないかもしれません。高額なスマート家電を問題なく使えるか、スマート家電のレンタルサービスで検証してみましょう。スマート家電を購入・使用する具体的なビジョンも考えやすくなります。

スマート家電使用時のセキュリティ

スマート家電はインターネットに接続するため、場合によってはインターネット経由でセキュリティ上のリスクが生じえます。家電を勝手に操作されたり個人情報を盗まれたりする可能性もゼロではありません。特に近年はIoT機器を狙うサイバー攻撃が増えているため、個人でも十分な対策が必要です。家電のファームウェアを更新したり複雑なパスワードを設定したりと、セキュリティを守れるよう工夫しましょう。信頼できるメーカーの製品を選ぶ意識も大切です。

参照:1 家庭のIoT機器にはどんな危険が潜んでいるの? | 政府広報オンライン

家電の種類によっては購入後何年も使い続ける場合もあります。特に、古い家電はメーカーからのサポートが切れたり最新の手口に弱かったりと脆弱性が上がるため要注意です。使用していない家電は可能な限り電源を切っておきましょう。

まとめ

スマート家電の種類や使い方に加えて、メリット・注意点などを紹介しました。インターネットと接続するスマート家電は従来よりも利便性が大幅に向上する家電で、使いこなせれば便利で豊かな生活環境を構築できます。スマート家電の恩恵を最大限受けられるように、メリットや注意すべきポイントを把握しておきましょう。
スマート家電は日常生活のさまざまな手間を除いてくれる道具であり、従来は家電操作に費やしていた手間や時間を節約できます。一度ずつの手間・時間はわずかでも、積み重なると大きな差が生じます。長期的に考えて無駄なく生活できるように、スマート家電の活用を検討してみてください。